(エスオーエス)とは、船舶を中心に用いられてきたモールス符号による遭難信号である。また、遭難に限らず救助や助けを求める際の合図として使用することもある。SOSは、モールス符号の「3短点」「3長点」「3短点」(・・・---・・・)の信号で構成される。それぞれ1文字ずつ送信されたならばアルファベットのS O Sと同じになるが、各文字の間に間隙を入れずに続けて送信される(のように上線を引くのは、字間を空けずに送信する符号であることを示す)。文字列自体は、覚えやすく緊急時にも打ちやすい信号として設定されたものであり、特に文意はない。“Save Our Souls”(我らを救え)または“Save Our Ship”(我が船を救え)の略とも言われることがあるが、それらは正しくない。日本では、電波法第52条第1号にある遭難通信(船舶または航空機が重大かつ急迫の危険に陥った場合に遭難信号を前置する方法その他総務省令で定める方法により行う無線通信をいう)に使われる遭難信号として、総務省令 無線局運用規則(以下、「運用規則」と略す)「別表第2号 無線電信通信の略符号」の「2 その他の略符号」の「(1) 国内通信及び国際通信に使用する略符号」に定められている。無線通信が実用化された当初の遭難信号はCQDであった。これはマルコーニによって提案され、1904年に採用された。CQは受信局向けの注意喚起であり、Dは"distress"(遭難)を意味する。しかしCQDは長くは使われなかった。1906年に万国無線電信会議(国際電気通信連合 (ITU) の前身の一つ)の第1回ベルリン会議でが採択され、日本は1908年に批准した。審議の際にCQD、アメリカの手旗信号のND、ドイツの一般呼び出しのSOEが候補として挙げられ、聞き取りやすいSOEを採択することとなったが、Eは1短点(・)で聞き落とす恐れがあるため、3短点のS(・・・)に変更したが採択された。なおCQDは、それを最初に使い出したイギリスの通信士の間で、その後数年間使われた。CQDが初めて使われたのは1909年1月、バルト海における「フロリダ」と「リパブリック ()」の衝突においてである。この信号で乗客1500人が救われた。を初めて発信したのは1909年6月10日、アゾレス諸島沖で難破した「スラボニア号」である。は、1912年4月15日、客船タイタニック号が沈没した時にも使用された。が、マルコーニ式電信機を積んだ船の中で初めて使用されたのがこの時である。この時は遭難信号として用いられていたCQDを先に発信し、後にも発信された。遭難通信、緊急通信、安全通信、非常通信は、電波法第52条第1号から第4号に規定されている。また、通信の方法や略号は運用規則による。遭難通信、緊急通信、安全通信は、国際的に定められたもので、電波法もこれに準拠している。なお、遭難通信、緊急通信、安全通信は、船舶又は航空機の通信に関係する無線局だけが行うことができる。非常の場合の無線通信(非常通信を含む)は、日本国内のみを対象とする通信であるが、一般的な非常事態に広く適用できる。特に非常通信は、無線局の判断で開始することができ、種々の災害に対してアマチュア無線局の行った非常通信が大きな成果をあげた事例がある。モールス符号による遭難通信の取扱いは1999年で廃止され、航空機や船舶からの遭難信号の発信には、Global Maritime Distress and Safety System(GMDSS)によるEPIRBが使われている。なおモールス符号による通信は、日本では一部の漁業無線や陸上自衛隊の野戦通信、またアマチュア無線で用られている。無線電話における遭難信号は「メーデー」である( より)。 映画やテレビ番組で、遭難時にマイクに向かって「えすおーえす」と絶叫する場面が出ることがあるが、規定に反するのみならず遭難の事実が伝わらない場合もあるので注意(特に外国局が相手の場合)。また、 は緊急を知らせる言葉として非常に知名度が高いため、今でも民間人の間では遭難や災害の発生時に救助を求める合図として使用される事がある。東日本大震災や平成28年熊本地震の際には、食糧や水、負傷者の搬送などを求めるため、避難所となった学校の校庭や屋上などに、上空を飛ぶ飛行機やヘリコプターに見えるように大きく の文字を作っている様子が見受けられた。但し、対空救難信号は、国際民間航空機関(ICAO)により「」と定められている。公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団が「」の文字と受話器や押しボタンを組み合わせて、非常電話や非常ボタンを表すピクトグラムを策定しており、車両内や鉄道駅などに表示されている場合がある。モールス符号の からの派生として、何かの信号を3回ずつ一定間隔で繰り返すことで、救助を求める信号となる(例:笛を3回鳴らす、銃を3回発砲する、石を3個重ねる、3本の棒切れを等間隔に立てる、周辺の物を燃やして3つの煙を等間隔に立てる、三角を描くように飛行する)。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。