物理単位(ぶつりたんい)とは、種々の物理量を表すための単位である。単に単位と呼ばれることが多いが、物理量ではないもののための単位と区別する場合には特に「物理単位」と言う。本項において、特に断りのない場合は「単位」とは物理単位を指すものとする。物理学や計測学において、単位は物理量の測定のための基準であり、それには明確で使いやすい定義が必要である。実験結果の再現性は科学的方法において重要である。そのためには測定の基準が必要となり、測定の基準を便利なものにするために単位系が必要となる。科学的な単位系は、当初は商業の目的のために発展してきた度量衡の概念を様式化したものである。単位系の違いは、基本とする単位(基本単位)の違いによるものである。現在、最も広く使われている単位系は国際単位系(SI)である。SIには7つの基本単位がある。SIの他の単位は、これらの基本単位を組み合わせて表現することができる(組立単位)。国際単位系(SI)の考え方および表記に従えば、物理量の値(the value of a quantity) formula_1は、その数値(numerical value)を示す数値(number) formula_2と単位(unit) formula_3との積として表される(従って単位の取り方に依存して数値は変更を受ける)。乗法記号(×)は省略して、「半角数字+line-breakingしない四分の一角スペース+半角英文字」と表記することが標準的である。また、商の形による表記も可能である。具体例として、formula_6の圧力formula_7を考えると、formula_8、formula_9、formula_10であり、下記のようになる。なお国際単位系(SI)のルールでは、数値formula_2を示す場合には上記の商の形を用いる。従って物理量の値formula_1の数値formula_2を数表の欄内に示す場合やグラフの軸に数値formula_2を付記する場合なども、それらのタイトル名としては単位formula_3で除算したformula_19の形を用いる(例:「圧力/Pa」)。上記の物理量formula_1や物理単位formula_3には次元という概念が定められている(数値formula_2は無次元量である)。上記の式も両辺の次元は一致している。無次元量はformula_23などのべき乗formula_24以外の関数の引数に取ることができる。大部分の物理量にとって、その物理量の値を伝えるために単位は不可欠なものである。例えば、ある種の単位を使うことなく誰かに特定の長さを伝えようとすれば、その長さをその人に実際に感じてもらうしかない。しかし、全ての量について、それのためだけの単位が必要というわけではない。物理法則を用いることで、ほとんどの量の単位は、他の量の単位の組合せとして表現することができる。その場合、それらの組合せの出発点となるいくつかの基本的な単位が必要となる。これを基本単位(きほんたんい)といい、それ以外の単位を組立単位(くみたてたんい)または誘導単位(ゆうどうたんい)という。組立単位は「(その単位系における)基本単位から組み立てることができる」ということであって、それは便宜の問題である。どの単位を基本単位とするかには選択の余地があり、異なる物理量の単位を基本単位とするいくつかの単位系が存在する。SI基本単位は、実は最も小さな基本単位の組でない。より小さな基本単位の組が提案されており、それは電場と磁場が同じ単位を持つ。これは、電場と磁場が実は同じ現象が異なる形で現れたものであるという物理法則に基づく。いくつかの科学の分野では、SIよりもそのような単位系が好まれる。1以外の比例定数を含まない、基本単位の冪乗の乗除だけ作ることができる組立単位を「一貫性のある組立単位」と言い、全ての組立単位が一貫性のある組立単位である単位系を「一貫性のある単位系」と言う。例えば、国際単位系におけるメートル毎秒は一貫性のある組立単位であるが、キロメートル毎時は3600という比例定数を含むため、一貫性のある組立単位ではない。ガイドライン単位の換算には、異なる物理量の基準(単一の物理量の、または物理量と他の物理量の組み合わせの)の比較が必要となる。単位の間の換算比率はほとんどの場合ある程度不正確であり、より正確な比較が行えれば、より正確な換算が行えることになる。例えば長さを示すのに常にメートルのみを用いていたのでは、地球から他の天体までの距離は非常に大きな数値となり、逆に分子、素粒子などの大きさは非常に小さな数値となってしまう。大きな値や小さな値でも扱いやすい数値で表せるようにするために、基本となる単位の倍量・分量を示す単位が作られている。SIをはじめとするメートル法では、元の単位に対する倍数を意味する接頭辞が使用される。例えば、接頭辞センチ(c)は0.01倍を意味し、センチメートル(cm)は0.01×メートルとなる。接頭辞ミリ(m)は0.001倍を意味し、ミリニュートン(mN)は0.001×Nとなる。ただし、1つだけ例外がある。歴史的な理由により、質量の単位キログラム(kg)はすでに単位名に接頭辞を含んでおり、接頭辞はキログラムではなくグラム(g)に対してつけることになっている。すなわち、キログラムの10倍は、マイクロキログラム(µkg)ではなくミリグラム(mg)となる。接頭辞はちょうどの数値として定義されており、接頭辞を使用する際には単位の換算を必要としない。例えば、"cm"と"0.01 m"とは全く同じ値である。これは単位の換算ではなく、「"4×5"と"20"とは同じ値である」というのと同様の、単なる数値的な換算である。メートル法以外の単位系では、倍量単位・分量単位にも固有の名称をつけていることが多い。例えば尺貫法では、長さの基本となる単位は尺であるが、その10分の1は寸、6倍は間、10倍は丈となっている。また、メートル法のような10の累乗倍だけではなく、3倍、6倍、12倍などといった半端な数値が使われている。なお、ここでいう「基本となる単位」のことを基本単位、倍量単位・分量単位のことを補助単位(または補助計量単位)と呼ぶこともある。SIでも同じ用語が使われているが、これとは異なる意味である。単位をもってある値を表す場合、15ミリメートル、1.5リットルのように1つの単位のみで表したものを単名数(たんめいすう)という。それに対して、1センチメートル5ミリメートル、1リットル5デシリットルのように2つ以上の単位を使って表したものを複名数(ふくめいすう)または諸等数(しょとうすう)という。メートル法では小数を用いて単名数で表すことが多い。しかし、学校教育では、小数を学習する前は複名数を用いて教えている。また、時間については1.75時間ではなく「1時間45分」のように複名数を用いるのが普通であるし、15ミリメートルのことを「1センチ5ミリ」のように言うことは大人でもよくある。単名数は数値を簡単に表せ、計算しやすい(複名数では換算をする必要がある)のに対し、複名数はその値を具体的に理解しやすいという特性がある。メートル法以外の伝統的な単位系では、例えば1尺2寸5分、1ヤード2フィート5インチのように複名数が使われる。
出典:wikipedia
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