『花の魔法使いマリーベル』(はなのまほうつかいマリーベル)は、1992年2月3日から1993年1月18日にかけて、テレビせとうちを制作局としてテレビ東京系列局などで放映された魔法少女アニメ。全50話。葦プロダクション(現:プロダクション リード)制作。本作は、葦プロダクション(現・プロダクション リード)制作の魔法少女アニメ第3弾。監督の遠藤徹哉(後に「えんどうてつや」に改名)にとっては2作目の監督作品である。花の魔法使いマリーベルと、相棒の妖精タンバリンが、南欧風の架空の港町サニーベルを舞台に活躍する物語である。「人間と自然との共生に大切なものは、夢を信じ大切にする純粋な心」というのが本作の語るテーマである。アニメーション製作は葦プロの外注班である、スタジオジャイアンツが担当している。企画スタート当初、既に『花の魔法使い』とのタイトルや、キャラクター原案の大貫健一が描く「帽子に花がついた少女のイラスト」の提示案があり、これを元に、遠藤の第1作目監督作品『ジャンケンマン』のような子供向け作品として制作が進められた。スポンサーであるバンダイ(現・バンダイナムコ)からは、「内容は任せるが、玩具としてステッキとタンバリンを販売したい」との意向を受けており、ここから逆算して各キャラクターを創出・配置していく方法がとられた。また、遠藤監督が嗜好する『メリー・ポピンズ』のモチーフを本作に取り入れることにより「子供たちの夢をかなえつつ、大人もかつて抱いていた大切な何かを思い出す」という基本のコンセプトが出来上がり、それは本作のラストまで貫かれている。セリフでは説明的で長くなってしまう要素を明確に伝えるためBGMに歌詞をつけミュージカル仕立ての展開を取る手法も本作の特徴で、主要キャラの声優は歌唱経験のある役者から選ばれている。一回目の全話DVD化の際に添付された作品解説書では「本作のテーマを視聴対象である幼児・児童向けにわかりやすく丁寧に描いており、本格的子供向けアニメとして作られていることが理解できる」旨の解説が述べられている。その意図通り、本作は魔法少女アニメの本来のターゲット層である子供たちからの大きな支持を獲得し、後に劇場版や、本作のキャラクターを用いた児童向けの交通・防災関連の教育アニメが作られている。本作は『魔法使いサリー』に代表される「異世界の魔法少女が人間界に訪れる」という旧来的なパターンを踏襲した作りになっているが、従来の作品群に比べて大きく異なる趣を持っている。その大きな要因は、魔法少女アニメ本来の訴求対象である年少者層の中でも、幼稚園児から小学校低学年辺りの低年齢層に向けた作品として作られており、ストーリーのプロットや主要キャラクターの配置が、魔法少女アニメとしては珍しく特異な位置づけで描かれているところにある。具体的には、魔法少女が主役でありながらも主人公自身がエピソード展開の中心に立たず、主人公の周囲を取り巻く年少の子供たちもしくは大人たちを物語の中心に据え、彼らが直面する問題や事件、舞台となる町にまつわる事件に主人公が介入して解決に導いていくというプロットとなっている点である。また、同プロダクション制作の『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『魔法のエンジェルスイートミント』と同様、主人公マリーベルにも人間界にやってきた動機は存在しているが、前述の2作と異なり「主人公が果たすべき使命・目的を持つ」という旧来型の魔法少女アニメの定番の要素が物語全体の根幹的な部分に根ざしていない。それと同時に、劇中で主人公の使命や目的達成を掲示する状況設定や演出が存在しておらず、主人公の持つ目的や行動の動機が前面に押し出される形で描写されていない。これにより、個々のエピソードの積み重ねによって作品全体のテーマをさりげなく掲示すると共に、マリーベルの存在を子供の視聴者にとって身近で親しみやすいキャラクターとして印象付けている。つまり、本作は「魔法少女=視聴者である子供の願望の体現者(感情移入の対象)」「何らかの果たすべき使命を持つ」という王道的な要素を取り入れておらず、主人公マリーベルが特別な力を持ちつつも周囲に取り巻く子供たちと同等の存在として扱われ、本来の視聴者層である子供たちにとっての「等身大のお友だち」「困った時の良き相談相手」といった位置づけで描かれているのである(なお、主人公の友人ないし周囲のごく少数の大人が主人公の正体を認知しつつ受け入れているという図式は前作『スイートミント』から取り入れられている)。各エピソードの枠組みに関しては、魔法や妖精の存在といった幻想的な要素を扱いつつも日常離れしたスケールの大きな事件は基本的に起こることはない。あくまで主人公と子供たちの周囲で起きる身近な出来事を物語の主体としており、日常のすぐ傍に存在する不思議な世界との交流を通じて「自然と人との共存」というテーマを描くという姿勢で一貫している。サニーベルの街に住む幼い姉弟ユーリとケンは、お隣のローズおばあちゃんから借りた、魔法使いが活躍する童話絵本「マリーベルの絵本」が大好き。町外れの丘の上で仲良く絵本を読み終えた後、両親の営む花屋に客が来ないことに心を痛めていた二人は「マリーベルがいてくれたらなあ…」とつぶやいた。そんな時、まばゆい光と共に2人の足元に咲いた一輪の花の中から、マリーベルという名の不思議な少女が相棒の妖精タンバリンと共に現れる。彼女は自らを「花魔法界からやってきた花の魔法使い」だと名乗り、たちまち二人の願いを魔法で叶えてしまう。その後、マリーベルはサニーベルに住み着いてユーリたちや他の子供たち、町の住人らと徐々に仲良くなり、一人前の魔法使いになるべく花魔法の力で人々に様々な夢や希望を与えながら楽しく過ごしていく。やがて、妖精ハンター、ジートの恩師であるシェルボー教授が妖精の捕獲を目論んで強引に実行した都市開発計画により、花魔法界の守護神的存在である「聖なる樹」との争いが起こり、地球上からありとあらゆる植物が消えうせるという一大事に発展、地球が滅亡の危機に立たされてしまう。聖なる樹の暴走を阻止すべく立ち向かうも、争いの末に魔力を使い果たし花魔法界で眠りについたマリーベルは、ユーリ、ケン、そして彼女の復活を願う人々の思いと夢見る心の力により魔法の力を取り戻して目覚める。そして、聖なる木と争うのではなく対話することを選び、人々との交流と触れ合いによって聖なる木の怒りを鎮めようと試みる。その中で、己の野望を果たさんがために草花や木を邪魔者とみなしていたシェルボー教授は、忘れ去っていた自然との触れ合いの過去を思い出し、改心する。人間を憎んでいた聖なる木も、人と自然はお互いにかけがえの無い存在同士であることを忘れ去っていた自分に気づき、人間たちと和解して花魔法界へと帰って行った。こうしてサニーベルの町と世界の危機を救ったマリーベルは、フラワーハウスの庭いっぱいに人々の心の花を咲かせることに成功し、花魔法界の女神フローリアから一人前の魔法使いと認められる。そして人と自然がいつまでも共存できるよう見守り続けるため人間界に残り、人間たちと共に仲良く暮らしていくのだった。マリーベルの故郷。自然豊かで花が咲き乱れる世界。悪意ある人間の侵入を防ぐため人間の来訪は許されていないが、花魔法界の住人の手引きがあれば行くことができる。花魔法使い、妖精、シーリーコート、そしてフェニックス等の幻獣といった空想世界の存在と言われる者達が平和に暮らしている。人間の世界に見られる国の仕組みは描かれていないが、花や木を守る神のような存在である「聖なる樹」や、花魔法界の心と言われる「フローリア」といった、神秘的な存在は描写されている。人間界と花魔法界での時間の流れの違いなどについての言及は特に無い。マリーベルたち花の魔法使いは、花魔法界上空に多数滞空している浮遊大陸に自宅を構えている。花魔法界の住人で、花魔法を操る力を持つ種族。魔法の力で人間界の人々に夢や希望を与えることを使命としており、マリーベルや彼女の両親のように素性を隠して人間界で活動している魔法使いたちもいる。人間界のあらゆる生き物の夢見る力から生まれた存在であり、夢の力を自身の魔力の源としている。また、花の魔法使いにとって夢の力は生きる糧でもあり、魔法力を使い果たすと人間界に留まることができなくなってしまい休息のため花魔法界で長い眠りに着くことになる。花の魔法使い達が使う魔法。魔法の花びらの力に働きかけて発動するもので、花の魔法使いとパートナーの妖精が互いに協力しあって行使する。しかし、互いの心が離れていると魔法が発動せず変身することもできなくなったり、魔法の効果が切れてしまったりする。劇中では、マリーベルが魔法に失敗した際、手に負えないと見てタンバリンが逃げ出すことで変身が切れる描写がある。その他にも、仲違いしたことにより魔法が使えなくなったり(第6話)、ジートにタンバリンをさらわれた際も同様の状況となった。(38話)また、マリーベル・タンバリンを手元から失った場合にも花魔法を使えなくなり、花の魔法使い以外にも魔法を使える者(劇中では魔女)の手に渡ると花魔法を悪用される恐れが生じる(45話)。マリーベルを象徴するピンク色の小さな花。「マリーベルに助けて欲しい」と心から願った人の足元に一輪だけ咲き、花を介してマリーベルが召喚される(「マリーベルの絵本」の中でも、花の中からマリーベルが現れる描写がある)。この花を通じて助けを求めている人の思いがマリーベルに届くらしく、本人は「花に呼ばれた」と発言している。第1話冒頭では「マリーベルの力で花屋を繁盛させて欲しい」というユーリたちの願いによってこの花が咲きマリーベルが現れた。第30話では、森に迷い込んだビビアンがデビルフラワーに襲われた妖精モーリィを助けて欲しいと強く願いながらマリーベルに呼びかけたことで花が咲き、モーリィのいたずらで森の中に入れなくなっていたマリーベルを呼び寄せた(この際は咲いた花がビビアンに授けたマリーベル・コンパクトを介した瞬間移動によって召喚された)。マリーベルが花魔法使いに変身する際もマリーベルの頭にこの花が咲き、衣装チェンジ後に頭についたリボンのワンポイントとなるが、変身が解けるととつぼみとなって消えてしまう。また、聖なる樹との争いで力尽き花魔法界に戻ったマリーベルは、夢の力を使い果たして花の姿に還ってしまった。マリーベルの絵本の表紙にはこの花を模った紋章が描かれている他、マリーベル・タンバリンの円状のプレートの中央やマリーベル・コンパクトの蓋にもこの花のレリーフが設えられている。ローズが子供時代から大切にしていた絵本。「森で迷子になった幼い姉弟ジェーンとマイケルが、花の魔法使いマリーベルに助けられ、無事両親の家に帰る」というお話。本の表紙にはマリーベルの花の紋章が描かれているだけで、正式な題名や著者名は不明。このため劇中では一貫して「マリーベルの絵本」と呼ばれている。絵本の持ち主であるローズ、そしてユーリ、ケン、リボンもこの絵本が大好きで、マリーベルはこの絵本を通してユーリたちの前に現れた。また、フラワーショップの店名の由来もこの本で、「マリーベルが来てくれるかもしれない」という希望をこめてユーリとケンが命名している。第27話の騒動で焼却炉に落ち損傷してしまうが、マリーベルによって修理され2冊に分けられた後、1冊がユーリたちの手元に残された。その際、ユーリたちの手に渡った方は登場人物がケンとユーリに書き換えられており、リボンも付け加えられていた。誰がどういった経緯でこの絵本を書いたのか、どういう経緯を経てローズの手に渡ったのかや、マリーベル本人とこの絵本の関係についても作中では明らかにされていない。本作には、花魔法界以外にもさまざまな空想上の世界が登場し、それにまつわる事件を、マリーベルらは解決していった。マリーベルの魔法は大きく分けて、マリーベルタンバリンから取り出す魔法道具と、魔法道具よりも効力が大きい代わりにタンバリンの協力による変身が必須の花魔法の2つに分かれる。魔法自体は万能型であるが、マリーベル自身に効果をもたらす魔法(大人や他人への変身など)は存在しない。また嫌がる人や心を閉ざしている相手に対して魔法は効力を発揮しない。劇中では様々な魔法道具が登場するが、その中でも特に使用頻度の高いものを記す。ポニーキャニオンより発売。ポニーキャニオンより発売。ぬりえやスケッチブックなどが、セイカノートから発売された。
出典:wikipedia
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