京急1000形電車(けいきゅう1000がたでんしゃ)は、2002年(平成14年)4月15日に営業運転を開始した 京浜急行電鉄の通勤形電車。1959年(昭和34年)登場の初代1000形と同時に営業運転に使用された期間があり、区別のため本形式は新1000形と呼称される。1000形と700形の置き換え用として、2100形の車体や主要機器をベースとして設計され 、快適性の向上、環境への配慮、省エネルギー化、保守の低減などを目指した。製造時毎に各種設計変更が行われているが、特に2006年までの製造車はアルミ軽合金製塗装車体、ドイツ製主制御器・主電動機を採用した一方、2007年以降はステンレス製無塗装車体、日本製主制御器・主電動機に変更されたことが特筆される。本項では、特記のない限り、各種文献に倣い、京急本線上で南側を「浦賀寄り」または「浦賀方」、北側を「品川寄り」または「品川方」、東側を「海側」、西側を「山側」と呼ぶ。編成番号は浦賀方先頭車の車両番号で代表する。また、「新1000形」は本形式、「1000形」は1959年(昭和34年)登場の1000形(初代)、「700形」は1967年(昭和42年)登場の700形(2代)、「600形」は1994年(平成6年)登場の600形(3代)を指すものとする。文中の編成表では左側を浦賀方とする。また、本形式についてはアルミ合金製車体の編成群(1 - 5次車)を「アルミ車両」、ステンレス製車体の編成群(6次車以降)を「ステンレス車両」と呼ぶ。都営地下鉄浅草線への乗り入れ規格「1号線直通車両規格」に基づいた、全長18 m、片側3扉の車両である。外観デザインは2100形の三次元曲面を踏襲した形状とし、正面向かって左端には非常用のスイングプラグドアを設置した。座席は1 - 5次車では客用扉間にはロングシートを、車端部にはクロスシートを採用したが、6次車以降は車端部もロングシートとされた。車両番号は、車種にかかわらず浦賀寄りから連番とされた。8両編成は百の位を0として1001から、6両編成は百の位を3として1301から、4両編成は百の位を4として1401から付番されている。各製造時の車両番号は製造時のバリエーションを参照のこと。第1編成は2002年2月23日に竣工、3月23日・24日に試乗会が行われた 。直通運転先の各社に乗務員訓練などのため貸し出された後、4月15日から自社線内で営業運転を開始、6月25日から都営浅草線、8月30日から京成線高砂まで、9月4日から北総線への乗り入れ運用に充当された。2015年3月31日現在、8両編成22本(176両)、6両編成10本(60両)、4両編成23本(92両)の計55本・328両が在籍し、京急で最大車両数の形式である。車体は軽量化と保守の軽減を狙ったアルミ軽合金製で外板塗装は600形・2100形と同様赤い車体、窓周り白塗装である。雨樋やパンタグラフからの高圧配管など、車体妻面にある配管類は車体埋め込み形となっている。先頭部はスピード感のある流線型で、スカートと一体感を持った3次元曲面で構成されている。先頭車の正面のワイパーカバーには2100形同様に形式名がスリットで打ち抜かれ、連結作業時に運転士から連結器先端が見えるよう配慮されている。形式名と併せ、車両番号の下3桁が貫通扉に表示され、遠方からでも600形・2100形との識別ができる。ワイパーはフレキシブルケーブルで連結された電動2連式で、使用時以外はワイパーカバー内に収納される。正面運転席上行先表示器両脇に前照灯を、腰部に急行灯と尾灯を備える。尾灯は電球式で、2100形4次車以降と同様急行灯の内側に置かれている。客室窓はすべて固定窓とされ、車体清掃の容易化のため車体外板との段差がなくなるよう設計されている。扉間の窓は幅2,325 mm、中央部に75 mmの柱があり、車端部は幅1,455 mmの1枚構成である。内装は暖色系を採用し、温かみのある親しみやすい空間を目指した。内張りは白色系の化粧板を、乗務員室背面仕切壁や妻面にはピンク色の化粧板を採用し、床材には明るい青色のロンリウム材を使用した。京急の車両では初めて電動車床面の点検蓋が省略された。扉間は脚台をなくした片持ち式ロングシート、車端部が補助いす付きのクロスシートである。ロングシートはバケットタイプを採用、1人分の掛け幅は455 mmとした。座席端の袖仕切は大型板とされ、扉間の8人掛ロングシートを3人と5人に分割する仕切板と握り棒(立席ポスト)を設置した。座席表地はロング・クロスシートとも赤系色としている。補助いすは乗務員室からの操作で施錠と解錠が可能で、閑散時には使用可能となり、混雑時には収納状態で固定される。バリアフリー対応のため各先頭車に安全手すり付きの車椅子スペースを設け、乗務員との通話が可能な非常通報装置を備えている。中央天井部はリサイクル性を考慮し、2100形のFRP製からアルミ化粧板に変更され、各車両にラインフローファン4台が設置されている。側窓が固定式のため、非常時の換気を考慮し、蓄電池を電源として停電時でも約1時間運転可能な排気扇を各車2台搭載している。車内騒音の低減を図る目的から客用窓はドアガラスも含めて複層構造による固定窓とされた。室内側の窓枠はアルミ製とし、遮光用のロールカーテンを設置する。客用ドアは幅1,300 mm、高さ1,850 mmで室内側は化粧板で仕上げられ、軽量化のためペーパーハニカム構造を採用、扉本体とガラス面をフラットにすることで手などの巻き込みを防止するよう配慮されている。車両間を仕切る貫通扉は2次車までは奇数号車の浦賀寄りに設置、3次車以降は浦賀方先頭車を除く全車の浦賀寄りに設置した。貫通路扉は客用ドア同様にペーパーハニカム構造と10 mm厚の単層ガラスの採用で軽量化をはかると共に開閉操作を容易にした。ドアエンジンには戸閉力弱め機構を搭載し、閉扉後6秒間は戸閉力が24%となる戸閉め力弱め機能が追加された。車内ドア上部には旅客へのLEDを使用した文字スクロール表示式のドアチャイム内蔵車内案内表示器が設置された。乗務員室基本構成は2100形を踏襲、視認性を考慮し運転台計器台周辺はダークグレーの落ち着いた色調とした。主幹制御器(マスコンハンドル)は1号線直通規格に基づいた力行1 - 5段、常用ブレーキ1 - 5段、非常のT字形ワンハンドル式を採用、マスコンの右側には非常ブレーキ動作、パンタグラフ降下、非常発報がボタンひとつの操作で行える緊急スイッチを設置した。また、乗務員室内には折りたたみ式非常ハシゴを設置している。乗務員室仕切りは仕切窓が3枚並び、そのうち中央は仕切扉である。600形3次車でMT比1:1を採用したが、雨天時などの粘着低下により加速度低下、前後衝動が発生したため、2100形ではスリップ・スライド制御を盛り込んだドイツ・シーメンス社製制御装置を採用した。本形式の制御装置は2100形での試験データを反映させて改良されたものである。VVVFインバータ制御装置は、1・2次車では2100形と同じくGTOサイリスタ素子(素子耐圧4,500 V - 3,000 A)によるものを採用した。2100形と同様にシーメンス独特の音階による磁励音を主電動機およびインバータ装置から発する。この制御装置はVVVFインバータ制御装置本体、断流器、フィルタリアクトル等を「トラクションコンテナ」と呼ばれる一体の箱に収納している。3 - 5次車では同じシーメンス社製であるが、使用素子はIGBTに変更され、主電動機の仕様も2100形と同一で、シーメンス社製1TB2010-0GC02系、出力190 kW、1 - 5次車では互換性があるが、3次車以降は速度センサを制御に使用していないため、センサが実装されていない。シーメンス製電動機の出力は1時間定格出力ではなく、連続定格出力である。補助電源装置は三菱電機製のIGBT素子 (IPM) を使用した静止形インバータ (SIV) を採用し、8両編成では150 kVAのNC-EAT150Aを、4両編成では75 kVAのNC-EAT75Aをそれぞれ編成に2台搭載しており、出力電圧は三相交流440 Vとしている。空気圧縮機 (CP) はドイツ・クノールブレムゼ社製のスクリュー式の装置で、除湿装置、起動装置などを一体形としたものである。8両編成ではSL-22形(吐出量1,600 L/min)、4両編成ではSL-6形(吐出量800 L/min)を編成に各2台搭載する。集電装置は東洋電機製造製のPT7117-A形シングルアーム式パンタグラフを搭載している。駆動装置は2100形と同一のTD平行カルダン駆動方式だが、たわみ板材質を特殊鋼から炭素繊維強化プラスチック (CFRP) へ変更し、継ぎ手カバーを不要として保守の容易化を図った。台車は乗り心地・走行性・保守性の点から乾式ゴム入り円筒案内式のボルスタ付き台車を採用し、車体支持装置は車体直結空気バネ方式である。この台車は2100形とほぼ同形だが、軽量化のため付随車用に主電電動機架軽量化を省略した専用台車を用意した。2次車までは軸ダンパを準備工事としているが、3次車からは省略され、台車形式を変更している。冷房装置には三菱電機製の屋根上集中式CU-71H形・能力41.86 kW (36,000 kcal/h) を搭載する。暖房装置は出庫時に外気気温が摂氏10度以下の際に作動する急速暖房器を備える。1次車 - 3次車は正面・側面の行先・運行番号・種別表示は幕式だったが、2005年(平成17年)度製の4次車からはフルカラーLED式となった。1・2次車の先頭台車の先頭軸には、非常ブレーキ・回生ブレーキ失効時にセラミックス(アルミナ・酸化アルミニウム)の粒子を噴射して制動能力低下を防止するセラジェットを、1001編成は砂撒き装置を搭載していたが、使用頻度が少ないために3次車以降では廃止されている。動作条件は京急線内でワイパースイッチを投入し、一定速度以上での回生失効や非常ブレーキを操作した場合に、1回につき6秒間セラミックを噴射するものである 。4両編成の先頭車排障器(スカート)内側に他の車両と連結して運転される際に連結間から転落する事故を防止するため連結部注意放送装置のスピーカーが設置されている。車両の前後切換スイッチが「中」(中間車扱い)位置にあり、ドアが開いている間警報音と注意放送が流れる。製造メーカーの「東急」は東急車輛製造製、「川崎」は川崎重工業製。以下同じ。2002年(平成14年)2月 - 6月に8両編成3本、4両編成2本の32両が竣工した。8両編成1本と4両編成1本を3M3Tの6両編成2本に組み替えられる機器構成とされ、4両編成の付随車浦賀方には編成替時の増設用にパンタグラフの準備工事がなされている。2003年(平成15年)5月 - 7月に8両編成2本、4両編成2本の24両が竣工した。車体見付・機器配置の仕様変更を行い、乗客へのサービス向上とコストダウンを図った。1次車では8両編成1本と4両編成1本から6両編成2本へ組み換えができる機器構成としていたが、2次車では組み換えをしない機器配置とした。8両編成については機器配置の変更はないが、4両編成ではT車に蓄電池を、Tp車にパンタグラフとSIVを搭載して機器の集約を図った。故障時の冗長化のため、Tp車に1次車と同形の75 kVA出力SIVを2台搭載した。種別・行先表示器が白地に黒文字となり、ローマ字表記が加わった。側窓は上方に20 mm拡大し、ドア間の窓は1次車のグリーン色の2連分割窓から大形の1枚窓とし、色はサンユーログレーに変更した。車内では、1次車では枕木方向のつり革をドア付近を3個並び、それ以外を2個並びとしていたが、2次車では全て3個並びに変更した。2005年(平成17年)1月 - 3月に8両編成2本、4両編成2本の24両が竣工した。この3次車では大規模な仕様変更が行われた。雨天時に、車輪の空転・滑走が発生した場合でもそのままの加速・減速を続ける制御をおこなっていたため、乗り心地が低下していたことへの対策として編成構成を8両編成では4M4Tから6M2Tへ、4両編成は2M2Tから3M1Tに変更した。編成構成の変更に伴い、電動車2両のユニットと、電動車と付随車を組み合わせたユニットの2種類のユニット構成となった。8両編成のMuc・M1u・M1s・Mscと4両編成のMuc1・Msc1にはBox-Aまたは制御側装置と呼ばれるトラクションコンテナ(制御装置箱)が、8両編成のM2u・M2sと4両編成のM2には外観が同一のBox-Bまたは付随側装置と呼ばれるトラクションコンテナが搭載され、M2系車両のBox-Bは隣り合うM1系車両のBox-Aによって1C8Mとして制御される。また、フィルタリアクトルを別構成としたため、トラクションコンテナは小形化されている。編成内のBox-A間とユニットを組むBox-AとBox-B間をそれぞれ別系統のMVB(Multifunction Vehicle Bus・車両間伝送バス)で接続した。1C8M制御されているBox-A・Bのいずれかが故障すると両方が使用不能となるため、残った1C4MのBox-Aにトルクアップを指令、回生ブレーキのカットを行う機能を設けた。制御装置のデータ読み出しには各車個別処理から1か所で編成全体のデータ読み出しをさせる機能が設けられた。制御素子にはIGBT素子(2レベル・素子耐圧3,300 V - 1,200 A)の使用に変更し、冷却方式を送風機(ブロワー)を使用した強制風冷方式からヒートパイプ自冷方式に変更した。主電動機は従来品と互換性を保つため出力190 kW品のままとし、軸受けの変更やPGセンサレス方式の採用などで細部が異なるもの、部品の追加変更をすることで従来車両用との互換性が確保されている。電動車数が増え、定格一杯まで使用すると集電装置の電流容量を超過するため、出力を抑えて使用している。台車は、これまでは2100形と共通設計で、軸ダンパを設置準備工事としていたが本形式では設置予定がないことから廃止の上、台車形式を変更した。動力台車はTH-2100AM形からTH-2100BM形へ、付随台車はTH-2100AT形からTH-2100BT形へと、それぞれ変更された。ブレーキ制御はM-T2両1ユニットとする遅れ込め制御からM-TまたはM-Mユニット間での制御に変更されている。また、新製時よりC-ATS車上装置対応品を搭載した。2004年(平成16年)12月に国土交通省の地下鉄道の火災対策の基準が見直され、この新火災対策へ対応した仕様とした。連結面の車両間貫通扉を8両編成では3か所、4両編成では1か所であったが、3次車では各車両の浦賀方への設置に増設した。さらに客室天井のFRP製の冷房吹き出し口と補助送風機(ラインデリア)・排気扇の整風板カバーをポリカーボネート製から、それぞれアルミニウム製に変更した。火災対策には関係しないが、先頭車両では乗務員室内のみに設置されていた消火器を併結運転時に乗客が使用できるよう客室内にも設置した。車端部の補助椅子とクロスシートは一体化させた形状に変更し、クロスシートの間隔を110 mm拡大した。2005年7月 - 8月に8両編成1本、4両編成4本の24両が竣工した。表示にフルカラーLEDが本格採用された。2006年10月 - 11月に8両編成1本、4両編成2本の16両が竣工した。4次車からの変更点はない。6次車以降の車両では京急初の軽量ステンレス製車体とし、側面には京急のイメージカラーを踏襲した赤と白のカラーフィルムが貼り付けされた。前頭部は普通鋼製とされ、従来車同様赤く塗装された。前面はアルミ車のワイパーカバーを廃止し、形式番号は直接表記とされた。フロントガラスは貫通扉も含めて左右2分割から運転席前・貫通扉・左右前照灯・種別行先表示器の5分割構成となった。同時期製造の他社のステンレス車に対して車体幅、車体長、独自配置・寸法の下降窓、客室側窓には従来通りロールカーテンが設置されているなどの京急独自の特徴がある。高品質・高性能化とともにコストダウンがはかられた。雨樋・集電装置からの高圧配管が車体埋め込みから妻面に露出する形態となったほか、台枠から屋根に向かって車体が絞り込む台形断面状の車体となった。内装はアルミ車同様に暖色系を採用し、温かみある親しみやすい空間を目指した。内張りはアルミ車同様の白色系化粧板を使用し、床材についてもロンリウム材ではあるが、色調をグレー系へと変更した。中央天井部は空調ダクト・ラインフロー(冷風吹出口)一体成形のFRP製ユニット天井とされ、ラインデリア整風板の形状も変更された。車端部の4人掛けクロスシートは5人掛けロングシートに変更され、京急では1993年(平成5年)製造の1500形の最終製造車以来14年ぶりのオールロングシート車となったが、5次車までと同様の座席の表地や1人分455 mm幅の片持ち式バケットタイプシート構造を採用している。座席端の袖仕切りと立席ポスト(握り棒)の仕切り板の色はピンク色からベージュ色に変更された。客用ドアは車両メーカー標準品を採用、室内側を無塗装とし、客用ドアガラスは側窓と併せ濃色グリーンの単板に変更された。各車両間の妻引戸は浦賀寄り先頭車を除き全車浦賀寄りに設置、戸閉め方式は傾斜式に変更され、ドアチェッカは廃止された。客用ドア間の側窓は中央に桟のある2枚分割構成で片側を開閉可能な一段下降式とし、1両あたり4か所が開閉可能である。側窓枠はFRP製とされ、カーテンの色は青色に変更した。一部の側窓が開閉可能となったため、アルミ車両にあった排気扇は廃止されている。踏切事故対策と運転操作性を考慮し、京急では1967年(昭和42年)の700形1次車以来40年ぶりとなる高運転台構造を採用、運転士用の座席と運転台を150 mm高くし、乗務員室の奥行きを200 mm拡大した。乗務員室背後の座席は廃止され、この場所側面にあった小窓も廃止された。乗務員室に非常用脱出はしごが設置された。運転席背後に非常用脱出口が設けられたため、仕切部の窓が小型化された。運転席側のワイパーは1本となり、ワイパーカバーを廃止、貫通扉に手動式ワイパーが設置された。踏切事故対策として、前頭部はアルミ車両よりも1.5倍以上の強度向上がなされている。搭載機器は仕様が見直され、主制御器・主電動機が日本製となり、編成での機器配置も変更された。予備部品の共通化も考慮し、制御装置・主電動機は1500形VVVF化改造車で実績のあるものが採用された。VVVFインバータ装置は日本製の2レベルIPM・PGセンサレスベクトル制御となり、電動機制御は1C4M2群方式に変更された。8連・東急車輛製は三菱電機製、4連1400番台・川崎重工業製は東洋電機製造製のインバータ装置を搭載する。主電動機は三菱電機製、一時間定格155 kWの誘導電動機MB-5121-A形となった。補助電源装置はメーカーが変更され、東芝製の静止形インバータ装置 (INV153-F0) を採用、8両編成・4両編成とも出力は170 kVAとなった。電動空気圧縮機 (CP) は三菱電機製のスクロール式CP(MBU1600-Y形)に変更され、省スペースと軽量化のため関連機器ごとステンレス製の一体箱に収納された。集電装置、駆動装置、歯車比、空調装置、ブレーキ制御装置はアルミ車両と同一、台車は3次車以降と同一の円筒案内式TH-2100BM(電動台車)/TH-2100BT(付随台車)である。2007年(平成19年)3月に落成し、同年3月31日から営業運転に就いた。京急の車両で初めてステンレス車体を採用した。2008年1月 - 2月に8両編成2本、16両が竣工した。6次車と同等の仕様である2008年9月 - 12月にかけて8両編成3本、4両編成2本の32両が竣工した。ステンレス車体の4両編成、川崎重工業製が含まれる。4両編成は全車電動車で、中間に2両を挟むことで6両編成が出来るよう設計し、品川寄り中間電動車には付随車の給電用パンタグラフの準備工事が行われている。6・7次車と内装は同様だが、客室内の配色が一部変更され、立席ポスト(握り棒)に黄色の塗装と滑り止め加工を施工した。このほか、立ち座りの補助として袖仕切に横手すりを追加した。2009年度には4両編成8本、32両が竣工した。仕様は8次車と同一である。2010年度は8両編成3本、4両編成1本の28両が竣工した。この10次車ではバリアフリー設備の充実のため、仕様の見直しが実施された。車内では600形更新車で採用したドア上部への液晶モニタ(LCD・17インチワイド形)方式の車内案内表示器(映像情報配信装置・トレインビジョン・VIS)を設置した。液晶モニタは2画面が設置され、左側を広告動画表示用として、右側は次駅案内や乗り換え案内等の旅客案内用として使用したが、現在左側の液晶モニタは使用停止中である。 ドア上部点検フタ下部にドア開閉時に赤く点滅するドア開閉表示灯を追加し、客用ドア車外下部のクツズリ部に黄色の注意表記を貼り付けた。運転台には他社線で使用する乗務員支援情報や停車予告機能を有する車上情報管理装置を設置し、運転台計器盤にモニター画面を設けた。600形8両編成とともに成田スカイアクセス線乗り入れに対応する。乗務員室昇降ステップ、くつずり部に滑り止めが施工された。そのほか、6次車より搭載している乗務員室背面収納の非常用ハシゴを車両側面用から、トンネル内での使用に備えて前面貫通扉にも使用できるよう改良された。これは6次車以降の全車両に改良予定としている。2011年度は8両編成1本、6両編成3本の26両が竣工した。従来は8両編成と4両編成が製造されたが、今回より800形の置き換えを目的として6両編成が登場した。6両編成は全車川崎重工で製造され、6両編成の車両番号は1301から付番された。6両編成は先頭部の電気連結器を装備しないが、運用変更への対応を考慮して8両編成または4両編成への変更が可能な編成形態としている。2012年3月以降導入の車両は車内照明が蛍光灯からLED照明に変更した。このほか、乗務員室内設置の空調装置操作器を品川寄り先頭車のみから、両先頭車への設置に変更した。2012年(平成24年)度は8両編成1本、6両編成2本の20両が竣工した。全車LED車内照明である。1153編成は総合車両製作所が発足後最初に鉄道事業者に引き渡した車両で、同社を出場した2012年4月6日に出場記念のテープカットが行われている。2013年(平成25年)度は13次車として8両編成1本、6両編成2本の20両が竣工した。12次車からの変更点はない。2014年(平成26年)度は14次車として8両編成1本、6両編成3本の26両が竣工した。13次車からの変更点はない。2015年(平成27年)には15次車として6両2本が製造された。1367編成は電動機が東芝製PMSMモーターになったことである。2016年3月から営業運転を開始した車両である。基本的な構造は従来のステンレス車両と同じであるが、先頭車の運転室を貫通構造としたため、先頭車前面に貫通路が設置されており、1800番台に区分されている。これは、車両更新や車両設備の改造工事などで4両編成または8両編成が長期間運用から外れた場合においては、普通から快特まで、さらには都営浅草線直通列車までフレキシブルな運用に対応するためである。貫通幌と下部にある渡り板はとともに取り外し式となっており、4両編成2本を連結して8両編成とした際には、先頭車前面の取付け枠にそれらを取り付け、運転室を折戸と貫通扉とで運転席側と助士側に仕切ることで貫通路を形成して、編成間で相互に乗り移ることが可能としており、そのため、客室と運転室の間の扉は引戸となっている。先頭車の前面窓は従来の寝かせて取り付けた形状から、先頭車前面の取付け枠までの位置まで起こして取り付けた形状としていおり、そのため、先頭車の形状は前面に張り出す形状となっている。先頭車前面の上部にある標識灯は、従来の白熱電球から、外はめ式のLED電球としているが、色調を電球色としており、従来の車両と同じ色調としている。車体塗色はコストやメンテナンスで有利な幅広の赤色と白色のカラーフィルムを貼ることで行われているが、窓枠や客室扉と乗務員室扉の周りは曲線がきつくカラーフィルムが貼れないこと、車両基地にある自動洗車機に車両を通すと、ここの部分は剥がれやすいことから、カラーフィルムは貼られていない。現在1800番台は4両編成2本(1801-1804・1805-1808)が導入されているが、2016年度には、先頭車前面を三次元曲面の形状とし、正面向かって左端に非常用のスイングプラグドアを設置した従来のデザインに変更、車内は、車内案内表示装置を各車両に9台ずつ設置して、うち6台は日本語・英語対応で、車内のドア上すべてに設置されるが、残りの3台は韓国語・中国語(簡体字)対応で、ドア上に千鳥配置で設置、客室ドアの化粧板を視認性向上ラインを印刷したものに変更、ロングシートの袖仕切りの大型化、ステンレス車両としては初の車端部の片側の座席を補助いす付きのボックスシートに変更するとともに、「サービスコンセント」を2口設置、省エネ対策として室内灯・標識灯(急行灯)・車側灯はLED化され、京急の車両では初めてLED前照灯を採用した様々なマイナーチェンジを行った1800番台6両編成2本と8両編成2本の計28両が増備される。2009年(平成21年)以降方向幕を搭載していた編成のLED式表示器への交換が進み、正面表示は2014年(平成26年)末頃に完了した。2次車の8両編成2本は2004年(平成16年)12月1日の羽田空港第2ターミナル開業を記念しスカイブルーをベースとするラッピングが施され、2005年(平成17年)3月まで運転された。下の画像はいずれも2005年3月13日、京急蒲田駅にて撮影。1057編成は2014年(平成26年)5月1日から京急の電動貨車の塗装をイメージした黄色塗装に変更され、「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」(京急イエローハッピートレイン)として3年間運行される予定となっている。黄色く塗装された姿が西武鉄道の車両に似ているとの声から、京急が西武にコラボレーションを提案、西武が9000系9103編成を赤い車体に白い帯とした「幸運の赤い電車 (RED LUCKY TRAIN)」とし、両社で共同キャンペーンを実施する。デハ1401では各種試験が行われた。2003年度に前面と側面の行先表示器を白色、種別表示器をフルカラーLEDとしたほか、試験品のIGBT素子VVVFインバータ装置を搭載したが、一旦元のインバータに戻された。8両編成は都営浅草線、京成線、北総線への乗り入れ運用を中心とした快特などの優等列車に主に使用される。基本は10次車以降(1800番台を含む)は京成成田スカイアクセスのアクセス特急などとして600形とともに成田空港駅まで入線する。なお、稀に9次車以前の編成も成田スカイアクセスで運用される。2015年12月5日ダイヤ改正で、京成本線京成佐倉駅への乗り入れ(平日のみ)が復活した6両編成は主に、800形・1500形とともに普通列車に使用されている。また、2012年10月21日からは、1500形とともに日中の羽田空港 - 新逗子間のエアポート急行の一部にも運用されている。4両編成は普通列車や優等列車の増結車として、エアポート急行には4両編成を2本連結した8両編成で運用されるほか、大師線でも運用される。2100形・600形・1500形・2000形と連結できる。
出典:wikipedia
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