ヨハン・ガルトゥング(Johan Galtung、1930年10月24日 - )は、ノルウェーの社会学者、数学者。平和研究、紛争研究の開拓者、また第一人者として知られている。戦争のない状態を平和と捉える「消極的平和」に対し、貧困、抑圧、差別など構造的暴力のない状態を「積極的平和」とする概念を提起し、平和の理解に画期的な転換をもたらした。平和のための超国家的なネットワークの総括者で、超国家的手法の開発者でもある。これまでに、スリランカ、アフガニスタン、北コーカサス、エクアドルなど、世界で40ヶ所以上の紛争の仲介者としても活躍した。日本においても中央大学、国際基督教大学 (ICU) 、関西学院大学、立命館大学、創価大学などで客員教授を務めるなど、親睦は深い。安倍政権の掲げる積極的平和主義に関して、ガルトゥングは「安倍首相は『積極的平和』という言葉を盗用し、私が意図した本来の意味とは正反対のことをしようとしている」「私が1958年に考えだした「積極的平和」の盗用で、本来の意味とは真逆だ」「積極的平和は平和を深めるもので、軍事同盟は必要とせず、専守防衛を旨とします。平和の概念が誤用されています」と述べ、さらに「積極的平和は全く軍事的なものではない」として、「安全保障関連法案は、平和の逆をいくものです。成立すれば、日本は米国と一致協力して世界中で武力を行使していくことになるでしょう。そうなれば、必ず報復を招きます。日本の安全を高めるどころか、安全が脅かされるようになります」と批判している。これに対して岸田文雄外務大臣は、2015年9月4日の参院特別委員会で、安倍政権の積極的平和主義はガルトゥング「博士の積極的平和と重なる部分は多い」との見解を示している。また、イスラム国の台頭など中東情勢に関連して「コロンブスの航海に始まる西洋の植民地主義と、民族を分断する形で人工的にひかれた国境線を解消しようとする動きが生まれ、対立が起きている」とした上で、「日本が米国と軍事力を一体化させていけば、中東で米国の主導する作戦に従事することになるでしょう。そうなれば、植民地主義の継続に加担してしまいます。米国に追従するのではなく、歴史にもとづく独自性を、外交において発揮してもらいたいです」と述べている。また安倍談話と西欧の植民地主義について「西洋の植民地主義に対抗した唯一の国が日本でした。当時の日本が非暴力の形で、支配されている人たちに呼びかけていれば、歴史は変わっていたかもしれません。安倍首相は戦後70年の談話で、戦前、日本が国際秩序への挑戦者となってしまった過去に触れました。けれども、植民地主義というものは挑まれて当然のものだったと思います」と述べている。尖閣諸島の領有権を巡って日中が対立している状況に対し、中国と日本がそれぞれ40%ずつの権益を分けあい、残りの20%を北東アジア共同体のために使うという平和的解決案を示している。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。