『ア・クイック・ワン』 ("A Quick One") は、イギリスのロックバンド、ザ・フーの2作目のアルバム。1966年12月9日リリース。発売元はリアクション・レコード。アメリカでは収録曲を差し替え、『ハッピー・ジャック』のタイトルで、1967年5月にリリースした。発売元はデッカ・レコード。全英4位、全米67位を記録。『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』に於いて、384位にランクイン。プロデュースは、当時バンドのマネージャーであったキット・ランバート。シングル「ハッピー・ジャック」と同時発売された。1stアルバム『マイ・ジェネレーション』ではカバー曲が3曲あったが、本作ではマーサ&ザ・ヴァンデラスの「恋はヒートウェーヴ」1曲のみとなっている。また、本作の大きな特徴として、メンバー全員が最低1曲以上自作曲を提供している点が挙げられる。これはザ・フーの全てのオリジナル・アルバムで本作が唯一である。またピート・タウンゼントの曲が全10曲中4曲と半分に満たず、これもザ・フーの全オリジナル・アルバム中本作のみである。アルバムジャケットのデザインはアラン・アルドリッジ。本作が製作・発表された1966年は、デビュー時のプロデューサー、シェル・タルミーとの版権をめぐる法的な争いや、かねてからの問題であったメンバー同士の衝突が激化し、ロジャー・ダルトリーとキース・ムーンが一時バンドを脱退するなど、苦難続きの1年であったが、そのような事情を感じさせないほどポップで前向きな楽曲が並んでいる。前作『マイ・ジェネレーション』は一触即発の最悪な雰囲気の中でレコーディングされたが、本作のレコーディングは「最初から最後まで楽しいものだった」とタウンゼントは振り返っている。また最終曲の「クイック・ワン」は、ランバートの助言から生まれたオペラ風の組曲で、後の史上初のロック・オペラ・アルバム『トミー』の布石とも言える作品である。アメリカでは「恋はヒート・ウェイヴ」が削除され、代わりにシングルリリースされていた「ハッピー・ジャック」を収録し、タイトルも『ハッピー・ジャック』と改題してリリースした。ジャケットデザインはイギリス盤のものと変わらず、タイトル文字だけを変えたものとなっている(ただし、裏ジャケットのデザインは全く異なっている)。イギリス盤はモノラルのみでのリリースだったが、アメリカではモノラルとステレオの2バージョンでリリースしている。だが実際の音源では、トゥルーステレオと擬似ステレオのものが混在していた。ヨーロッパ数カ国では、『"The Who"』のタイトルで、収録曲、曲順共にUK盤ともUS盤とも異なる独自の編集盤がリリースされた。日本ではこの『The Who』の曲順を入れ替えた編集盤『アイム・ア・ボーイ』がリリースされた。このアルバムジャケットにはメンバーの演奏中の写真が使用されているが、タウンゼントだけが写っていないという珍しいものになっている。1995年にリリースされたリマスターCDでは、1966年7月にリリースされたザ・フー初のEP盤『"Ready Steady Who!"』に収録されていた曲や、シングルB面曲、その他完全未発表曲の全10曲が追加収録された。この1995年版では、良好なステレオマスターが未発見だったためモノラル、ステレオ、擬似ステレオが混在した状態だったが、2003年にマスターが全面改訂され、ステレオミックスが存在しない一部の曲を除き全てがステレオ化された。なお、モノラルとステレオでバージョンが違う楽曲もある。2008年には日本でモノラル、ステレオ両バージョンをまとめたボックス版がリリースされた。特記なき限り、作詞・作曲はピート・タウンゼント。 ※1.~10. オリジナル版に同じ
出典:wikipedia
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