携帯電話の絵文字(けいたいでんわのえもじ)では、主に日本のフィーチャー・フォンの携帯電話・PHSのインターネット接続サービス(iモード、EZweb、Yahoo!ケータイ、H"・AIR-EDGE PHONE、EMnet等)で使われる、特殊な文字コードやタグで表される絵文字について説明する。日本発祥のものであり、現在では世界各国で「Emoji」として使用され、日本文化として認識されている。絵文字とは携帯電話・PHSのEメールやウェブページにおいて、文字の一部を1文字で表現する絵(例えば自動車や電車などのアイコン、グリフ)に割当て、表示できるようにしたものである。絵文字は日本では仮名や漢字と併用して使用され、絵文字文化とも呼ばれる。当初は、絵文字を表示する携帯電話には低解像度のモノクロームの液晶ディスプレイが装備されていたため、12×12ドットのピクトグラムを表示する外字グリフとして開発されていたが、ツーカーなどの携帯キャリアがカラー表示できる液晶ディスプレイを備えた携帯電話に最適化したカラー絵文字という多色の絵文字表示を行い、日本の各携帯電話キャリアはすべて、絵文字を実装することとなった。最後発となるソフトバンクは、携帯電話の液晶ディスプレイの高精細化を利用した、細密な多色絵文字を開発した。また、文字にアニメーションをさせた、動く絵文字と呼ばれる絵文字も使用した。文字コードは、多くの事業者でShift_JISもしくはUnicodeの空き領域に2バイトのコードを割り当てて使用している(従って外字の一種)。ただしSoftBank(Yahoo!ケータイ)ではShift_JISの場合に特殊なエスケープシーケンスを用いて文字を表記する方式であり、au (EZWeb) ではHTMLのタグを独自に拡張した表記法もある。このほか、HTMLの数値文字参照の形で文字コードを十進数もしくは十六進数で記述する方法もあるが、機種によって絵文字が表示できない場合もある。当初はISベースのコードのみでの対応であったが、その後Unicodeの外字にマッピングした絵文字も利用されるようになった。2010年になってUnicodeに絵文字が含まれるようになり、PCや携帯電話など機種間の違いなどを気にせず交換が可能になった。なお、ワンセグに対応した携帯電話では、字幕放送や文字放送に対応するため、通常の携帯電話の絵文字のほか、ARIB外字を含む端末も多い。文字コードを利用した絵文字以外では、デコメールで使用される、JPEGまたはGIF形式によるインライン画像のうち、画像サイズが一定サイズ(NTTドコモの場合20ドット×20ドット)のものを「デコメ絵文字」と呼ぶが、これについてはデコメール#デコメ絵文字を参照。現在ではUnicodeに文字コードとして搭載されパソコンやスマートフォンなどで世界的に対応されたことから日本国内だけでなく世界中で利用されるようになった。当初は、絵文字は携帯電話・PHS事業者により仕様が異なる機種依存文字であった。そのため原則として、絵文字を含むメールは同一事業者の端末間のみで利用可能で、絵文字を含むウェブページについては各事業者毎に別のページを作成する必要があった。しかし、絵文字には統一されたデザインや呼称がなかったため、絵文字を含む文章や雰囲気が各事業者毎に微妙に異なって受け取られることがあった。日本語のEメールの、事実上標準の文字コードはISO-2022-JPであるため、絵文字を含むEメールは本来他のネットワークに送出しない方がよいとされていた。たとえば、後述の他社宛て絵文字変換が実施される以前(あるいは同機能を利用しない場合)は、iモードの端末から絵文字をメールで送信しようとすると、メールサーバで「〓」に変換された。ただし受信は以前から変換されないため、絵文字をそのまま送出する端末・サーバからの絵文字メールの受信は可能である。また、ウェブページに関しては、絵文字に関する変換は行われないので、端末とページの対応が取れていれば、絵文字を含むページは表示可能である。なおKDDI、並びに沖縄セルラー電話の各auはiモードの絵文字に一部対応している、あるいは互換仕様になっている。以前は一般のパソコンでは絵文字の組み込まれたメールやウェブページを見ることができなかった。そのため、各事業者の絵文字に対応したフォントをパソコンにインストールして表示させるなどの方法をとる必要があった。このフォントは、各事業者公式の物として、また非公式のフリーウェアとしても、配付されている。他社宛て絵文字変換機能とは、Eメール送信時にメールサーバーにおいて、機種依存文字である絵文字を、他社(他の携帯電話・PHS事業者)の似た絵文字に変換して、他社のメール受信者に送信できる機能である。送信先の事業者に相応するものがない場合は顔文字や一般の文字列に、それでも適切なものがない場合は「〓」(下駄記号)へ変換する。他社宛て絵文字変換機能は、当初、事業者とは関係ないメールサーバーを経由して変換し、受信者側に配信する方式で開始された。提供者は事業者以外のウェブ・メールサービス提供会社等であり、送受信時に、サービスの定める何らかの特殊な操作等をする必要があった(例えば、他社メールアドレスのドメイン名の一部に、特定の文字を追加変更する等)。その後、携帯電話・PHS事業者自身が、標準のサービスとして、絵文字変換機能を提供した。これは、送信元のキャリア側のメールサーバーで自動変換し、利用者は特に操作・設定をせずに機能を利用することができる。2005年11月1日にソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)がVodafone 3G(現SoftBank 3G)のS!メールで他社携帯電話宛の絵文字を含むメールの絵文字部分の自動変換機能を開始した。このサービスの特徴はメールアドレスの末尾部分を書き換えるなどの特別な操作を必要とせず、絵文字を含まないメールと同じ送信操作で他社に絵文字を含むメールを送信できることである。他社も追随し、2006年7月12日にNTTドコモがiモードメールの、同年9月5日にau(KDDI/沖縄セルラー電話)がEメールの同様のサービスを開始したことにより、これら3事業者間においては、ユーザの特別な操作無く絵文字が送受信できるようになった(ただし、SoftBank 6-2では他社への絵文字送信は不可能である)。ソフトバンクモバイルは、2007年10月29日より同じソフトバンクグループのYahoo! Japanが提供するメール「Yahoo!メール」宛の絵文字を含むメールの絵文字部分の自動変換機能も開始している(Yahoo!メールのパソコン用サイトで受信・閲覧した場合に限る)。またNTTドコモでは、2009年11月現在Yahoo!メール・Gmail・au oneメールへの送信の際に絵文字がそのまま表示されるようになっている。なお、PHSは、PHSへの送信・PHSからの送信共に絵文字変換が実施されていなかったが、ウィルコムは2008年1月22日より、AIR-EDGE PHONE以降の一部機種について、NTTドコモ・au(KDDI/沖縄セルラー電話)と相互に、メール送受信時の絵文字変換を開始すると発表した。また、ソフトバンクモバイル及び同社のMVNOであるディズニー・モバイルとの絵文字変換も同年3月18日より開始した。前述の通り、絵文字は本来、携帯電話・PHS事業者により仕様が異なる機種依存文字であるため、出版物で絵文字を使おうとしても、印刷で用いられる書体セットの中に絵文字は含まれていない。そのため、印刷物に絵文字を用いようとした場合、完全に非対応とされるか、以下のような何らかの条件や制限が加わることがある。また、対応できる場合であっても意図していたデザインの絵文字であるとは限らない。このことから、絵文字を使う可能性がある場合には、事前にデザイナーや印刷業者と打ち合わせをすることが望ましい。前述のように絵文字は日本国内で幅広く使用されていたものの特定の閉じた環境内でしか使用できない技術的な問題があった。たとえば外字を利用したインターネット上のデータ交換は適切でないと考えられた2002年ごろある携帯用OSベンダーがUnicodeコンソーシアムに絵文字の提案を行ったが、当時それ以上の話に進まずにそのまま提案は流れた。2006年の秋にGoogleのGmailのチームで各社の絵文字を相互に表示できるようなメールシステムが考えられ、それを元に2007年7月にUnicodeに符号化を行うチームが作られ、2007年10月に3社の絵文字をUnicodeに収録しようという提案がGoogleとアップルの共同で行われ、2008年にそのためのオープンソースプロジェクトemoji4unicodeが開始された。このプロジェクトの成果の一部は「emoji symbols」(絵文字記号)として2009年3月にユニコードコンソーシアムに提案され、その一部がUnicode 6.0.0に収録された。しかし、提案の審議の過程で、絵文字を表現する代表グリフに多くの変更が加えられたほか、すでに符号化されている文字との統合などの調整もされた。この制定により、携帯キャリア間および携帯以外の端末との間でも新たに制定されたUnicodeでの表現することにより誤った変換が発生せずにデータ交換が可能になった。パソコンやスマートフォンなど世界中のOSに、共通でUnicode 6.0形式のフォントが徐々に標準添付されるようになり、Unicode 6.0での絵文字データの交換が可能となった。企業のロゴマーク等は収録されていないので、これらについては引き続き私用領域で表す必要がある。また、0〜9および#ボタンと国旗は合字で表現する。絵文字には、ハートマークや赤リンゴと青リンゴなど、形が同じで色のみが違うものがいくつかある。Unicodeでは通常文字の色は規定しないが、これらについてはYELLOW HEART、BLUE HEART、RED APPLE、GREEN APPLEなど色名を含んだ名称で登録された。ただし、コードチャートの例示字形はモノクロで網掛けや縞模様で表現されている。各社でUnicodeの絵文字に対応が進み、機種に依存せずに絵文字を使える環境が普及した。使用される文字コードは以下の通りである。下記表はフィーチャー・フォンでの対応表であり、スマートフォンでは Unicode にて対応している。
出典:wikipedia
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