南部煎餅(なんぶせんべい)は、小麦粉を原料にした煎餅の一種。八戸南部氏が藩主家だった旧八戸藩地域に伝承の焼成煎餅である。青森県、岩手県全域が主な生産・消費地で、同地域の名物となっている。元々は八戸藩で作られた非常食である。現在は青森県と隣接する岩手県にまたがる地域、そして北海道にも存在する。よって岩手県の二戸市が名産とは言いにくいのである。小麦粉を水で練って円形の型に入れて堅く焼いて作る。これは、日本の古い煎餅作りの方法である。縁に「みみ」と呼ばれる薄くカリッとした部分があるのが特徴。通常の「白せんべい」と呼ばれるものの他にゴマ、クルミ、落花生などを加えて焼いたものもある。近年ではイカ、カボチャ、リンゴ、ココアなどバリエーションが豊富である。クッキー状の生地で作られるものもある。通常スーパー等で売っているものと言えばまずゴマ、次いで落花生の二種類であり、他の種類のものはメーカー直営店や土産物屋、南部煎餅専門コーナー等以外では入手しにくい。白せんべいはそのまま食べる他に、水飴や赤飯を挟んで食すこともある(後者についてはせんべいおこわを参照)。水飴を挟んだものは「飴せん」と呼ばれ、津軽地方の「津軽飴」を用いることが多い。保存性は非常によいが、時間が経過すると酸化により味が落ちる。個包装の商品も存在するが、通常は10~20枚程度を1つの袋に入れた簡素なものが多い。青森、岩手の旧南部氏支配地域においては非常にポピュラーな食べ物であり、来客にも供される。また、パン代わりに「白せんべい」または「ゴマせんべい」をトースターで加熱し、バター等を塗って食べる人もいる。先述通り、南部藩の領域で主に生産されてきたものであるが、旧仙台藩にあたる岩手県南部でも生産・消費されている。その由来には諸説あるものの、大方は「長慶天皇創始説」を取っている。せんべいを丸く仕上げる過程で、型からはみ出してしまった部分は切り落とされるが、この部分を集めた「せんべいのみみ」と呼ばれる食べ物もあり、地元ではこちらも人気がある。青森の南部地方と岩手の県北地方の周辺では、醤油仕立ての汁にこれを加えたせんべい汁という料理があり、寒い時期の定番料理として広く親しまれている。煎餅を煮込んで軟らかくすると、同じように小麦粉を原料としたすいとんなどに似た味わいになる。主には、汁に入れて煮込んでも煮くずれしにくい汁用に作られた「おつゆせんべい」もしくは「かやきせんべい」と呼ばれる調理用のせんべいを使用することが多い。お菓子である白せんべいやごませんべいを使用することも稀にある。なお、ピーナッツ入りを使用することは無い。近年では、八戸せんべい汁研究所が、八戸せんべい汁としてブランド化を図って活動をしており、八戸市を中心とした近隣の居酒屋や飲食店ではせんべい汁を提供する店が増えている。2011年12月現在、「南部せんべい」の名称は、岩手県南部煎餅協同組合が商標登録している。
出典:wikipedia
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