マグナム(Magnum)とは、同一口径の平均的な実包と比較して装薬量を増やした強装弾、およびそれらを使用する銃器の名称ならびに商標である。酒類の増量ボトルを指す「マグナム」を語源としている。一般に、弾丸にはすでに存在している製品を用い、ケース(薬莢)を通常より長くしたりネックの角度を強くしたりすることで薬莢の内容量を増加させて、より多くの火薬が入るようにしている。ハンドガン用のマグナム弾の場合、火薬がライフル弾に使用されるような遅燃性ではなく、拳銃の短いバレルでも弾頭に十分なパワーを伝えるために散弾銃のものとは異なる拳銃弾薬独自の速燃性のものを大量に用いたり、ライフル弾に使用されるような(同一ではない)遅燃性ガンパウダーを用いる等、マズルパワーを増やすよう工夫された弾薬も多い。他の銃種であっても、ハイパワーを発揮できる方向に装薬の種類を最適化する場合もある。また、.45ロング・コルトを延長した.454カスールのように、実質的にはマグナム弾だがマグナムの名を冠さないものも存在している。ことアメリカにおいては、大口径のマグナム弾使用拳銃は大威力を好む愛好家向けの商品と見られる場合が多い。それは一面の真実ではあるが、ライフルなどの大型銃器が必要だった用途の一部を拳銃で代替することが可能となるため、実用品としての需要もかなりの比率で存在している。具体的には、グリズリー生息地域での護身用がわかりやすい例と言える。熊を倒せるだけの最低限の威力と持ち運びの容易な軽量さを兼ね備え、しかも発砲する機会は滅多に無いため、多少の扱い難さや反動の大きさは問題にならない。このような用途では、.44マグナム以上のリボルバーが最良の選択とされている。ガンスミス(Gunsmith)によって開発されたものの、量産されていない銃弾及びカスタム・カートリッジをワイルドキャットと呼ぶ。また、火薬量だけ見ればホットロードと似ているが、ホットロードでは既存の弾丸・薬莢の発射薬を増やして強装弾とするのに対し、マグナムでは既存の弾丸と拡大型の薬莢を組み合わせ、当初からそれだけの火薬を使用できるようデザインされている点で異なる。事実、大部分のマグナム弾はメーカーにより作成されたファクトリーロードの弾薬である。ただしマグナム弾の規格自体が通常の弾薬よりも強度面などでパワーアップに有利な側面を持つため、マグナム弾をさらにホットロード化した弾薬も製作される事がある。実包の開発経緯によっては、マグナム弾でなかったものがマグナム相当の物になってしまう事がある。例を挙げれば.308ウィンチェスター(7.62mm×51)は元々.30-06スプリングフィールド(7.62mm×63)の短縮版であるため、.308から見れば.30-06はマグナム弾に相当するし、.30-06から見れば.308はカービン弾となる。同様の例は.45ACP(11.43mm×23)を短縮した.45GAP(11.43mm×19)がある。以下にある“ライフル弾からの改造”とは、主にライフル薬莢のネックを落とす加工の事。初活力(マズルエネルギー:Muzzle Energy 銃口を飛び出した直後の弾丸が有する運動エネルギー)については有名メーカーの市販品(ファクトリーロード)のデータ、弾頭重量は中央値、リロードによって若干の調整は可能。発射する銃によって初速が変わるので、あくまでも一例としてフィート重量ポンド(ft-lbs)を記載する。また、初活力の単位は他にもあり、J(ジュール)、PF(パワーファクター)等があるが、それぞれ計算式の違いにより多少の差がでる。威力は弾頭形状、コーティングの有無、標的の材質など様々な要因により大きく変わる為、初活力だけを元にして求めることはできない。尚、上記の口径はメーカー発表の数値で、きりのいい数字で表しているため()内のmm数値も参考程度にしかならず、正確な数値ではない。例として、500S&Wマグナムは50口径(1口径=0.01インチ)となっているが、実際の弾丸径は0.492インチであり正確に表記すれば49口径になる。また初活力(マズルエネルギー)は弾頭・メーカー・使用銃器により変わってくるため、上記の値は目安に過ぎない。特に拳銃弾をサブマシンガンで射出した場合、バレルの長さの違いから拳銃で射出した際の初活力より大きくなる傾向がある。.577 T-REX(.577 Tyrannosaur)12ゲージショットガンでは通常シェル長が2・3/4インチの物を使うが、これを3インチにした物をマグナム弾と呼んでいる。2・3/4インチ専用のモデルは3インチマグナムシェルは使えないが、3インチ対応モデルでは2・3/4インチ通常シェルも使用可能である。ただし、12ゲージ3インチシェルのものの中には、鉛散弾から鉄散弾に切り替えた際の威力低下を防ぐ目的のものもあり、その場合には装薬量は増えない(増えたのは散弾の体積だが、鉛より鉄の方が比重が軽いため、必ずしも散弾質量が増えているわけではない)。この場合には、見かけはとにかく、厳密にはいわゆる「マグナム弾」の定義にはあてはまらない。
出典:wikipedia
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