名古屋飛行場(なごやひこうじょう、)は、愛知県にある飛行場である。名古屋飛行場は航空法上の正式名称であり、空港施設の通称は県営名古屋空港(けんえいなごやくうこう、)である。所在地から小牧空港(こまきくうこう)とも呼ばれる。名古屋市の中心から北へおよそ15kmの濃尾平野北東部に位置しており、行政区分上では西春日井郡豊山町、小牧市、春日井市、名古屋市(北区)の3市1町にまたがっている。航空自衛隊小牧基地に隣接しており、滑走路を共有しているが、防衛省設置管理の共用飛行場ではなく愛知県が管理する。管制業務は、飛行場管制業務と着陸誘導管制業務を航空自衛隊小牧管制隊が実施しており、進入管制業務とターミナルレーダー管制業務については、中部国際空港(愛称 : セントレア)にある国土交通省大阪航空局中部空港事務所が広域管制によって実施している。かつては国内線・国際線共に数多く発着していたが、中部国際空港開港と同時に大部分の路線が同空港に移転するとともに、第二種空港からその他の飛行場に指定変更され、正式名称はそれまでの「名古屋空港」から「名古屋飛行場」となった。なお、呼称についてはIATA空港コードの「NGO」を当空港から中部国際空港へ承継するなど、旅客案内においては両空港とも「名古屋」と称する実態もあるが、この対策として当空港を「名古屋(小牧)」、中部国際空港を「名古屋(中部)」と表記することで明確に区別している事例もある。2015年4月現在、旅客定期便はフジドリームエアラインズによる1社9路線のみである。近年はビジネスジェットの運航などゼネラル・アビエーションに力を入れており、ビジネス機専用ターミナルが国内線ターミナルとは別の出入り口に設置されている。トヨタ自動車のような地元企業、N688TTなどを中心にビジネスの拠点として多くのビジネスジェットに利用されているほか、F1の日本グランプリが鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開催される時にはドライバーの中継地になっている。また、給油目的で個人所有機や防災ヘリ等の中継地として利用されている他、ゼネラル・アビエーションが利用する空港の中では比較的大きな施設を持つということもあり、近年では朝日航空等、訓練事業を行う航空会社の計器飛行訓練の場所としても利用されている。年間旅客数は、国内:748,389人、国際:919人(2015年度)で、2015年度(平成27年度)空港別乗降客数順位は、全国34位。1934年7月に名古屋港埋立地10号地に名古屋国際仮飛行場が開港、1940年に名古屋飛行場となる。同時期に同じく11号地の埋め立てが許可され、1941年に名古屋国際飛行場が開港。拡張のため一時閉鎖(1944年)するが、終戦後は放置される。現在は東邦ガス空見環境センターになっている。1952年から2005年にかけては、愛知県の玄関口としての機能を持ち、日本国内の主要空港の一つであった。しかし、中部国際空港の開港により、ほとんどの旅客定期便が同空港に移転した。また、北朝鮮の高麗航空がマツタケ輸入や在日朝鮮人の祖国訪問目的などのため、年に数回チャーター便を運行していたことがあるが、2002年4月1日から適用を開始した国際民間航空機関(ICAO)による厳しい騒音基準により、同社の乗り入れ機材であるツポレフTu-154Bは適合しなくなったため、以降一度も乗り入れていない。2005年2月16日には、この日の出発最終便である20:45発 サイパン行きチャーター機、日本航空 JL8839便を航空会社・空港両関係者がペンライトを持って見送り、第二種空港としての幕を閉じた。なお、この飛行機は折り返し中部国際空港到着の1番機(日本航空 JL8830便)でもあった。中部国際空港開港以降、設置管理を国土交通省から愛知県へ移管、設置区分も「第二種(A)空港」から「その他公共用飛行場」に変更され、「名古屋飛行場(県営名古屋空港)」となった。空港コード#IATA空港コード(3レターコード)は旧名古屋空港のNGOは中部国際空港へ移管され、NKMとなり、空港コード#ICAO空港コード(4レターコード)は旧名古屋空港のRJNNからRJNAへ変更された(中部国際空港のコードはRJGGとなった)。また、前述のように一部管制業務を国土交通省大阪航空局名古屋空港事務所から航空自衛隊小牧管制隊に移管した。なお、定期便や国内・海外飛来機等の旅客は全て従来の国内線旅客ターミナルビルにて取り扱い、税関・出入国審査・検疫は1つの部屋にまとまった小規模なものとなり、日本初となる本格的な小型機専用コンコース「フィンガーコンコース」が新設された。2005年2月、日本航空グループのジェイエアが中部国際空港の開港を機に広島西飛行場から本社・ベースを移転し、ジェイエアの拠点飛行場となったが、2011年3月にジェイエアは当空港から全面撤退し大阪国際空港(伊丹空港)近隣ビルに移転した。2010年1月に経営破綻した日本航空の再建を巡り、同社の子会社であるジェイエアは当初、小型機中心の運航により採算を取ることが可能と考えられたことから、中部国際空港から当空港への路線移管によって、名古屋地区の路線を維持することで検討が進められた。しかし、以下の理由から2011年春までに当空港から全面撤退することが表明された。これに対し地元自治体は「小牧基地の機能強化に繋がる」として強い反発を示していた。一方、静岡県の地域航空会社であるフジドリームエアラインズ(以下、FDA)が県営名古屋空港への定期便の就航に意欲的な姿勢を見せており、日本航空の一部路線引き継ぎも視野に入れて愛知県と交渉中であることが発表され、この交渉の結果、2010年冬ダイヤからの福岡空港便のFDAへの運航移管およびJALとのコードシェアが決定した。さらに、ジェイエアが完全撤退する2011年夏ダイヤからは阿蘇くまもと空港便をFDAに運航移管し、この路線もJALとコードシェアになった。これにより、ジェイエアは予定通り2011年3月26日をもって当空港から撤退し、JALグループの名古屋空港カウンターも同日をもって業務を終了したが、ジェイエア撤退後に定期便が1つも無い空港になることは回避できた。その後2010年代に入ると、FDAは静岡空港から実質的な拠点機能を移転させ、ジェイエアの運航していた路線を中心に名古屋空港からの路線を徐々に拡大した結果、2015年春の時点で小牧空港発着国内線9路線を展開するまでになっている。このFDA進出が小牧空港の運命を変え、結果的には起死回生の策となった。日本航空は、不採算路線の一つであり2010年5月をもって運休した中部国際空港 - いわて花巻空港便を、当空港発着に移管・変更して復活させ、2011年上半期中の就航を検討していることが明らかになった。東日本大震災の復興支援の一環として、上記の路線にFDAが就航した。2010年代からは小牧空港へ着陸進行するために名古屋市上空を飛行する青色・黄色・緑色など機体ごとに塗装が異なるカラフルなFDA機が市民の目を楽しませている。FDAのカラフルな機体は女性や子供にも親しみやすく、かつての名古屋空港時代にはあまり航空機そのものに興味を持っていなかった近隣住民層にも、抜群の知名度を誇っている。中部国際空港開港後の使用方法が論議されていた「旧国際線ターミナルビル」は、エアポートウォーク名古屋という大規模商業施設に改装され再利用されている。このショッピングモールからは隣接する名古屋飛行場に駐機するFDAのカラフルな機体を観察する事ができるため、休日ともなると家族連れで賑わっている。名古屋空港時代の国際線旅客ターミナルビルは、わずか6年しか使用されなかった。しかし、旧国際線旅客ターミナルの処理能力が限界に達していたのも事実であり、ボーディングブリッジは旧国際線ターミナルのものをそのまま使用するなど、最低限の投資で建設された。中部国際空港への移管時に閉館し、周辺敷地と共に空港から切り離された。その後、国際線ターミナルビルを活用し、名古屋空港ビルディングが設置主体、ユニー株式会社が開発主体となってショッピングセンター「エアポートウォーク名古屋」が2008年10月にオープンした。国内線ターミナル内の「名古屋空港航空宇宙館」は2004年10月31日に閉館となり、そこにあった航空機の一部 (MU-2など) は、2005年4月1日に豊山町の神明公園内に愛知県が建設した「航空館boon」に移され、引き続き展示されている。「名古屋空港航空宇宙館」は、現在でもイベント時などに公開されている。当空港を拠点空港にしている航空会社は1社。焦点空港に設定している航空会社はない。航空会社が2社以上の場合、最前の航空会社の機材・乗務員で運航する共同運航便(コードシェア便)。グアムやサイパンへのチャーター便を運航したこともある。「日本の空港シリーズ(2) セントレア centrair中部国際空港&名古屋空港」イカロス出版の名古屋空港の歴史より。中部国際空港開港前は中部地区を代表する国際空港として、現在では存在しない航空会社(中華人民共和国系中国民航系やヴァリグ・ブラジル航空)なども就航していた。また、同空港への全面移管直後は旧名古屋空港時代より就航する航空会社が若干増加し後に減少した時期もあったが、2010年代からは再度復調し増便傾向にあり、開港10周年を迎えた2015年時点ではは名古屋空港時代の国際線便数を上回って推移している。LCC全盛の現在とは就航していた航空会社の顔触れはかなり入れ替わっているが、フィンエアーなど中部国際空港開港後に初めて名古屋に就航した欧米の航空会社もある。タイ国際航空やチャイナエアラインなどは名古屋市に多くの在住人口(東南アジア系ASEAN諸国や中華民国籍)を持つ事から、1980年代初頭より定期路線を運航し続けている。これらの古参ともいえる海外航空会社は、現在の中部国際空港発着に移り機材を大型化させた上で乗客を運んでいる。以下、名称は就航当時のものである。10年以上前の航空事情の為、2015年現在では合併などにより現存していなかったり、運航停止している航空会社もある。現在の県営名古屋空港を本拠地として路線網を展開しているFDAは2005年の中部国際空港開港後に設立された航空会社である為、名古屋空港国際線発着時代は存在していない。過去には、高麗航空がチャーター便で飛来していた。利用する企業・団体は中部国際空港開港後増加し、それに伴い急速にターミナルや貨物地区の跡地に格納庫建設が建設された。このうち中日本航空、セントラルヘリコプターサービス、セコ・インターナショナルは全国の防災ヘリコプターや個人・企業所有のヘリコプターなどの整備も当空港で行っている。また、ダイヤモンドエアサービスは三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所を利用している。航空自衛隊小牧基地は滑走路を共用している。また、三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所は工場と隣接しており、定期整備のための戦闘機やヘリコプターは名古屋飛行場の施設を利用している。名古屋市街までは、約10km(自動車で約20分)である。公共交通機関は少ないものの、周辺道路が整備されているほか、立体駐車場が1,350台分設置されているため、自家用車でのアクセスは比較的容易である。2015年現在、名古屋空港へ乗り入れる空港連絡鉄道路線は存在しない。構想がなされていた空港連絡鉄道については、1992年の答申においては、名鉄小牧線の味美駅より分岐して名古屋空港に至る名鉄名古屋空港線が2008年までに整備すべき路線として示されていたが、2005年に中部国際空港が開港したことで名古屋空港へ発着する航空便が大幅に減少したこともあり、今日に至るまで具体化はしていない。また、同答申に計画されている市交金山線を名古屋空港まで延伸する構想もあるといわれている。ただし、いずれも中部国際空港の開港以後は実現へ向けての動きはほとんどない。
出典:wikipedia
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