『巨獣特捜ジャスピオン』(きょじゅうとくそうジャスピオン)は、1985年(昭和60年)3月15日から1986年(昭和61年)3月24日までテレビ朝日系で毎週金曜日19時30分から20時00分(34話まで)、毎週月曜日19時00分から19時30分(35話から)に全46話が放送された、テレビ朝日・東映製作の特撮テレビ番組。および作中に登場するヒーローの名称。ジャスピオンの発音時のアクセントは、「ジャスピオン」とされることが多い。「メタルヒーローシリーズ」の第4作とされる。ブラジルでは1988年から『"O Fantástico Jaspion"』のタイトルで放送されて人気の高い特撮番組となり(詳細は「ブラジルでの人気」の項を参照)、また本作とは設定の関連がない『時空戦士スピルバン』が後に『"Jaspion2 Spielvan"』とのタイトルで放送されている。本作品は前3作品までの『宇宙刑事シリーズ』から一線を引き、新設定のもとに制作された。吉川進によると「ジャスピオン」はジャスティスとチャンピオンの合成(意味は「正義の王者」)である。初期案の番組タイトルは『妖獣ハンターデニーロ』であり、『怪獣特捜ジャスピオン』を経て、『巨獣特捜ジャスピオン』として製作が開始された。本作は、バンダイの杉浦幸昌の「ウルトラマンの主役はヒーローではなく怪獣である」という分析から始まっている。バンダイは怪獣を大々的に売り出そうと考えたため、本作における怪獣「巨獣」が本作の主役である。また、宇宙刑事シリーズでの実績から、本作は制作費に恵まれた。宇宙刑事の特徴である鍍金質の変身スーツ、銃と剣を武器とした戦い、巨大母艦・バイク・戦車等のメカニックといった主人公側の基本フォーマットを踏襲しつつも、変身時にキーワードを叫ばない、ヒーロー然とした宇宙刑事とは好対照なコミカルなジャスピオンのキャラクター、等身大ヒーローと巨大怪獣の戦いなど、多くの面で差別化が図られている。宇宙刑事シリーズと比較されやすいのはヒーローのデザイン、戦闘母艦、バイク、戦車という装備のパターン、そして脚本家が前作までと同じ上原正三であることなどが関係している。映像面では映画に負けないSFXを目標に、宇宙刑事シリーズの撮影で定番となった東通ecgシステムによるビデオ合成だけでなく、新幹線大爆破で使用されたシュノーケル・カメラなどの高価な機材が多用されるなど、特撮の強化が図られた。アクションでも等身大戦・巨大戦ともにワイヤーアクションが取り入れられ、演出の幅を広げている。当初は1985年3月1日から放送開始予定であったが、第1話・第2話の撮影スケジュールが延びてしまい、最終的に2週遅れて3月15日からの放送開始となった。アイキャッチは当初、図面から実体化されたジャスピオンの頭部が正面に振り向く映像(オープニングのラスト前でも使用)が用意されていたが、第4話より画面下に直線がインサートされた後、画面右下にタイトルロゴが表示されるという非常にシンプルなものに変更された。これは、本作以前からあった刑事ドラマ『特捜最前線』と同様なスタイルとも言えた。宇宙のある惑星に住む仙人エジンは、恐るべき予言を記した古代銀河バイブルを発見する。そのバイブルにはこう記されてあった、「サタンゴース蘇る時、銀河宇宙は跋扈する巨獣に蹂躙され滅びる。」と…その予言通り、巨神サタンゴースが目覚め、巨獣(宇宙の巨大生物)を凶暴化させて宇宙を荒らし回り始めた。エジンにより育てられた銀河の野生児ジャスピオンは、超惑星戦闘母艦ダイレオンと装備一式、そしてパートナーのアンドロイド・アンリと共にサタンゴースの野望阻止のため宇宙へと旅立つ。やがてサタンゴースの魔手は、かつて巨獣に支配されていたという太陽系第3惑星・地球に伸びようとしていた。巨獣帝国建設の野望を打ち砕くべく、ジャスピオンの戦いは地球にその舞台を移した。エジン設計制作の全環境対応型超惑星戦闘強化服。特殊金属エジニューム製。背部の交換式バックパックに、エネルギーのゾルエジンと酸素を蓄えている。装着の際には両手のひらを頭部の横にかざし、エネルギーをスパークさせることで0.03秒で装着する。装着コードはない。白色の光球状態での飛行も可能で、その他ホバー走行機能も有する。第26話からはバンク映像のような変身シーンも使用されるようになった。装着時の走行速度:ホバー補助により時速300キロ / ジャンプ力:ホバー無しで70メートル / キック力:厚さ350ミリの壁を破る / パンチ力:1トンの岩も砕くいずれもエジンがジャスピオンのために製作したもの。辰巳出版の東映ヒーローMAXによると、吉川進プロデュースの『機甲艦隊ダイラガーXV』にも参加していた田口成光が、企画時に「君は巨獣を見たか(仮題)」という検討用脚本を執筆提供していたことが確認されている。当時の吉川進はフジテレビの月曜ドラマランドにて放送された実写版『ゲゲゲの鬼太郎』のテレビシリーズ化に力を入れており、過去にプロデュースした『ビデオ戦士レザリオン』の山崎晴哉をメインライターに実現を図っていた。これは実現寸前まで行ったが、アニメ化を主張し続けるフジテレビ上層部の反対により、実写版のテレビシリーズは頓挫することになった。その様な事情(交渉の難航、長期化)もあって『巨獣特捜ジャスピオン』の中盤以降は、折田至と日笠淳に実質的なプロデュースを任せていたという。本作では、前作の『宇宙刑事シャイダー』を遥かに上回る予算が投入されていたものの、ワイヤーアクションや最新の合成技術などを多用した本編班の制作費が前作以上に上昇することで、特撮班の制作費確保に困難が生じることを懸念した折田至は、第4話の終盤におけるダイレオンとサタンゴースの対決場面から、特撮班の予算管理も兼ねて自ら特撮演出を担当することになった。いわゆる「折田組」の特撮班は、助監督に竹内英孝、当時の矢島組で美術助手を務めていた佛田洋、三池敏夫など、特撮研究所の若手が中心であったという証言も存在するが、具体的なスタッフ名については未だ不明である。キャラクターデザインの野口竜は第3話に登場したナマゲラスなどといった巨獣のデザインも手掛けていたが、初期から中期にかけて登場した巨獣のデザインの多くは村上克司が担当。第17話に登場したヘッドドリマーや第25話に登場したドンゲスは雨宮慶太が、第36話に登場したジムシと第44話に登場したバドルゲスは渡部昌彦の作であることが、本放送時から終了後にかけて朝日ソノラマや徳間書店などから発売されていた書籍で確認できる。特番などによる放送休止は以下の通り。ビデオリサーチ調べ、関東地区平均視聴率は前作の『宇宙刑事シャイダー』を下回る11.8%に留まり、結果的には放送枠の変更が行われたものの、本放送時には打ち切りの噂が飛び交うなどの屈辱を体験したという吉川進プロデューサーの談話が、放送終了後における徳間書店の書籍に掲載されていた。日本での人気は今一つに終わった本作であるが、ブラジルでの人気は非常に高い。海外サッカー専門誌『週刊footballista』(ソルメディア)2007年1月10日発売号 (No.011)によると、ブラジルで凄いことをした日系人は「ジャスピオン」と呼ばれて賞賛されるそうで、サッカーで日系人選手が好プレーを行うと「よかったぞ!ジャスピオン」という声援があがるという。ニッケイ新聞社が発行するブラジルの日系人向け新聞『ニッケイ新聞』の2009年5月12日付けコラム『大耳小耳』では、本作のブラジル版DVDが発売されることが報じられた。この記事によるとブラジルではウルトラマンより人気のある番組だそうで、ウルトラマンを差し置き同年4月にDVD-BOXが発売されたという。ブラジルでこうした人気を博した理由について、東映は「当時のことを知っている者がおらず、正確な分析はできません」と断った上で、「おおらかな国民性のブラジル人が、勧善懲悪で単純明快、近未来的なドラマを珍しがって受け入れたのではないでしょうか」とコメントしている。
出典:wikipedia
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