札幌市時計台(さっぽろしとけいだい)は、北海道札幌市中央区北1条西2丁目にある歴史的建造物である。国の重要文化財。正式名称を「旧札幌農学校演武場」(きゅうさっぽろのうがっこうえんぶじょう)と称する。通称として「札幌時計台」または、単に「時計台」と呼ばれることも多い。三角屋根の上に大時計を載せた特徴的な外観の建築物である。計画者は札幌農学校2代目教頭であったウィリアム・ホイーラーであり、北海道開拓使工業局による設計・監督のもと建造されたバルーンフレーム構造の木造2階建(時計部分の塔屋を除く)で、屋根は鉄板葺き、高さは19.825m、延面積は約760m²である。北海道大学の発祥の地であるため同大学とは密接な関係にあり、1階の展示室では北海道大学附属図書館に所蔵されている資料が多く展示されている。この他、同大学のイベント会場としても使用されることが多く、現在でも「時計台サロン」などの市民公開セミナーなどが開催されている。1階売店では北大関連グッズも販売されている。2階は貸ホールとしての機能も有しており、コンサートなどのイベントが頻繁に開催されている。かつては札幌市の図書館として使われていたこともある。2008年(平成20年)から指定管理者制度を導入。北海道庁旧本庁舎(赤レンガ庁舎)と並び、札幌市中心部の有名観光スポットであり、札幌市のカントリーサインのデザインとしても使用される札幌市の象徴的建物である。また道外では札幌ラーメンの店の看板や北海道観光のポスターに多用されるなど、札幌のみならず北海道の象徴とされる例も多いほか、北海道日本ハムファイターズの応援歌の歌詞にも使われている。壁面は白く塗られているが、1995年(平成7年)から実施された保存修理時の調査で、創建当初は壁が灰色、柱や窓枠が茶色に塗られていたことが判明した。壁は緑色に塗られていた時期もあり、白の塗装となったのは1953年(昭和28年)からである。上述の保存修理に際して、壁の色は創建時の灰色に戻すことはせず、長年親しまれた白色としている。建設当初は大時計を設置せず、鐘楼に工部省東京工場製の鐘が吊るされていた。綱を引いて鐘を鳴らす仕組みだったが、時報の正確性に欠くことや振動により実験に支障をきたすことから、開拓長官であった黒田清隆のもと、1881年(明治14年)6月に塔部分を新築し、ハワード製の時打重錘振子式四面時計(製造番号738)が設置された。同年8月12日、正式に鐘を鳴らし始めたこの時計は、重りの力を利用した振り子式で、4日に一度は運用針と打鐘用の2つの重りを吊るしたワイヤーを、ハンドルを使い人力で巻き上げねばならないが、重さはそれぞれ50kgと150kgにもなる上、機械に負担が掛からないよう2時間ほど掛けてゆっくりと巻き上げる必要があり、かなりの労力を要する。今でこそ大切に管理されているが、かつては時計台の価値が十分に理解されず故障しても放置されていた時代があった。1933年(昭和8年)、時計台に近い狸小路で時計店を営んでいた井上清は、長期間止まったままになっている時計のことが気になり、市に修理を申し出たが予算不足を理由に断られた。そのため井上はボランティアで保守整備を行うことを決意し、作業を始めた。1か月の時間を要し、錆(さび)を取り、部品を丁寧に分解修理し、時計の機能を回復させた。井上はほぼ毎日時計台に通い、長年に渡り重りの巻上げを含む時計の保守管理を続けたが、1982年(昭和57年)に息子の和雄(1947年〈昭和22年〉から父の時計店で働いていた)が市の非常勤職員に採用され、清の仕事を引き継いだ。2009年(平成21年)からは和雄の指導を受けた札幌市友会(市職員OBによる一般社団法人)の専任職員が保守管理を行っている。なお、2014年(平成26年)度からエムエムエスマンションマネージメントサービスが指定管理者となっている。現在は、高層ビル群に囲まれている。時計台の向かいのビルの2階がテラスとなっており、時計台を正面より撮影できる。鐘の音も高層ビルに阻まれて、現在は時計台周辺でしか聞こえないが、市内の小学校などでは、時刻によって録音された鐘の音を鳴らしている。またSTVラジオでは、平日の6時から8時と16時、土曜7時に正時の時報音に代わって、札幌時計台の鐘の音を生で放送している。非公式キャラクターとして「時計大臣」というものがあり、これはさっぽろテレビ塔の非公式キャラクター「テレビ父さん」の仲間に当たる。周囲をビルに囲まれており、その景観などの理由から「日本三大がっかりスポット」と称されることもあり、過去に中島公園や円山公園への移転案が具体化されたことがあったが、市民からは「時計台は立ちはだかるビルの間にあってこそ生きた歴史である」等の反対意見が多数を占め、結局札幌市議会の可決により、1966年に永久保存が決定された。1963年(昭和38年)に制定された札幌市民憲章には、前文にあたる前章で「わたしたちは、時計台の鐘がなる札幌の市民です」と詠われている。
出典:wikipedia
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