ダイオウイカ(大王烏賊、学名: )は、開眼目 () ダイオウイカ科に分類される、巨大なイカの1種(もしくは1属)である。ダイオウイカ属には複数種があるとする説もあったが、遺伝子的にきわめて均一な同一種だと判明した。ヨーロッパに伝わる巨大な頭足類の伝説「クラーケン」はダイオウイカをモデルにしているとも考えられている。属名 は、 (teuthis) 「イカ」に、「最高位の、最たる」を意味する接頭辞 を添えたもの。和名は「大王イカ」の意。英語では (ジャイアント・スクィッド)、中国語では ()と呼ぶ。ただし、科名は 。非常に大きなイカであり、日本での発見例は外套長1.8m、触腕を含めると6.5mにも達する。ヨーロッパで発見された個体群(かつてはタイセイヨウダイオウイカやテイオウイカに分類)になると、特に大きなものは体長18mを超えたともいわれる。ダイオウホウズキイカとともに、世界最大級の無脊椎動物(つまり同時に、最大級の頭足類)として知られている。直径30センチメートルにもなる巨大な目を持ち、ダイオウホウズキイカのそれとともに、生物界で最大とされている。これによりごくわずかの光をもとらえ、深海の暗闇においても視力を発揮できる。触手の長さと胴体の大きさに比べ、胴体先端の遊泳ひれが小さく筋肉中に塩化アンモニウムを大量に含んでいることから遊泳能力はあまりないと考えられてきたが、後述する生きた姿の撮影、特に2013年に公開されたNHKによる小笠原沖での調査映像では、深海を巧みに動く姿が撮影されている。北アメリカやヨーロッパ付近の大西洋、ハワイ島付近、日本では小笠原諸島などの広い範囲で発見例があるものの、深海に棲息するため、全体としては発見数が少なく、台風によって浜辺に打ち上げられたり、死骸が漂着するなどの発見例が大半である。漂着は、日本、ヨーロッパ各国、アフリカ各国、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどで報告されている。日本では、2013年までは平均して2年に1度程度の頻度で報告されており、1941年から1978年までの37年間には20個体が報告された。ただし、2013/2014年の冬は報告が極端に多く、7件が報告された。この原因としては、2006/2007年の冬と同様の海水温状態が再来したとする説や、単にダイオウイカの知名度が上がったためであり過去にも報告されなかった漂着が多数あったはずだとする説などがある。生きている個体の目撃例はほとんどなく、その生きている映像は、日本の研究家が2006年(平成18年)12月に小笠原沖650M付近に仕掛けた深海たて縄で捕獲したダイオウイカを船上から撮影したものが世界初とされている。この際の映像での体色は赤褐色だったが、2013年に公開された小笠原沖での深海映像では活発に活動する状態で他のイカと同様に体色も変化する為、光を反射する黄金色の体色であった。なお標本や死んで打ち上げられた個体は、表皮が剥がれ落ち、白く変色する。ダイオウイカについては、まだまだ生態、個体差ともに不明な点が多く、詳細は今後の研究が待たれる状態である。天敵はマッコウクジラであると考えられている。その理由としてマッコウクジラの胃の内容物から本種の痕跡が多く発見されることと、頭部の皮膚に吸盤の跡やその爪により引き裂かれた傷が残っていることが挙げられる。ダイオウイカの吸盤には鋸状の硬い歯が円形をなして備えられており、獲物を捕獲する際にはこれを相手の体に食い込ませることで強く絡みつくと考えられている。また、弱った個体や死骸がサメやシャチ等、他の肉食生物の餌にされたり、幼体時の浮遊期にも稚イカが多くの生物の餌になっていると考えられている。なお、ダイオウイカの卵はクリーム色もしくは白色をしており、およそ1mm程度である。ニュージーランド近海での調査からは、ダイオウイカが捕食する獲物は、オレンジラフィー(ヒウチダイ科のOrange roughy)やホキといった魚や、アカイカ、深海棲のイカなどであることが、胃の内容物などから明らかにされている。これまでダイオウイカ属には21種が記されてきた。ダイオウイカを単一種とする場合、これらは全てシノニムとなる。従来、これらを8種とする説、1種の3亜種とする説などがあった。以下の分類が提起されていた。しかし、オーストラリア、スペイン、アメリカ合衆国フロリダ州、ニュージーランド、日本の海域で発見された43体のダイオウイカをDNA解析した結果、DNAの特徴の差があまりにも小さかったことから、ダイオウイカ属にはただ1種しか存在しないとの説もある。以下に、8種とした説を記す。ただし、 以外は近縁な別属とする説もあった。クレーケンなどという名前で文学などで出てくることがある。本種やダイオウホウズキイカのような巨大なイカ類の体組織には浮力を得るための塩化アンモニウムが大量に含まれている。そのため、これらのイカの身の味には独特のえぐみや臭みがあり、食用には適さないとされている。過去の日本のニュース番組では、捕獲したダイオウイカを漁師が刺身にして食べる場面が放映されたこともあるが、食後の感想は「しょっぱくて食えた代物ではない」との否定的なものであった。また、国立科学博物館の窪寺恒己博士の証言によると「食えないことはない。だが、体を浮かせるために、水より比重が軽いアンモニアの入った袋が体内にあるため、アンモニア臭がある」、「イカの味はするものの噛んでいるうちにえぐ味や苦味が出てきて」(美味ではない)とされている。2014年2月25日に水揚げされた際は、ぐるぐるナインティナインのスタッフが日本全国のイカの特集で取材した。この際、地元の漁業長が生のダイオウイカを食したが、味は水っぽいと評した。その後同番組でダイオウイカの足の一部も貰い受け、番組内で岡村隆史(ナインティナイン)、徳井義実(チュートリアル)、宮崎美子がダイオウイカのイカヤキを食べたが、岡村は「口触りは非常に悪く、アンモニア臭がひどい」と苦悩の表情で食した。その後も、2014年4月8日に富山湾で発見された個体が富山県射水市の新湊漁港で水揚げされ、新湊漁協職員が試食したものの、以前の報告同様「イカ特有の歯応えはなく、また塩辛く、塩の塊を食べているようでおいしくはない」と評している。ただし、本種と同様に塩化アンモニウムを含む魚介類(他の大型イカなど)の加工技術を応用することで食された例もあり、近年では主に南アメリカ諸国が輸出のための本格的な食用化研究を進めている。
出典:wikipedia
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