『イシターの復活』(イシターのふっかつ)は1986年7月、ナムコ(後のバンダイナムコゲームス)から発表されたアーケードゲーム。「バビロニアン・キャッスル・サーガ」の一つ。The Return of ISHTAR(ザ・リターンオブ・イシター、ROI)とも呼ぶ。『ドルアーガの塔』の続編として発表されたゲームで、「バビロニアン・キャッスル・サーガ」の第2作目として位置付けられている。アーケードとしては初めてのパスワードによるコンティニュー機能をつけた、アクションロールプレイングゲームでもある。敵を倒してプレイヤーキャラクターを強く成長させていき、ゲームオーバー時に次回プレイに使える「パスワード」が表示される。頂上から塔の入り口までの全128ルームを行き来して最終的には塔からの脱出を目指すゲーム。ゲームデザイン、ドット絵は遠藤雅伸が担当。ドルアーガを倒し、カイを救出したギル(ギルガメス)。しかしドルアーガが倒されたことで塔は廃墟と化し、これまでの部屋はめちゃくちゃとなり出口は閉ざされ、塔の魔物はより凶悪化してしまった。ブルークリスタルロッドを持ったカイとギルは、魔物を倒しながら、塔から脱出しなければならなくなった。1クレジット投入後に3つのゲームモードから1つを選択し、ゲームを開始させる。ギルは通常レバー以外使用しないが、名前やパスワードを入力する時だけカイ側のボタンを使用する事になる。いずれの場合も原則開始フロアの(金具の色が)赤いドアからゲームが始まる(ドアの金具の色はIdentify Doorの呪文で識別可能)。操作は二つのレバーと二つのボタンで行う。左レバーでメインとなるカイを動かし、右レバーはギルを動かす。また左レバー(カイ)側に「呪文(スペル)選択」と「呪文使用」の二つのボタンがある。「呪文選択」ボタンを押すと画面下に呪文アイコンが出、ボタンを押しっ放しにしながら左レバーを使って呪文を選択する。呪文選択中はカイを動かすことはできないが敵はお構いなしに動き回るので、呪文選択中にやられる危険がある。「呪文使用」ボタンで選択した呪文を使うことができる。右レバー(ギル)側にはボタンがなく、ギルは敵が近づくと自動的に剣を出して、接触している間攻撃する。また、マジシャンの呪文を正面で受けた時だけ(戦闘中でも)楯で撥ね返す。一人で操作するか、二人プレイでカイとギルを分担するかはプレイヤーの自由であり、どちらのプレイスタイルも存在する。メインはカイで彼女を中心に画面が動くため、ギルが画面外にはみ出すことが多い。そんなときは呪文(Call GIL)を使って、ギルを瞬時に呼び出すことができる。カイは体力が全くないに等しく、バリアを張っていない状態で敵に接触するとプレイヤーアウトとなる。一方ギルの場合はヒットポイント(以下HP・プレイ中、右下に表示)が0になるとプレイヤーアウト(但し、中には触れた途端にHPを0にされる敵もいる)。どちらかがプレイヤーアウトになるとその場でゲームオーバー画面となり、カイとギルのパスワードが表示される。モンスターを倒すと、二人同時に経験値を得ることができる。また、ギルで敵を倒した場合、一部の敵を除いて幾分かHPが回復する(リカバーポイント)。ギルの成長はカイの4分の1である。カイには敵を倒したことでのマジックポイント(以下MP)の回復はない。最大HP&MPの増加や新呪文の取得など、成長結果が反映されるのは実際にはコンティニュー後である。このためもあり、一度のプレイでのクリアは不可能とされる(最速で2コインクリアが可能)。成長した場合はコンティニュー後、カイの使用できる呪文の種類や呪文の使用回数が増加する。ギルの場合はHPの最大値が増加するが999が限界となっている。ルームパスワードが利用できるカイのMPの最大値は61440である。カイが使える呪文は、その消費MPがカイの現在MPの半分以下のもののみである。例えば消費MPが1000の呪文を使用するには、MPが2000以上なければならない。したがって、取得したばかりの強力な呪文を1回使ったばかりにいきなりMPがなくなってしまうということはないが、最後の1ポイントはどう頑張っても使い切れない。成長による新呪文の取得はアイテム取得などのイベントではなく、このルールにしたがって自動的に使用できるようになる。なお、NEW GAME から始めた場合は、MPは7である。(例)MPが7のカイ、最大HPが15のギルが、LARGE HALLにおいてビッグバーンの宝箱でグリーンバンパイヤ(経験値120)を1匹、ブラックバンパイヤ(経験値286)を2匹倒した直後にゲームオーバーとなった。手に入れた経験値は120+286*2=692である。692を256で割ると2.703125で、カイのMPは2ポイント上昇、ギルのHPは1024で割っても整数値が1に満たないため上昇しない。よってゲームオーバー時に表示されるパスワードは、カイのMPが9、ギルの最大HPは15である。なお、小数点以下分の経験値はゲームのリセットを掛けない限り次にゲーム(NEW GAME、LAST GAME CONTINUE、PASSWORD GAME CONTINUEの何れの場合も)を開始するプレイヤーに引き継がれる。最終目的は塔を脱出することである。この塔の各ルームには様々なトラップが存在する。1ルームを脱出するには扉に入らなければならないが、それには扉と同じ色をした鍵が必要となる(扉の色はIdentify Door、鍵の色はDetect Keyの呪文で識別可能。扉と鍵は1ルーム最大各8種類)。なお、鍵の取得や扉を開けるのはカイ・ギルのどちらでも可能だが、扉を開けても1人だけでは入れず2人で同時に入らないと次のルームには進めない。前作と同じくルームごとに制限時間が設けられており、各ルームスタート時の残り時間は最初「120」で1秒ごとに1減少する。2回目以降同じ部屋に戻った場合は、前回脱出した時の残り時間に10増加した状態から始まる。呪文 See Status を使用すれば残り時間が画面に表示される。残り時間が30になるとアラームが鳴り、音楽のテンポが速くなる。0になると、ウィスプ類が出てくる。ウィスプに触れると Metamorphose を使っていても即ゲームオーバーとなる。画面上にはルーム名が書かれている。これとルームごとの3文字のパスワード(ルームに入ったときに表示される)が、パスワードコンティニュー時に必要となる。このパスワードは64通りあって全128部屋で64を境にパスを共有しており、従って1面と65面はパスが共通している。一部のルームには宝箱やアイテムがあり、能力をアップしたりダウンしたりする効果がある。中には取得後即時に効果が発動するものも存在する。頂上から塔の入り口までの全128ルームを行き来するが、全てのルームをクリアする必要は無く、最後のルームはメッセージのみである。ごく一部の呪文は、その絶大な効力と引き換えにカイやギルの経験値を減少させる。ルームを進んでいくと、色は同じでも開かない扉や偽物の鍵が見られたりする(その場合は取っても意味がない)。また、扉がない、または最初から開いている、さらには別のルートや方法で脱出する、などといった仕掛けも見られる。その他、オブジェとして雰囲気作りのために置かれていてゲーム進行には全く意味を持たないものもある。このゲームに登場するキャラクターは前作にも登場しているものがあるので、内容を一部省略する。以下はカイとギルの脱出を遮るものとして登場する。表の名前は呪文 Identify Monster II で表示される名前。和名は一般的なカタカナ表記。recoverはギルでモンスターを倒したときにギルが回復するHPの値。「出現フロア」の数字は、"SELECT START ROOM"で表示される並び順。バンパイヤ族とナイト族以外はギルで捕まえておく(引っ掛ける)ことができない。塔の上層部に現れるモンスター。ぶらりぶらりとカイに接近する。これらは呪文を使わない。ファイヤーボールで倒すことができる。前作でも登場したスライム。やや大きくなり、跳ねながら動く。また呪文を唱えてくるものもいる。Sleepの呪文で動きを止めることが可能だが、呪文を唱えるのをやめさせることはできない。(Wizard Lock は有効)いわゆるコウモリ。やや素早いのでカイがやられる原因の一つとなる。簡単に言えばヘビ。モンスターの中では素早さがもっとも遅いが、Time Stopの呪文が効かない。"OOZE" と表記し、「ウーズ」と読む。英語で「軟泥」もしくは「濃縮物」の意。スライムを凝縮した(または乾燥した)モンスターのように見える。スリープで動きを止めることができる。壁の陰に隠れていることがあり、Detect Monsterの呪文を使うことで姿が見えるようになる。全モンスター中でこの族だけ、ギルを狙ってくるいやらしい敵。ワープしながら呪文を打つことは前作と同じ。カイは敵の呪文には当たらない(当たってもダメージがない)。また「ハイパー」と冠するマジシャンは壁を貫通する呪文を唱えてくる。プロテクションを張ったカイが体当たりして倒すのが基本だが、ファイヤー・エクスプロージョンやキラークラウドも効く。前作にも登場した化け物。普段は柱のような出で立ちで動かずにいるが、こちら側から近づくと触手を伸ばして襲ってくる。「スーパー」と冠するローパーは初めから触手が出ており、いきなりカイのほうに襲いかかってくる上に非常に速い。ほとんどの呪文が効かず、基本的にギルで倒さなければならない相手だが、ギルと交差させても動きを止める事が出来ないため、相手をするには作戦が必要。タイムストップの呪文を使うと触手の動きのみが止まるものの移動を止めることはできない。種類が最も多い種族。特に同じ種族でも色違いの敵は非常に紛らわしいうえ、色が違うだけで呪文が効かないというのも多く見られる。ギルでナイト族を倒そうとする場合は、ギルが移動中の状態でないとダメージを与えることができない。前作にも登場し、今回もタイムが0になるとうじゃうじゃと出てくる(ただし、最初からいるルームもある)。しかも触れるだけで即ゲームオーバーとなる。前作では対抗アイテムを持っていれば触れても問題無かったが、本作にはそういった物は無い。Red Wisp は Death Spell か Big Burn で、Blue Wisp は Death Spell でのみ倒すことはできるが、いずれにせよ経験値が下がる呪文でしか倒せない。動き出すまでは当たり判定が発生しない(Identify Monster I は有効)。Metamorphoseの呪文は、ルームに最初から存在するウィスプに対しては有効だが、時間切れで出現したウィスプに対しては無効である。緑色のウニ。ウィスプ族と同じく触れただけでやられてしまう(ただし、Metamorphoseの呪文をかけている場合はこの限りではない)。近づくと3秒弱じっとした後にカイを目がけて真っすぐ襲ってくる。移動は極めて速く、非常に厄介なモンスターである。対処方法としてはアーチンがいるところに近づかないのが一番である。カイを追いかけてくることを利用して壁に引っかけるか、Panicを使って混乱させているところを一気に逃げるか、Unseen Servantをかけるのも有効。そうでなければ、Death SpellやBig Burnを使って倒すしかない。また、Time Stopが異常な効果を発揮するが、存在判定は元居た場所に残る。カイは敵に触れると即ゲームオーバーとなる。そうならないために、呪文を駆使していくことが大事である。最初は初歩的な呪文しかなく、すぐにMPがなくなるので困るが、ゲームオーバーとコンティニューをしていくことでカイは成長し、強い呪文を使えるようになっていく。呪文は6種類に分類される。攻撃系の呪文。全部で13種ある。カイやギルの身を守る呪文。全部で11種。効果の持続は同ルーム内。敵の攻撃に干渉をする呪文。全部で8種ある。あらゆるものを認識する呪文。全部で9種。これらの呪文は、一度かけた後にもう一度同じ呪文を使うと効果が消えてしまう(トグル方式)。ギルの疲れなどを癒したり、ルームの残り制限時間を戻したりする呪文。全12種ある。いわゆるその他の呪文。11種の呪文がある。本作では塔内は127の部屋に分かれており、それぞれに固有の名前がある。鉤括弧書きはルーム名の日本語訳例。COMMON ROOMでは、毎回各色の鍵の場所が違っているが、その色とある場所によって行き先(GUEST ROOM,CHARIOT HANGER,WAITING ROOMの3通り)が決まっている。WAITING ROOMへ通じている可能性が高いのは以下の通り。
出典:wikipedia
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