『ビリティスの歌』(仏:"Chansons de Bilitis")は、ピエール・ルイスによる1894年発表の散文詩集である。「サッポーの同時代の女流詩人による詩をギリシア語から翻訳した」として発表された、146歌の散文詩からなる詩集である。ビリティスは紀元前6世紀のギリシャに生まれた女性で、少女時代から死に至るまでの間に書き残した詩篇が19世紀になって発見された、ということになっていたが、これはルイスの虚構で、刊行当時多くの人がルイスに騙されて実在すると信じ、本気で論じた文芸批評家が恥をかいたという(沓掛良彦『エロスの祭司』水声社,2003)より。ドビュッシーがそのうち3篇を歌曲に仕立て、その他にも付随音楽などを作曲している。ドビュッシーは1897年から1898年にかけて、『ビリティスの歌』の詩から以下の3篇を選んで歌曲を作曲した。初演は1900年3月17日、国民音楽協会の演奏会で、ブランシュ・マロの独唱と作曲者のピアノによって行われた。ドビュッシーは1900年に『ビリティスの歌』のための付随音楽を作曲した。副題に「パントマイムと詩の朗読のための音楽」とある通り、詩の朗読とパントマイムと音楽が一体になった上演形態を意図したもので、2本のフルート、2台のハープとチェレスタという編成のために書かれた。しかし、この企画は実現には至らず、音楽はこの形では演奏されないまま、草稿にとどまった。草稿のチェレスタのパートは紛失したが、後にピエール・ブーレーズがこれを復元し、補筆完成させている。この楽曲は以下の12曲からなる。選ばれた詩は『ビリティスの3つの歌』とは重ならない。ドイツ・グラモフォンからカトリーヌ・ドヌーヴの朗読、アンサンブル・ウィーン=ベルリンの演奏によるCDが出ている。この演奏で使用されている楽譜は上記のブーレーズによるものではなく、アルテュール・オエレによる復元校訂版による。1914年になって、ドビュッシーは上記の楽曲をピアノ連弾のために改作し、『6つの古代碑銘』("Six Epigraphes antiques" )の題名を付けた。これは1915年にデュラン社から出版され、1917年頃に初演された。後に指揮者エルネスト・アンセルメによってオーケストラ編曲されている。この作品は以下の6曲からなる。
出典:wikipedia
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