相横歩取り戦法(あいよこふどりせんぽう)は、将棋の戦法である横歩取りの戦型の一つ。通常の横歩取り戦法では後手が一歩損のまま序盤戦を戦わなければならないため、この損を嫌って後手も横歩取りをする戦法である。横歩を取るために後手から角交換をしなければならないため、後手が大幅に手損する形となるものの、先手陣が上ずり隙が多くなる側面もあるため、後手が一方的に損であるとは言い切れない。飛車角総交換など、激しい戦いになる例が多くみられる。初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛と進んで先手が横歩を取った状態(図1)から、△8八角成▲同銀△7六飛の手順で後手も横歩を取るのが相横歩取りの基本形である(図2)。図2では金取り(7八)となっているため、これを受けなくてはならない。受け方としては▲7七歩・▲7七桂・▲7七銀があり、プロの実戦では圧倒的に▲7七銀が多い。▲7七銀に対しては△7四飛と引く一手。ここで▲7四同飛と飛車交換する手と▲3六飛と交換を拒否する手に分かれる。ここで先手が飛車交換をすれば超急戦となり、拒否すれば持久戦となる。プロの実戦でも、以前は飛車交換拒否型も見られた(例:1989年の第38回NHK杯羽生対谷川戦)が先手後手ともに指し手が難しく、近年は飛車交換型が圧倒的に多い。第84期(2013年度)棋聖第2局(渡辺明対羽生善治)では、相横歩取りに誘導した後手の羽生に対し、渡辺は▲7七桂と跳ねて、飛車交換のない比較的穏やかな順を選んだ。結果は86手で羽生が勝利した。飛車交換後は▲8三飛や▲4六角が考えられる。従来は▲8二歩△同銀▲5五角が定跡手順とされていたが、▲4六角と打つ手が発見されたため廃れた。後手が△8二角と受ければ▲8二同角成△同銀▲5五角と進み、従来の手順よりも一歩得となる。そのため、△8二角に代えて△7三角といった受けや、反撃の含みを持たせる△8六歩▲8八歩△8二角とする対応や、少し捻った筋として△6四歩とする受けも試みられている。△8二歩と受けるのは自然な手に見えるが、その場合、▲8三歩△7二金▲8二歩成△同銀▲8三歩(29手目)と進み、△同金ならば▲8四歩△7三金▲同角△同桂▲8一飛で先手良し。▲8三歩(29手目)に対して△7三銀とすれば、▲同角△同桂▲8二歩成△同金▲7一飛△6一飛▲8三歩△7一飛▲8二歩成で飛車が詰む形となり、飛車交換で角と金銀の交換の2枚替えとなり、やはり先手良しとなる(図3)。いずれもすぐに寄せ合いに入るほどの激戦である。多くの変化については詰み直前の段階まで研究が進められているが、稀に結論を覆す新手も現れ(北浜新手など)、現在に至ってもなお先後の優劣ははっきりしていない。
出典:wikipedia
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