動力車操縦者(どうりょくしゃそうじゅうしゃ)とは、日本の動力車操縦者運転免許に関する省令で定める一定の動力車を操縦する資格がある者を指すための日本の行政用語である。一般的には「鉄道の運転士」や「列車の運転士」(機関士とも)などと呼ばれている人を指すための、日本の行政上の用語である。日本の機関車、電車や気動車、路面電車、トロリーバス(無軌条電車)の運転に必要な資格を持つ者のことである。「道路交通に関する条約」を批准してあれば、日本国外でも自動車が運転出来る運転免許と違い、あくまで日本国内の資格であって、日本以外の鉄道を運転することはできない。この省令の第2条で、動力車とは、「鉄道及び軌道の蒸気機関車、電気機関車、電車、蓄電池機関車、蓄電池電車、内燃機関車、内燃動車、無軌条電車」とされている。これ以外の動力を有する車両の操縦には資格制度はなく、鉄道事業者・軌道経営者の教育訓練と確認のみで操縦することになる。基本的に、この免許を受けていなければ、動力車の操縦は出来ない。ただし、無軌条電車を除き、運転見習中の係員が運転免許を受けた者と同乗して直接の指導を受ける場合および本線に支障を来たす恐れがない側線において移動する場合は運転免許は不要である。2006年9月までは、公共団体(1949年5月31日以前は「国」(=日本の中央政府などを指すための日本独特の行政用語)も含まれる)の経営する鉄道で動力車を操縦するにあたっては、鉄道営業法の鉄道係員の資格に関する規定そのものが適用除外とされていたため、この省令が適用されず、それらすべての鉄道係員は国及び公共団体が定める資格や講習が必要とされていた。ただし、軌道の場合は軌道法上その分類がなかったため、すべての軌道で動力車操縦者運転免許が必要であった。2006年10月1日より運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律施行に伴い、鉄道営業法の除外規定が削除され、この省令が公共団体の経営する鉄道に適用されることとなり、動力車操縦者運転免許を含む鉄道係員の要件や資格について鉄道営業法で規制されることとなった。動力車操縦者の資格と試験は、省令上は鉄道事業者・軌道事業者に所属していることを要件としておらず、20歳以上の者で、運転免許の取消を受けた者の場合は、取消日から起算して1年を経過していれば学歴、経験、国籍を問わず受験でき資格を得られる。視力、色覚、心電図等のチェックをクリアする必要がある。裸眼または矯正視力で両目1.0以上。片目それぞれ0.7以上(2012年4月改正)。また、色覚は少しでも異常があると不合格となる。加えて、内田クレペリン精神検査も課される。国土交通省認可の養成施設で専門の教育訓練(学科講習及び技能講習を行う第一類と学科講習を行う第二類がある。無軌条電車は第一類のみ)を受け、試験に臨むのが通例である。JRや大手民鉄は自社の施設を持っているが、中小民鉄の場合養成施設がないことが多く、他の鉄道事業者に有料で委託することになる(委託は関東方面を中心に、東日本地域では多数の鉄道事業者が受け入れているが、逆に西日本地区においては関西大手私鉄では他社の委託を5社とも受け入れておらず、またその他の鉄道事業者でも委託を受け入れてない事例が多い)。このため、養成施設を持たないモノレールや案内軌条式鉄道事業者の運転士が他社の鉄レール式の電車で試験のための訓練を受けるケースもある(免許の種類が同じであれば可である)。その後自社の路線で改めて訓練を実施している。およそ700万円かかるとされる(後述)。詳細は動力車操縦者養成所を参照。この免許には更新・書換制度がないため、事実上終身免許である。ただし、鉄道事業者や軌道経営者では運転士に対して定期的に健康診断を行っており、乗務に耐えられないと判断されれば、社内的に運転業務から駅務等、他職種へ転換する場合が殆どである。地方運輸局長は次の場合に運転免許の取消又は停止をすることができる。 しかし、不正な手段で運転免許の交付を受けた場合、重大事故を引き起こした場合などは処分ができない。この省令には、免許の自主返納制度が存在しない。
出典:wikipedia
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