貧困線(ひんこんせん、、)は、統計上、生活に必要な物を購入できる最低限の収入を表す指標。それ以下の収入では、一家の生活が支えられないことを意味する。貧困線上にある世帯や個人は、娯楽や嗜好品に振り分けられる収入が存在しない。貧困線は、社会学や経済学の指標であり、貧困状態にある住民を減らすため、必要な社会政策を決定するのに有効である。貧困線以下にある住民が多い社会は、最低限の生活を送る必要があるため、経済発展が阻害される。このため、近代的な国家の目標は、社会の全ての構成員を貧困線を上回る収入を生活保障や雇用保険の失業等給付を通して、保障することにある。貧困線を計算する基本の手法は、1人の成人が1年間に最低限必要な物の購入費用を積み立てていく方法がとられる。「住環境に費やす費用が収入のもっとも大きな割合を占めることが多い」ことから、歴史的に経済学者は、物件価格や賃貸費用の変動に注目してきた。個人の年齢や家族構成により貧困線は上下する。多くの先進国では、娯楽や嗜好品なども貧困線を算出する際に加算している。これは「単に衣食住が満たされる状況は、貧困状態未満である」という認識を持つため。ただ、貧困線は、厳密な指標ではなく、国や機関によって異なる。そのため、貧困線を若干上回る収入の層とやや下回る収入の層の間に、実際には大きな生活水準の差はない場合もある。世界貧困線は、1ドル/日。2008年、世界銀行は、貧困線を「2005年の購買力平価(PPP)が1.25$以下の層」と設定。絶対的貧困(ぜったいてきひんこん)とは、食料・衣服・衛生・住居について最低限の要求基準により定義される貧困レベルである。1970年代に「人間の基本的必要の充足」を開発の目的であるとしたロバート・マクナマラ総裁時代の世界銀行で用いられはじめた概念で、低所得、栄養不良、不健康、教育の欠如など人間らしい生活から程遠い状態を指す。この指標は絶対的なものであるため、各々の国家・文化・科学技術水準などに関係なく、同じレベルでなければならないとされている。こういった絶対的指標は、各個人の購買力だけに着目すべきであり、所得分布などの変化からは独立していなければならない。絶対的貧困を示す具体的な指標は国や機関によって多様であるが、2000年代初頭には、1人あたり年間所得370ドル以下とする世界銀行の定義や、40歳未満死亡率と医療サービスや安全な水へのアクセス率、5歳未満の低体重児比率、成人非識字率などを組み合わせた指標で貧困を測定する国際連合開発計画の定義などが代表的なものとされている。国連ミレニアム宣言により制定された『ミレニアム開発目標』ではこうした世界の絶対的貧困率を2015年までに半減させることが明記された。国際連合開発計画の委託を受けた2000年度『人間開発報告書』によると、1日1ドル以下(365日365ドル・366日366ドル)で生活している絶対的貧困層は、1995年の10億人から12億人に増加しており、世界人口の約半分にあたる30億人は1日2ドル未満(365日730ドル・366日732ドル未満)で暮らしている。世界銀行は、2015年10月に国際貧困ラインを2011年の購買力平価(PPP)に基づき1日1.90ドルと設定、これは年換算で365日693.5ドル・366日695.4ドル(2015年10月以前は2008年に2005年の購買力平価に基づき設定された1日1.25ドルと設定されていた、これは年換算で365日456.25ドル・366日457.5ドル)。2030年までに極度の貧困を世界全体で3%まで減らす。全ての途上国で所得の下位40%の人々の所得拡大を促進する。という2つの目標を掲げている。国際貧困ライン(1日1.90ドル未満)を用いた場合、貧困層は2012年に約896,000,000人(世界人口の12.7%)、2015年は約720,000,000万人(世界人口の9.6%)に減少すると予測している。総務省の全国消費実態調査では2009年発表2008年調査で等価弾性値0.5(平方根)の年間可処分所得については世帯総数115,559,691件絶対的貧困世帯を対象として1984年の年間可処分所得の中位数(実質値)である2,404,752円(等価弾性値=0.5の場合)を基準値としてその50%未満の1,202,376円未満と定義する場合。世帯員分布7.625%、平均所得約805,000円、収入ギャップ66.916%、ジニ係数0.220となる。60%未満の1,442,851.2円未満と定義する場合、世帯員分布11.735%。40%未満の961,900.8円未満と定義する場合、世帯員分布4.561%。30%未満の721,425.6円未満と定義する場合、世帯員分布2.611%。※1984年の年間可処分所得の中位数(実質値)である1,200,156円(等価弾性値=1)を基準値としてその50%未満の600,078円未満と定義する場合。世帯員分布5.388%、平均所得約391,000円、収入ギャップ65.110%、ジニ係数0.233となる。60%未満の720,093.6円未満と定義する場合、世帯員分布8.771%。40%未満の480,062.4円未満と定義する場合、世帯員分布3.362%。30%未満の360,046.8円未満と定義する場合、世帯員分布1.874%。このように絶対的貧困は、一定の指標を定め、その基準に沿って一律に定義される。しかしながら、こうした貧困の定義に対しては、何が必要かをめぐる社会的・文化的個別性や、ニーズを充足する手段の獲得における社会内部での階層化(たとえばピーター・タウンゼントが相対的剥奪という語で示そうとした状況)、そしてまた貧困状況をもたらす社会構造に対する批判的視点も必要ではないかとの批判も存在する。相対的貧困(そうたいてきひんこん)の定義は「等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯員」であり、この割合を示すものが相対的貧困率である。ただし、預貯金や不動産等の資産は考慮していない。実収入-非消費支出=可処分所得
可処分所得÷√世帯人員=等価処分所得
※等価弾性値=0.5(平方根)。現物給付、預貯金、資産は考慮しない。絶対的貧困率と違い数学的な指標なので主観が入りにくいとされるが、国によって「貧困」のレベルが大きく異ってしまうという可能性を持つ。この為、先進国に住む人間が相対的貧困率の意味で「貧困」であっても、途上国に住む人間よりも高い生活水準をしているという場合と先進国においては物価も途上国より高く購買力平価を用いた計算をすると途上国よりも生活水準が低い場合が存在する。国民生活基礎調査における相対的貧困率は、一定基準(貧困線)を下回る等価可処分所得しか得ていない者の割合をいう。 世界の人口は台湾(1.5%)、マレーシア(3.8%)、アイルランド(5.5%)、オーストラリア(6.2%)、タイ、フランス(7.8%)、スイス(7.9%)という名前のトップ10の貧困ライン率を下回っています、カナダ(9.4%)、オランダ(10.5%)とサウジアラビア(12.7%)。 。最新のデータであるOECDの2014年の統計によれば、イスラエルの18.6%(2014年)、アメリカ合衆国の17.5%(2014年)、トルコの17.2%(2013年)、チリの16.8%(2013年)、メキシコの16.7%(2014年)、エストニアの16.3%(2013年)、日本の16.1%(2012年)、スペインの15.9%(2013年)、ギリシャの15.1%(2013年)、韓国の14.4%(2014年)、ラトビアの14.1%(2013年)、ポルトガルの13.6%(2013年)、イタリアの13.3%(2013年)、オーストラリアの12.8%(2014年)、カナダの12.6%(2013年)、リトアニアの12.4%(2013年)、ポーランドの10.5%(2013年)、イギリスの10.1%(2013年)、ハンガリーの10.1%(2014年)、ベルギーの10.0%(2013年)、ニュージーランドの9.9%(2012年)、スロベニアの9.5%(2013年)、ドイツの9.1%(2013年)、オーストリアの9.0%(2013年)、アイルランドの8.9%(2013年)、スエーデンの8.8%(2013年)、スイスの8.6%(2013年)、スロバキアの8.4%(2013年)、オランダの8.4%(2014年)、ルクセンブルクの8.0%(2013年)、フランスの8.0%(2013年)、ノルウェーの7.8%(2013年)、フィンランドの6.8%(2014年)、チェコの6.0%(2013年)、デンマークの5.4%(2013年)アイスランドの4.6%(2013年)、OECDの調査した36か国の相対的貧困率平均は11.4%。日本の貧困率について表した最新のデータであるOECDの2010年の統計によれば、日本の相対的貧困率は16.0%で、この年に調査された国の中では、イスラエルの20.9%、メキシコの20.4%、トルコの19.3%、チリの18%アメリカ合衆国の17.4%に次いで6番目に相対的貧困が高い。次いでスペインの15.4%、韓国の14.9%、オーストラリアの14.4%、ギリシャの14.3%、イタリアの13%と続く。これは、日本の貧困率が先進国の中でもかなり高い部類に入っていることが示されている。OECDの調査した35か国の相対的貧困率平均は11.3%。日本より貧困率が高いメキシコ、トルコ、チリはいずれもOECDには加盟しているが、先進国とはっきり言える経済力ではないため、その点を踏まえると、日本は先進国の中でイスラエル、アメリカに次いで3番目に貧困率が高い国という見方もできる。逆に、西欧諸国は大半が10%以下であり、全調査国中もっとも低いチェコの5.8%とデンマークの6%を筆頭に、北欧諸国の貧困率が低い。厚生労働省の調査では、日本の相対的貧困率は2012年の時点で16.1%であり、データが存在する1985年以降、1991年、1994年、1997年、2000年、2003年、2006年、2009年、2012年という3年ごとの調査の中で最も高い数値となっている。2013年の国民生活基礎調査では、日本の2012年の等価可処分所得の中央値(名目値244万円、1985年基準実質値221万円)の半分(名目値122万円、1985年基準実質値111万円)未満の等価処分所得の世帯が、相対的貧困率の対象となる。各名目値で単身者では可処分所得が約122万円未満、2人世帯では約173万円未満、3人世帯では約211万円未満、4人世帯では約244万円未満に相当する。1年の総労働時間を法定労働時間2096時間~2080時間とすれば、可処分所得(「実収入」から「非消費支出」を差し引いた額で,いわゆる手取り収入。賃金などの就労所得、資産運用や貯蓄利子などの財産所得、親族や知人などからの仕送り等。公的年金、生活保護、失業給付金、児童扶養手当てなどその他の現金給付を算入する。)が名目値で122万円の年収に達する時給は約583円~587円以上となり最低賃金水準を下回る、2人世帯では時給約826円~832円以上、3人世帯では時給約1,007円~1,015円以上、4人世帯では時給約1,165円~1,174円以上で可処分所得名目値に達する。これに非消費支出(直接税や社会保険料、資産運用の必要経費など世帯の自由にならない支出及び借金利子など。)分を加算した金額が相対的貧困線以上の実収入(一般に言われる税込み収入。世帯員全員の現金収入を合計したもの。)となる。※現物給付(保険、医療、介護サービス等)、資産の多寡については考慮していない。子どもの貧困率は16.3%、子供がいる現役世帯の貧困率が15.1%で2項目ともデータが存在する1985年以降で最も高い数値となっている。貧困率は子供がいる現役世帯のうち大人が一人54.6%、大人が二人以上の貧困率が12.4%となっている。※世帯とは、住居と生計を共にしている人々の集まりをいい、大人とは18歳以上の者、子供とは17歳以下の者をいい、現役世帯とは世帯主が18歳以上65歳未満の世帯をいう。総務省の全国消費実態調査では2009年発表2008年調査で等価弾性値を0.5(平方根)とした場合の年間可処分所得については世帯総数115,559,691件、相対的貧困世帯を対象として、中位数の50%未満を基準値として定義する場合。世帯員分布10.096%、平均所得約920,000円、収入ギャップ68.070%、ジニ係数0.206となる。60%未満を基準値として定義する場合、世帯員分布15.825%。40%未満を基準値として定義する場合、世帯員分布5.886%。30%未満を基準値として定義する場合、世帯員分布3.218%。※等価弾性値を1(世帯員数)とした場合の年間可処分所得については世帯総数115,559,691件、相対的貧困世帯を対象として、中位数の50%未満を基準値として定義する場合。世帯員分布11.108%、平均所得約551,000円、収入ギャップ70.265%、ジニ係数0.194となる。中位数の60%未満を基準値として定義する場合、17.840%、中位数の40%未満を基準値として定義する場合、世帯員分布5.997%。中位数の30%未満を基準値として定義する場合、世帯員分布3.205%。山形大学の戸室健作は人文学部研究年報第13号で2012年の都道府県別の貧困率、ワーキングプア率、子どもの貧困率、捕捉率を算出した。日本は、かつての調査では北欧諸国並みの水準で「一億総中流」と言われたが、1980年代半ばから2000年にかけて貧富格差が拡大し相対的貧困が増大した。なお、ジニ係数と相対的貧困率は定義が異なるので一概に比較は出来ないが、単身世帯を含めたすべての世帯における年間可処分所得(等価可処分所得)のジニ係数で国内格差をみると日本はアメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダの英語圏諸国より格差が小さく、フランス・ドイツとほぼ同程度の格差であった。相対的貧困率は、1980年代半ばから上昇している。この上昇には、預貯金や不動産を所有しつつも収入は年金しかない「高齢化」や「単身世帯の増加」、そして1990年代からの「勤労者層の格差拡大」が影響を与えている。「勤労者層の格差拡大」を詳しくみると、正規労働者における格差が拡大していない一方で、正規労働者に比べ賃金が低い非正規労働者が増加、また非正規労働者間の格差が拡大しており、これが「勤労者層の格差拡大」の主要因といえる。経済学者の大竹文雄は、日本で相対的貧困率が高くなっている要因として、1)不況、2)技術革新、3)グローバル化、4)高齢化、5)離婚率の上昇を挙げている。各国家の国民貧困線は、世帯調査に基づいて人口加重したものによって作成されている。そのため国家間で定義は異なるため、その数字を国家間で比較することはできない。例えば豊かな国では貧しい国よりも、貧困の基準がより寛大になっている。2010年の米国では、65歳未満を対象とした貧困線は年収11,334ドル、4人家族で子供が2人の世帯では年収22,133ドルであった。米国国政調査庁は、2011年7月13日に、2010年の国民貧困線は15.1%であると発表した。2006年4月の英国では、全労働者の23%(500万人以上)が時給6.67ポンド以下の給与であった。フルタイム労働者(週35時間労働者)は年収12,000ポンドを得ているが、これはその平均所得の60%以下の額である。また2006年4月では、週35時間労働者の課税前年収は9,191ポンドであった。インドの公式貧困線は、都市部と農村部で別々の基準である。都市部の基準は月収 538.60ルピー(約12ドル)、農村部の基準は月収 356.35ルピー(約7.5ドル)で計算されている。日本には国民貧困線が公式設定されておらず、国民貧困率の試算も存在しない。実務上は生活保護基準などを元に運用されている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。