ヨコエビ(横蝦、-海老)は、甲殻亜門・軟甲綱・端脚目(ヨコエビ目)・ヨコエビ亜目(Gammaridea)に属する甲殻類の総称。名称に「エビ」とあるが十脚目(エビ目)ではない。体長は数mmから10数cmまで種類によって差があるが、多くは数mm程度しかなく、1cmを超える種類は少ない。体は左右に平たく、横から見ると半円形をしている。脚や触角は短い。端脚類の中でも特に種分化が進んだグループで、幅広い環境にたくさんの種類が分布している。多くの種(4000種以上)は海洋に生息し、個体数が多いために食物連鎖において非常に重要な分類群である。淡水にも、温帯や冷帯を中心に800種以上が見つかっている。陸生のものはそれらに比べれば少ないが、それでも200種以上が海岸の草むらや森の落ち葉の下に生活している。自然界では分解者として、また他の動物の餌として重要である。たとえば河口域において、ヨコエビ類が堆積した落ち葉を食べ分解すると同時に、魚類の餌となっている事例が知られている。人間にとっての利用価値はほとんど無いが、海水魚のネズッポ類マンダリンやタツノオトシゴ・ヤッコなどのエサ用として人工餌に餌付かない場合に貴重で販売店が少ないが購入する。また水槽内に繁殖させている人もいる。カメのカルシウム補給用の餌として販売される。同じヨコエビ亜目でも、分布する環境がちがうと行動もちがう。多くの種は水生の底生生物だが、なかには遊泳するもの、さらには陸生のものもいる。陸上生活をする種類はジャンプ力にすぐれているので、和名が「ハマトビムシ」とつけられた種類が多い(トビムシ目の動物も「トビムシ」と呼ばれるが、ヨコエビ亜目とは同じ節足動物門ではあるものの亜門レベルで異なる別物である)。ハマトビムシのジャンプは脚ではなく、腹部を下に曲げてバネにするのが特徴である。これらは体の数十倍から100倍の高さをジャンプでき、目で追うのもむずかしいほど跳びまわる。水辺の石の下にすむものは体を横に倒して生活するので、和名が「ヨコエビ」とつけられている。石をひっくり返すと腹部を激しく振って泳ぎだすが、深い水中ではふつうに体を立てて泳ぎ、再び石などの下にもぐりこむ。海底にすむものの多くは和名が「ソコエビ」とつけられている。海藻や岩などにつかまるか、砂泥にもぐって生活し、泳ぎもうまい。深海産は複眼が退化しているが、大型化する種も多く、中には20数cmにも達する大型種もいる。いくつかの種で生物発光が確認、報告されている。ただし、独自の発光器官は持たず、ホタルエビ等と同様に発光バクテリアに由来すると推測されている。なお、日本では栗本丹洲の記した『千虫譜』において、ヨコエビの一種と思われる生物が発光するとの記述が見られる。
出典:wikipedia
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