プロ野球中継（プロやきゅうちゅうけい）とは、プロ野球の試合をテレビやラジオで中継放送する番組のことである。本項では、日本の一般社団法人日本野球機構（NPB）によるプロ野球の試合中継について記述する。メジャーリーグベースボール（MLB）の中継についてはメジャーリーグベースボール#テレビ放映権を参照。その後、同年7月に開かれた「日本職業野球連盟結成記念大会」（東京・早稲田大学戸塚球場〔後の安部球場〕）が、東京中央放送局（JOAK。現在のNHK）により放送。大会期間中の全試合を生中継し、特に初日と決勝戦には「神宮球場に烏が2羽、3羽」の名調子でならした松内則三と和田信賢が実況を担当した。これは二人のアナウンサーが掛け合いで同時にしゃべるという試みであった。また、場内に集音マイクを設置してバットの打撃音や観客の声が流れるようにしたが、これは野球中継で集音マイクを設置した最初の例であるという。1951年、実験放送であるが、後楽園球場でのパシフィック・リーグ大映対近鉄、毎日対東急の2試合で日本初のテレビ実況中継が行われた。1952年7月15日、前年に開局した神戸放送（現：ラジオ関西）により民放初のナイター中継が開始。巨人戦が日本テレビで初中継されたのは、開局の翌日である1953年8月29日の阪神戦。これは民放テレビ初のナイター中継だった。同局では1971年に「ワイプナイター」という手法も取った。中継時間終了後も後続番組で画面一部をワイプ処理して中継映像を映すもの。しかし、同年に日本映画監督協会から中止要請が入り、やめることになったという。巨人軍のV9など巨人人気が全国的となり、巨人戦の中継は各キー局が争奪する人気コンテンツとなった。中継ではハード面での新機軸導入が多く、テレビ朝日解説者時代の野村克也は「ノムラスコープ」という配球予測の手法を導入した。中継画面にはストライクゾーンを9分割したものが表示された。日本シリーズがデーゲーム開催だった頃、テレビ中継では、民放とNHKの事実上の平行放送が行われていた事があった。ラジオも同様。しかし2003年頃から裏番組や球界再編騒動の影響を受けて、視聴率が全国放送のレギュラー番組としては打ち切りレベルにまで低下してしまう。てこ入れのために野球とは無関係のゲストを呼び、かえって視聴者から不満の声が上がることも多くなった。加えて放送局側でも編成上のデメリットが問題視されるようになったため、野球中継は地上波から視聴率に影響されにくい衛星放送へ移行された。視聴率低迷の原因として20歳代、30歳代生まれの人たち(団塊ジュニア・ポスト団塊ジュニア)が少年時代にサッカーブームを経験し、バラエティ番組といった裏番組に奪われプロ野球の視聴習慣が醸成されなかったことにあると日本テレビの岡田謙吾プロデューサーは述べている。フジテレビの亀山千広社長は2015年10月23日の定例会見で「系列ネットワーク局にとって宝のコンテンツ」と理解を示す一方で「フジのことだけを考えれば野球中継は苦しい」と述べた。2004年5月2日の試合（対広島戦）が、視聴率20%を超えた「巨人の公式戦中継」最後の試合となっている。2015年8月25日のヤクルト対巨人戦（フジテレビ系列で放送）では3.7％の低視聴率を記録し、近年では昼間の試合でも地上波では放送されないことも多い。その一方、パ・リーグでは本拠地地方移転や地域密着の一環として、地元放送局による野球中継は増加することになった。2010年の日本シリーズはセ・リーグ覇者の中日ドラゴンズとパ・リーグはクライマックスシリーズを制覇したリーグ3位の千葉ロッテマリーンズの対戦となった。しかし、今回は第1・2戦と第5戦が地上波での全国中継がなくなるという（民放全国ネット確立後）史上初の出来事となってしまった。なお、11月6日のこのシリーズ第6戦はフジテレビ系で放送されたが、延長15回まで縺れたため3時間10分に及ぶ大幅な延長により21:00 - 23:10の放送予定だった土曜プレミアム（映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』）が日付を跨いで、日曜0:10 - 2:20まで『土曜プレミアム』として放送された。また、これにより深夜から朝方にかけて放送予定だった一部の番組が休止となった。ちなみに、プロ野球の中継は、サンテレビが1992年9月11日に阪神甲子園球場から中継した阪神対ヤクルト戦が史上最長である。2000年代頃からはインターネットを活用した実況中継を行う事例が多くなりつつある。

出典:wikipedia