療育手帳(りょういくてちょう)とは、知的障害者に都道府県知事(政令指定都市にあってはその長)が発行する障害者手帳である。この手帳の目的は知的障害児・者に対して、一貫した指導・相談等が行われ、各種の援助措置(後述)を受けやすくすることである。身体障害者手帳については身体障害者福祉法に、精神障害者保健福祉手帳については精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に、それぞれ手帳発行に関する記述があるが、療育手帳に関しては知的障害者福祉法にその記述はなく、1973年9月27日に当時の厚生省が出した通知「療育手帳制度について」(厚生省発児第156号厚生事務次官通知。のち、1991年9月24日の厚生省発児第133号厚生事務次官通知として知的障害者に対する旅客運賃の割引制度の適用の関係で一部が改正されている)、同日の児発第725号「療育手帳制度の実施について」に基づき各都道府県知事(政令指定都市の長)が知的障害と判定した者に発行している。このため、障害の程度の区分は各自治体により異なる。18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所が判定を行なう。なお、1999年の地方自治法の改正(施行は2000年4月1日)により、機関委任事務が廃止され、通知・通達により国が地方自治体の事務に関与することはできなくなった。このため、改正の施行日以降、上記通知は法的効力を失っており、療育手帳制度は各自治体独自の施策となっている。1991年に関係諸団体の運動によりJR運賃等の割引制度が設けられた。割引を受けようとする者は、あらかじめ住民票登録をしている自治体の福祉課等で、その旨を証明する印章等を、所持する療育手帳に押印してもらう必要がある。手帳のコピーによる代用はできない。問題点として都道府県や政令指定都市によって障害程度区分に違いがある、障害認定にあたって家族という言葉が目立ち、障害当事者が表面に出てこないなどが挙げられている。知的障害もしくは自閉症(種類は問われない)などに該当されるものなら交付対象となる。軽度の知的障害者でも精神障害者保健福祉手帳の取得は可能であるが、精神障害者福祉法の登録はなく、発達障害者支援センターなどを利用することはできない。従来通り知的障害者福祉法の登録になる。ただし各自治体により対象者、サービス内容は異なる場合があるため、居住地域の福祉担当窓口に問い合わせが必要。知能測定値、基本的生活習慣、問題行動を総合的に判断し、重度「A」と重度以外(中軽度)「B」に分けられたり(青森県)、障害の程度によって、1度から4度に区分される(東京都)。法で定められた制度ではなく、都道府県(政令指定都市)の独自の発行である。下記のように、「療育手帳」以外の名称を使う地方公共団体がある。発達障害者は、都道府県または政令指定都市によっては手帳の取得ができる場合がある。発達障害者が療育手帳による支援を希望しても知能指数の上限値よりも高い場合は交付を受けられない場合が生じている上に、同じような知的障害を持つ発達障害者が、住んでいる地域によって取得できる場合とできない場合があるといった事態が生じている。総務省行政評価局が14道府県及び2政令指定都市の状況を調査したところ、知能指数の上限値がおおむねIQ75と設定しているところとおおむねIQ70と設定しているところに分かれた。設定している知能指数の上限値を上回った場合でも、社会適応能力、専門医の診断結果などを総合的に判定し、交付する場合があるとするものもあるなど、その取組はまちまちであった。このことを踏まえ、総務省行政評価局が厚生労働省に対し、「療育手帳を交付する都道府県等の取組がまちまちとなっていることについて改善を図るべきである」と通知をした。なお、精神障害者保健福祉手帳の交付基準に該当する場合は同手帳の取得ができる。
出典:wikipedia
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