モリクテス綱(Mollicutes、モリキューテス綱、モリカテス綱)は、細菌の綱の一つ。最大の特徴は細胞壁を欠損することである。動植物の寄生体として特殊化しており、一般に細胞やゲノムのサイズが非常に小さい。かつてはウィルスと混同されることもあったが、現在ではフィルミクテス門に近縁な独立の細菌門(テネリクテス門)とする説が一般的である。フィルミクテスに含まれる場合もある。広く知られている生物として、"Mycoplasma"や"Phytoplasma"がこの綱に属している。この綱に属す生物は、大きく見れば、系統的・生化学的に真正細菌と呼ばれるグループに属している。しかしながら、このグループ一般にみられる細胞壁が無く、その構成成分であるペプチドグリカンを合成することもできない。細胞膜が外環境に直接露出しているため細胞に可塑性があり、ラテン語で柔らかい皮膚を意味するmollictes(モッリス/mollis「柔らかい」 +クティス/cutis「皮膚」)と名付けられている(門名Tenericutesは「繊細、柔らかい」を意味するテネル/Tenerに由来)。ただし、細胞膜そのものの強度は他の細菌に比べ強固である。"Mycoplasma"など多くの種は細胞膜にステロールを含んでいる。大きさは0.2-0.6μm程度と非常に小さく、生物として最小の部類に入る。形態は様々な形をとりうるが、細胞壁を持たない割には比較的安定しており、球菌か一部突起のある少し歪な丸い形をしているものが多い。"Spiroplasma"の様にらせん状の形を持つ種もいる。滑走運動はするが、鞭毛をもつ種はない。細胞壁の欠損は浸透圧変化の少ない真核生物組織内での生活に特化しているためと考えられるが、少数ながら自由生活性の種も存在する。培養は比較的難しく、純粋培養可能な種でも豊富かつ多様な栄養素を要求する場合が多い。細胞膜の主要構成成分である長鎖脂肪酸も自力では合成できない種が殆どである。これも細胞壁の欠損と同様、栄養豊富な真核生物組織内での生活に特化しているためで、脂肪酸、アミノ酸、コレステロールなどを宿主に依存する。ゲノムサイズも極めて小さい(60~160万塩基対程度)。フィルミクテスと同様ATリッチである(GC含率25-40%)。グラム染色では陰性になるが、外膜も持たないため系統的にグラム陽性菌に近いと推定されていた。実際"Mycoplasma"はフィルミクテス門に様々な点で似ており、これはゲノム解析からも支持される。歴史的にはフィルミクテス門に含められたり、テネリクテス門として独立させられたりを繰り返してきたが、現在ではテネリクテス門として独立させる場合が多い。主に脊椎動物に感染する。脊椎動物と植物、昆虫に感染する。脊椎動物と植物、昆虫に感染する。ステロールを要求しない。ウシ科やヒツジ科の反芻胃から発見された。偏性嫌気性。無酸素の深海中から発見された自由生活する系統。触手のような突起を持つ。モリクテス綱に含めないこともある。
出典:wikipedia
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