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コンピュータ囲碁

コンピュータ囲碁(コンピュータいご)とは、人工知能研究の一分野で、ボードゲームの囲碁を打てるコンピュータプログラムを作ることを目的とした試みのことを指す。本格的な研究が始まったのは1980年代以降であり、台湾、中国といった囲碁の盛んな国においても研究開発が行われている。日本では、2000年代前半、日本棋院から段級位認定されたことを売りにするアプリケーションがあったが、重要な場面での手抜きなどコンピュータ囲碁特有の弱点が有り実際には級上位レベルであった。(アマ初段を認定されたアプリケーションに手談対局4、最高峰3、最強の囲碁2003、銀星囲碁3がある)。数十年の研究にもかかわらずアマチュア級位者の実力を脱することがなく、これらのプログラムが人間の初段と互先で戦って勝つのはほぼ不可能という評価をされてきた。しかし、2000年代後半に入ってモンテカルロ法を導入することにより、アマチュア段位者のレベルに向上したとされた。2012年にはプロ相手の公開対局で4子局で勝てるようになり、アマチュア6段程度の棋力があると認定されるにいたった。2014年、AI将棋の思考エンジン「YSS」の開発者で、コンピュータ囲碁プログラム「彩」の開発者でもある山下宏は、プログラムの棋力はアマチュア県代表レベルであり、98%のアマチュアは勝つことができず、プロとは4子の手合(将棋の飛香落ちに相当)で、コンピュータ将棋に比べると10年遅れている感じだと述べた。2012年から2015年にかけて、プロ棋士相手の公開対局においては4子を超える手合で勝つことがなく、棋力の伸びが停滞していると考えられていたが、Google傘下の英国・Deepmind社が開発した人工知能コンピュータソフト「AlphaGo(アルファ碁)」が、2015年10月に(フランス)との対局で、史上初となるプロ棋士相手の互先での勝利を収めると、翌2016年3月には世界トップクラスのプロ棋士である李世乭(韓国)との五番碁にも勝利し、人類のトップクラスに一気に並び追い越した。コンピュータ囲碁の研究はアメリカで始まった(1962年Remusによるコンピュータ囲碁の論文「囲碁の好手、悪手に関する研究」)。最初に19路盤で動作するプログラムを書いたのは1969年のアメリカのZobristで、この時の棋力は38級程度(囲碁のルールを覚えた程度の棋力)であった。70年代に入って、置かれた石の周辺に発生する影響力を関数として扱う手法や、石の生死を判定するアルゴリズムなどが生まれた。1979年には、攻撃と防御の基本的戦略と、完全につながった石を「連」、つながってはいないがひと塊の石として認識できる石の集まりを「群」として扱う階層パターンを持った囲碁プログラムInterim.2が15級程度の棋力を発揮した。1984年に、初めてのコンピュータ囲碁大会USENIXが開催される。翌1985年、台湾の応昌期が設立したING杯(1985-2000)は2000年までに互先で人間の名人に勝てば4000万台湾ドル(約1億4千万円)の賞金を出したことで有名になった。80年代のソフトでは、アメリカの「Nemesis」「Go Intellect」、台湾の「Dragon」、オランダの「Goliath」などが有力で、日本の第五世代コンピュータでも人工知能応用ソフトとして「碁世代」が開発された。また、この頃から、商用囲碁ソフトが販売されるようになった。90年代になると中国の「Handtalk」、「Silver Igo」などがアマチュアの級位者上級並みの棋力に到達した。また、日本での大会としては、FOST杯(1995-1999)、世界コンピュータ囲碁大会 岐阜チャレンジ(2003-2006)などが開催された。初期のコンピュータ囲碁のアルゴリズムは、人間の思考に近い手法を採用していた。まず、石の繋がり・地の大きさ・石の強さ(目の有無)などからある局面の状況を評価する静的評価関数をつくる。次に、評価関数の結果を元に石の活きを目指す・相手の石を殺す・勢力を拡大するなどさまざまな目的の候補着手を導く。もしくは、定石・布石・手筋などのデータベースを参照する知識ベースの手法により候補となる着手を作成する。各着手についてその後、数手進めた局面を評価関数によって評価する(ゲーム木探索)。到達局面での評価を元にミニマックス法により互いの対局者が最善手を選択した場合の現局面における各候補着手の優劣の評価を行い着手を決定する。その際、アルファベータ法を採用し、有望ではない着手の先読みを途中で打ち切り、有望な手を深く読む工夫を施した。1993年、ランダムな候補手で終局まで対局をシミュレーションし(プレイアウトという)、その中で最も勝率の高い着手を選ぶというモンテカルロ法を応用したアルゴリズムを持つ囲碁プログラムが登場した。当初は、コンピュータの性能が低かったことと、単純にランダムな着手によってプレイアウトを行ったため従来の手法を持ったプログラムより弱かった(原始モンテカルロ碁)。2000年代後半になって、ゲーム木探索とモンテカルロ法を融合し、勝率の高い着手により多くのプレイアウトを割り当てプレイアウト回数が基準値を超えたら一手進んだ局面でプレイアウトを行う「モンテカルロ木探索」を実装した囲碁プログラム「Crazy Stone」が登場し、パソコンの計算能力の向上もあいまって格段の棋力向上を果たした。2006年、「Crazy Stone」が第11回コンピュータオリンピアードの9路碁部門で優勝すると、急速にその手法が広がり他の多くのソフトウェアも同様のアルゴリズムを採用した。2007年に開催された第1回UEC杯コンピュータ囲碁大会で優勝した「Crazy Stone」(2011年から『最強の囲碁』として市販)は、エキシビジョンマッチでプロ棋士の青葉かおり四段(以下、段位・称号は対局当時のもの)との8子局に勝った。翌2008年第2回大会優勝時には青葉との7子局で勝ち、同年8月には情報処理学会のイベント「第7回情報科学技術フォーラム」でトッププロの王銘琬九段と対局し、19路盤の8子局で中押し勝ち、9路盤の黒番互先で1目勝ちをおさめた。王はこの対局を振り返って、「十九路盤の棋力を判定するならアマ三段ぐらいだが、まだ底知れない力を秘めている」「プロレベルまで、十年以内で来るのではないか」と評価している。また、2008年3月には、パリ囲碁トーナメントのエキシビジョンで、モンテカルロ碁の「MoGo」がタラヌ・カタリン五段と対戦し19路盤では9子のハンデをもらって敗れたが、ハンデなしの9路盤で3局対戦し1局に勝利した。2009年8月には、同年5月に開催された「第14回コンピュータオリンピアード」の優勝プログラム「Zen」(『天頂の囲碁』として市販)が、王銘琬から9路盤黒番コミ2目半で勝利した。Zenも実力をアマチュア三 - 四段と評価されており、王は「従来の囲碁ソフトは読み切れる局面で力を発揮したが、このソフトは読み切れないような難しい局面において力を発揮する」と評価した。2010年10月には、第15回コンピュータオリンピアードの優勝プログラムである台湾の『ERICA』と藤沢里菜初段の対局が6子局で打たれ、結果は藤沢の中押し勝ちとなった。ERICAは序盤に悪手を連発したものの、中盤からは独特の手を打ち、藤沢は「最初は順調だったが、途中から定石にない手を時々打たれて難しくなった」と対局を振り返った。2011年12月には、第5回UEC杯コンピュータ囲碁大会のエキシビションとして、優勝した「Zen」と鄭銘瑝九段、準優勝の「ERICA」と小林千寿五段の対局が持ち時間30分の6子局で打たれ、ERICAは敗れたがZenは中押し勝ちした。鄭はZenについて「アマチュア四段以上はある」とその実力を評価した。2012年2月25日には、ライブストリーミングサイト「ニコニコ生放送」の企画で、Zenと二十四世本因坊秀芳(石田芳夫九段)の13路盤対局が、Zenの黒番コミなしで打たれ、結果は石田の中押し勝ちとなった。石田はZenの実力について、19路盤なら5子差程度ではないかと語った。2012年3月17日には、電気通信大学のイベントで、Zenと大橋拓文五段との9路盤対局、同じくZenと武宮正樹九段との19路盤対局が行われた。大橋との対局は持ち時間20分、コミ7目で黒と白を入れ替えての2局打たれ、ZENの黒番では大橋の中押し勝ち、白番ではZenの5目勝ちとなった。武宮との対局は持ち時間30分、一局目が5子局、2局目が1局目の結果を受けての一番手直りで打たれ、1局目はZenの11目勝ち、4子局となった2局目はZenの20目勝ちとなった。2012年11月25日には、電気通信大学のイベントで、Zenと蘇耀国八段、大橋拓文五段、一力遼二段の3名が9路盤で対局した。対局はプロ一人がそれぞれ黒と白を1局ずつ持って計6局、黒番コミ7目の持碁有りで打たれ、プロの6戦6勝となった。盤面の小さな9路盤はコンピュータに有利な舞台ではあったが、プロ側は事前研究を重ね、また、一力が劣勢から逆転した第1局の勝利からもヒントを得て全勝を果たした。2013年からは「電聖戦」が開催されることとなった。これはその年のUEC杯コンピュータ囲碁大会で決勝に進んだ2つのプログラムが、日本棋院のプロ棋士とハンデ付きで戦うというものである。第1回大会では石田芳夫が4子局で戦い、Zenには中押し勝ちしたもののCrazy Stoneには3目負けした。石田はCrazy Stoneを「アマ六段くらいの力は十分ある。ただ、プロレベルにはまだまだ」と評した。大会実行委員長の伊藤毅志は「プロレベルになるのは約10年後」と語った。2014年2月11日には、コンピュータ将棋と人間が対局する棋戦「将棋電王戦」を主催するドワンゴが、囲碁版となる「囲碁電王戦」を電気通信大学の後援で開催した。第1回では、張豊猷八段と平田智也三段がZenを相手に9路盤でそれぞれ黒と白を1局ずつ持ち、合計4局が互先先番コミ6目半、持ち時間20分・秒読み30秒で打たれ、人間側の4戦4勝となった。Zenの開発者である加藤英樹は「プロ棋士にもミスがあったが、チャンスを生かすことができなかった。これまではコンピューターが打つ手の意外性で人間と戦ってきたが、研究を重ねられて通用しなくなってきたようだ。ソフトに改良を加え、来年こそは勝ちたい」と語り、張は「コンピューターの打ち方を学んでいたからこそ勝てたが、小さい碁盤ではプロとコンピューターは、ほとんど互角だと思う」と感想を話した。また、第1回電王戦では世界アマチュア囲碁選手権戦 日本代表決定戦連覇の実績を持つ江村棋弘とZenの13路盤対決、政界きっての打ち手とされる小沢一郎アマ6段とZenの19路盤対決も行われており、13路盤対決は白黒を入れ替えて2局行われたがいずれも江村の勝利、1局のみ行われた19路盤対決ではZenの勝利となっている。Zen開発チームの代表・加藤英樹は「小沢さんとの一戦では、厳しい手を選ぶことが多いZenが(人間のように)囲い合っていたのは新たな発見。19路でプロと互角に戦うのは大変だが、9路では10年程度で追いつきたい」と話した。同年7月26日、ニコニコ囲碁サークルにおいて、小沢一郎同様政界の強豪である与謝野馨アマ7段とZenの対局が行われ、Zenが勝利している。2014年3月の第2回電聖戦では、依田紀基九段がCrazy Stone(UEC杯準優勝)、Zen(UEC杯優勝)と向4子局(下手半目コミ出し)を打ち、Crazy Stoneに2目半負、Zenに中押し勝ちと、第1回とほぼ同じ結果に終わった。2014年12月の時点ではコンピュータが人に勝つのは10年後になるのではと予想されていた。2015年1月には世界最強銀星囲碁15と井山裕太名人が向4子局を2局打ち、井山が2勝した。PCのスペックはCPU: Core i7-5960X 8コア 3.0GHz メモリ: 16GB、第1局は白30目勝ち、第2局は白1目勝ちだった。2015年3月の第3回電聖戦では25世本因坊治勲(趙治勲マスターズ)がCrazy Stone(UEC杯優勝)と向3子局、Dolbaram(UEC杯準優勝)と向4子局を打ち、Crazy Stoneに中押し勝ち、dolbaramに中押し負けした。2015年5月には、人工知能学会全国大会において下坂美織二段がZenと3子局を打ち、下坂が中押し勝ちした。2015年11月に行われたミリンバレー杯世界コンピューター囲碁トーナメントではDolBaramが優勝し、エキシビションマッチで中国棋院所属棋士の連笑七段(中国名人)がDolBaramと向4子局からの一番手直り3番勝負を行うことになった。結果は連笑が4子でDolBaramに中押し勝ち、5子でDolBaramに中押し勝ち、6子でDolBaramに中押し負けであった。2016年1月28日、Googleの完全子会社であるイギリスのGoogle DeepMind社が開発した、ディープラーニングの技術を用いた人工知能(AI)のコンピュータソフト「アルファ碁(AlphaGo)」が、2013年から2015年まで欧州囲碁選手権を3連覇した樊麾二段と対局し、5戦全勝したことに基づく研究論文がイギリスの科学雑誌ネイチャーに掲載された。囲碁界でコンピュータがプロ棋士に互先で勝利を収めたのは史上初である。対局は2015年10月5日から10月9日にかけて、互先コミ7目半の中国ルール、持ち時間60分で切れたら1手30秒、ただし30秒単位で合計3回の考慮時間の条件で5局打たれ、1局目で白番のアルファ碁が2目半勝ちした後はいずれもアルファ碁が中押し勝ちした。またこの論文では、アルファ碁と市販版のCrazyStoneやZenなど5種の既存のソフトウェアが1手5秒の条件で対局し、495戦して494勝の成績を上げたこと、およびCrazyStone、Zen、Pachiの3ソフトに4子のハンデを与えてそれぞれに77%、86%、99%の勝率を上げたことを報告した。ソフト同士の対局を行ったアルファ碁のハードウェアはCPU48、GPU8の構成であるが、開発チームはCPU1202、GPU176からなる分散コンピューティングでもアルファ碁を稼働しており、こちらは前者に対して勝率77%を上げ、プロ五段の実力があると推定しており、樊麾に対して勝利したのはこの分散コンピューティングによるものである。同時にGoogleは、2016年3月にアルファ碁が韓国の第一人者である李世乭九段と五番碁を打つことを発表した。五番碁の詳細については2月22日にソウルで行われた記者会見において公表され、対局は3月9日から15日までの1週間のうち5日間に1日1局ずつ、どちらかが先に3勝しても必ず第5局まで打たれ、持ち時間はチェスクロックを使用しての双方2時間で切れたら1手1分、ただし1分単位で合計3回の考慮時間があり途中休憩はなし、コミ7目半の中国ルールで打たれる。Googleが李に支払う金額は、対局料として15万米ドル、五番碁に3勝して勝利した際の賞金が100万米ドル、それとは別に1局勝つごとにボーナスが2万米ドル(支払いは1米ドル=1100韓国ウォンの固定レートで行われる)、アルファ碁が五番碁に勝利した際は100万米ドルをUNICEF、STEM教育(Science=科学、Technology=技術、Engineering=工学、Mathematics=数学)および囲碁関連慈善団体に寄付するとされた。対局はアルファ碁が先に3勝をあげ、通算成績4勝1敗で勝利した。2016年2月には、Zenと伊田篤史十段が4子局を打ち、Zenが中押し勝ちした。2016年3月1日には、ドワンゴが日本棋院の協力を得て、世界最強の囲碁AIを目指す「DeepZenGoプロジェクト」の発足を発表した。Zenの開発者である尾島陽児と加藤英樹を中心に、ディープラーニングを専門とする東京大学の松尾豊研究室、コンピュータ将棋ソフトPonanzaの開発者である山本一成らが参加し、ドワンゴは自らの有するディープラーニング専用GPUサーバファームを提供し、半年から1年でアルファ碁に対抗しうるコンピュータ囲碁の開発を目指す。記者会見に出席した加藤は、現段階でZenはアルファ碁に対して勝率は3から4%と推定されるが、両者の差は開発環境におけるハードウェアの物量と性能差によるところが大きいとし、アルファ碁に匹敵する環境を得られれば1年で追いつき追い越すことも可能であると述べた。2016年3月の第4回電聖戦では、小林光一名誉棋聖がZen(UEC杯優勝)、darkforest(UEC杯準優勝)と向3子局を打ち、Zenに4目半負け、darkforestに中押し勝ちした。Zenはアルファ碁以外のコンピュータ囲碁として初めて公開の場で3子局でプロ棋士に勝利した。2016年6月7日には、第30回人工知能学会全国大会のイベントとしてZenと武宮陽光六段の2子局が打たれ、Zenが9目半勝ちした。Zenはアルファ碁以外のコンピュータ囲碁として初めて公開の場で2子局でプロ棋士に勝利した。2016年1月に日本棋院は「第1回13路盤プロアマトーナメント戦」を開催し、アマチュア予選にコンピュータ囲碁ソフトが参加可能であること発表した。同年6月に開催されたアマチュア・コンピュータ代表決定トーナメントでは、同年UEC杯優勝のZen、4位のAya、6位のCGI、7位のRayの4ソフトが参加しアマチュア棋士と本戦進出を争ったが、予選通過に5連勝が必要な中、Zenが3勝、その他3ソフトが1勝するにとどまり、予選通過はならなかった。このような理由により、悲観的な見方では21世紀中に名人に勝てるコンピュータソフトは現れないだろうと言われていた。限られた範囲内の死活を問う詰碁ではしらみつぶしに着手を探ることでプロ級の評価が挙がるプログラムはあったが、実戦の死活は詰碁になっている部分から石が長く連なっている場合も多く、その先で一眼できる可能性があったり、他の生きた石と連絡が残っている場合がある。更に、仮に石が死ぬケースであってもフリカワリでそれに代わる利得がある場合などもあり、しらみつぶしに調べるには手数が膨大で不可能である。このため、あらゆる手を読まなければならない複雑な中盤になると、途端に弱くなる。特に厚みをどう評価するかは人間のプロにも非常な難題であり、これをプログラムに組み込むことはきわめて難しかった。一方、囲碁は将棋などに比べて最善手と次善手、三番手の差が小さく一本道の攻防が少ないという特徴から、ランダムなプレイを多数回行って勝率を調べることで形勢を評価することが可能である。したがって、その性質を利用したモンテカルロ碁の登場により、2009年にはこの段階でアマチュアの最上位者やプロ目前の奨励会員三段と同等の棋力と評価されていたコンピュータ将棋よりも先に、プロ最上位者に勝つのではないかとする見解も現れた。また、モンテカルロ碁では、従来の評価関数を用いるアルゴリズムに比べて、ソフト開発者の棋力がそれほど必要ないそのため、研究者の裾野の広がりが期待できるとされた。モンテカルロ碁は、終局までをシミュレーションし、勝率の高い着手を選択する。したがって、計算力が棋力に大きな影響を与える。このことから、プレイステーション3を8台使用するソフト「不動碁」が現れるなど、計算機の廉価化も棋力向上の要素となっている。また、アルゴリズムの改良により、木探索の効率化も図られている。具体的には、石の配置などから良さそうな手を判断し、優先的もしくは限定的にプレイアウトを行う方法、終局図に至る手順を考慮せずすべての着手を1手目とみなすことにより1回のプレイアウトで数十倍のプレイアウト結果を得たと仮定してプレイアウト回数を稼ぐ方法などがある。モンテカルロ碁の弱点として、死活やシチョウなど「正解手順はたった一つでかつ長手順だが、正解手順とそれ以外の手順に極めて大きな結果の差が生じるような」手順を見つけにくい点がある。単純なランダム着手によるプレイアウトでは弱いが、着手点を絞るためには手の評価を行わねばならず、正確な評価をしようとするほど、リソースを消費し、プレイアウトの数を減らさざるを得ないという矛盾が生じる。このため、パターンの少ない小碁盤であるほど、一般にその棋力は向上する。他方で、目算が苦手であるなどの問題点も明らかとなっている。こうした問題点は将棋ソフトがプロ棋士を次々と下している(将棋電王戦に関する記述を参照)中で、19路盤はおろか13路盤でもアマの日本代表クラスに歯が立たないなど、囲碁における棋士の優位はしばらくの間揺るがなかった。このため、モンテカルロ法も限界に近付いており、新手法の発見がなければプロ棋士の優位を揺るがすのは難しいとする開発者サイドの見方もあった。その後、着手を絞る方法をいかに簡素で効果的にするか、もしくは、プレイアウトの数を稼ぎいかに有効な手に深くモンテカルロ木探索を延ばすかというアプローチで、モンテカルロ碁の研究が進んでいた。2015年10月に非公開で行われていた対局でGoogleが開発したコンピュータソフト「アルファ碁(AlphaGo)」が、欧州のプロ棋士であるファン・フイ(中国ではプロ二段)と対戦し、5戦全勝していたことが2016年1月28日に各報道機関を通して伝えられた。アルファ碁はモンテカルロ木探索にディープニューラルネットワークを組み合わせており、自ら対局を繰り返して試行錯誤し強化学習を行った。その結果、アルファ碁は他の市販ソフトに500局中499局で勝利を収めるほどの実力に達し、他のソフトがトッププロ棋士に3子置いても勝つのが難しいという状況から驚異的なブレイクスルーを果たすこととなった。

出典:wikipedia

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