局所密度近似（きょくしょみつどきんじ、, LDA)は、密度汎関数理論に基づくコーン・シャム理論に現れる交換相関エネルギーに対する近似のひとつ。コーン・シャム理論に基づく計算を実際に行う為にはコーン-シャムの交換・相関エネルギーformula_1が与えられなくてはならないが、その厳密な表式を得ることは困難であると考えられている。そこで次のような関数形を仮定する。ここで、formula_3は電子の電荷密度（電子密度）である。この関数形でformula_1を近似することが局所密度近似と呼ばれるものである。この仮定では空間の各点で（つまり局所的に）電子の交換・相関エネルギー密度formula_5が決まっており、formula_5はその場所の電子密度formula_3だけの関数になっている。ホーヘンベルグ・コーンの定理によれば、このformula_1は取り扱う系に依存しない普遍的な関数である。よって、もし局所密度近似が妥当であれば、formula_5は（計算しやすい）一様電子系について求めた値でも、実際に計算したい系の値でも同じはずである。このようにして、一様電子系についてもとめたformula_5を用いることが正当化され、実際の計算に用いることができる。実際に用いられるformula_5の関数形は、厳密に求められる低密度、高密度の極限からの外挿によるものや、モンテカルロ法を使ったものなどがある。

出典:wikipedia