都道府県民歌(とどうふけんみんか)は、日本の都道府県が制定し、各都道府県内において歌い継がれている歌の総称である。都道府県歌、もしくは都道府県民の歌と呼ばれる場合もある。日本では、44の都道府県が告示などの方法により公式な都道府県民の歌を制定もしくは指定している。1945年(昭和20年)の終戦後に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)の奨励を受けて作られた歌もあるが、起源を明治時代に持つ歌や1980年代以降に作られた歌など、GHQの奨励とは無関係に作られた歌もある。最も多いのは、都道府県旗と同様に国体の開催に合わせて制定された事例である。演奏の機会は都道府県が主催する行事や国民体育大会が主で、他に都道府県庁の始業時間と終業時間を知らせる庁内放送や電話の保留音・着信メロディに使われる事例も見られる。住民にさえ余り知られていないことが多い一方で、長野県の「信濃の国」のように県内で圧倒的な認知度を誇り「県民なら歌えて当然」という曲もある。また、神奈川県では県歌「光あらたに」よりも森鴎外(森林太郎名義)が作詞した「横浜市歌」の方が圧倒的に認知度が高いとされる。都道府県の告示により制定され、都道府県主催の行事において都道府県旗の掲揚と一対で演奏されるものを都道府県歌ないし都道府県民歌と称し、それ以外のキャンペーンソングやイメージソングを愛唱歌と呼んで区別することが多い。ただし、両者の間に明確な区別はなく行事で演奏される正式な県民歌以外のキャンペーンソングやイメージソングが「県民歌」や「県民の歌」と呼ばれることも珍しくない。「佐賀県民の歌」に対する準県歌(イメージソング)「風はみらい色」と愛唱歌(さが・ふるさとの歌)「栄の国から」や「熊本県民の歌」に対する「火の国旅情」などがこれに該当する。この他、当然ながら非公式だが兵庫県・大阪府における「阪神タイガースの歌(六甲おろし)」や福岡県における「いざゆけ若鷹軍団」のように地元のスポーツチームの応援歌などが「県民歌的存在」「準県民歌」と称される場合がある。北海道・青森県・宮城県・秋田県・東京都・神奈川県・富山県・山梨県・静岡県・岡山県・山口県・佐賀県は複数の曲を制定もしくは指定している。その多くは制定・指定された時期が異なっており、宮城県のように戦前の県民歌を封印せず「愛唱歌」扱いとして戦後に新県民歌を制定した事例や、山梨県や岡山県のように正式な県民歌の制定後に新しく愛唱歌やイメージソングを作成した事例などがこれに該当する。特異な例は3曲を同時に「北海道民のうた」として制定した北海道と、戦前・戦後の2曲を現在も正式な県民歌として並立させている秋田県である。また、山形県の「スポーツ県民歌」のようにスポーツに限定した曲(体育歌)を別に制定したり、大分県の「大分県民体育の歌」のように県民歌は未制定でスポーツ限定の曲のみが指定されている場合もある。この他、埼玉県・千葉県・奈良県・福岡県・長崎県などで県民音頭が制定されている。2012年(平成24年)現在、大阪府・広島県・大分県は都道府県民歌を制定していない。ただし、大分県には過去に県の発行物で県民歌に準じた扱いで紹介されていた非公式の曲が存在する。大阪府と広島県はそれぞれ1996年(平成18年)のひろしま国体、1997年(平成19年)のなみはや国体開催に合わせて体育歌や府旗掲揚場面演奏歌を制作しているが、いずれも認知度は低いか無いに等しいのが実情である。兵庫県は長年にわたり「未制定」とするのが通説であったが、実際は1947年(昭和22年)に「兵庫県民歌」が制定されていたことが神戸新聞社の取材で明らかになった。県は2014年(平成26年)までこの県民歌の存在を否定し続けていたが、廃止の事実は確認されていない。旧外地のうち台湾では、台北州・台中州・台南州など一部の州が内地(日本本土)の県民歌に相当する州歌を制定していた。朝鮮の13道および関東州では道歌・州歌の制定は確認されていない。1943年(昭和18年)に内地へ編入された樺太では、樺太庁が「樺太島歌」を制定していた。県の発行物やウェブサイトにおいて県民歌に準じた扱いで紹介されている非公式の曲についても参考として掲載する。また、体育歌に関しては特記事項のあるものを掲載する。民放によっては、放送開始・終了時などに都道府県民歌を流す局がある。
出典:wikipedia
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