ウェールズ語(, , y Gymraeg (定冠詞つき))は、ウェールズで話されている言語で、ケルト語派ブリソン諸語に属する。コーンウォル語やブルトン語と同じガロ・ブリトン語群Pケルト語に属する。一方、アイルランド語(ゲール語)、スコットランド・ゲール語、マン島語は、ゴイデル語群Qケルト語に属する。Qケルト語とは、kwという音を文字q(後に文字c)で書いたからであり、一方Pケルト語とはkwの音が文字pで表される音に転化したからである。ウェールズ語名の Cymraeg がカナ表記されることは稀だが、日本カムライグ学会では Cymraeg を「カムライグ」、「ウェールズ」の意味の Cymru を「カムリ」としている。英語ではウェールズ語のことを Welsh のほか、Cymric(キムリック)とも呼ぶ。ローマ人によるグレートブリテン島支配以前に、大陸よりわたってきたケルト人により伝えられたと考えられている。1284年のエドワード1世によるイングランド支配、1536年のイングランドのウェールズ併合以降、ウェールズにおいても英語が公用語とされ学校などでも話すことが禁止された(Welsh Notも参照)。また、ウェールズ語に対する偏見・差別などにより、ウェールズ語を話す人は減り続けた。しかし、20世紀になるとウェールズ語の保存運動が盛んになり、徐々にウェールズ語を話せる人が増えてきた。現在のウェールズでは、ウェールズ語は英語と並んで公用語とされる。道路標識や公文書は、2言語で表記されている。例えば、イングランドから鉄道または自動車でウェールズに入ると、国境付近に設置された看板には、2言語で『Welcome to Wales』『Croeso i Gymru』(クロイソ イ ガムリ)と書いてある。南部ではあまり話されないが、中北部では日常的に話される地域が多い。ただし、方言の差異が大きく、北に行くほど古い由緒正しい形を残している傾向がある。特にウェールズ最高峰であるスノードン(Snowdon)付近のグウィネズ(Gwynedd)地方でウェールズ語の話者が多い。この地域では、子供達が英語を習うのは小学校に入学してからのことであり、それまでは一般に、家族や近隣の友達とウェールズ語で会話している。2001年現在、ウェールズ人全体の20.5%がウェールズ語を話すことができる。ウェールズにおいて、ウェールズ語を話す人口の割合は20世紀以降著しく減少しているが、人口増加により、ウェールズ語を話す人の絶対数は減少傾向が止まり、微増になっている。その主な理由は、小中学校でウェールズ語教育が実施されていることと、ウェールズ語によるTVプログラム(BBC WalesやHTV(現ITV Wales), S4Cによる)が放送されていることによる。ウェールズ以外では、19世紀中盤の移民に起源を発するアルゼンチン・チュブ州(パタゴニア地方)のウェールズ系住民のうち、約1,500人がウェールズ語の話者である。ウェールズ語の単母音には音声として次のものがある。このうち および の音素は北部方言にのみ現れ、南部ではそれぞれ および にとって代わる。上表はあくまで音声を正確に表記したものであり、音韻としては(曖昧母音 をのぞいて)次のように母音の長短の対応関係がある(「短 - 長」の順に並べてある)。二重母音としては次のものがある。ウェールズ語の子音には、音韻として下表のようなものがある。同じ枠内に2つあるものは、左が無声音、右が有声音である。ウェールズ語ではラテン文字が用いられる。アルファベットは次のとおりである。y, w は半母音 , を示すこともあるが、基本的には母音 または , をあらわす。サーカムフレックス ( ˆ ) は母音字の上につけて長母音であることをあらわす(例: dŵr 水)。ただし長母音に対して常についているわけではなく、つくかどうかは単語による。j, k, q, x, z は外来語にのみ使用され、そのため上記のアルファベットには通常加えられない。しかも、j を除けば、他の文字(c および s)に代替される傾向がある。語順は基本的にVSO型になる。時制によって迂言文か屈折文のどちらかになり、存在動詞"bod"の活用形を助動詞とし本動詞を動名詞とするのが迂言文で、"bod"を使わず本動詞の活用形を使うのが屈折文である。名詞は、性(男性・女性)・数(単数・双数・複数)によって変化するが、格による変化は存在しない。複数形は語尾変化するもの、母音変化するもの、その両方などいくつかのパターンに分かれる。
出典:wikipedia
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