稲垣 つる女（いながき つるじょ、生没年不詳）とは、江戸時代の浮世絵師。出自・経歴は不明。作品にある落款と印章から、その名と字が「千齢」であることが知られる。画風に月岡雪鼎の影響が強く認められ、雪鼎の門人といわれるが明らかではなく、また大坂生れともいわれているが、それも何らかの根拠があってのことではない。ただし残されている作が雪鼎の画風であることから、つる女も大坂で活動していた人物だったと見られる。代表作として明和のころの作とされる「人形遣図」があり、若い女が虚無僧の人形を遣う姿を描く。つる女による人形を遣う人物を描いた絵は複数知られており、東京国立博物館所蔵のものと出光美術館所蔵のもの、個人所蔵（『肉筆浮世絵』第九巻所載）のもの3点である。

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