シャルル・ド・ゴール (Porte-avions Charles de Gaulle, R 91) は、フランス海軍の持つ10番目の航空母艦。同海軍初の原子力水上艦で、アメリカ海軍以外では唯一の原子力空母である。フランス海軍では、クレマンソー級2隻(「クレマンソー」と「フォッシュ」)が1960年代前半に就役していた。これらの艦の後継艦研究は1970年代半ばには開始され、原子力航空母艦としてシャルル・ド・ゴール級が建造されることとなった。本艦はヨーロッパの海軍では唯一の正規空母であり、アメリカ海軍の空母と同じように蒸気カタパルトを備える。デザインは正規空母としてはじめてステルス性を考慮したものとなり、エンクローズ型艦首から艦尾に渡って飛行甲板が設置され、カタパルトは艦首側とアングルド・デッキ側にそれぞれ1条ずつ設置された。本艦は飛行甲板のスペースを狭めないために右舷側のアイランド、左舷側のアングルド・デッキや舷側エレベーターなどは左右にオーバーハングさせた設計である。アイランドはステルスのため上方に向かって幅が増える形状である。蒸気カタパルトはアメリカ製のC-13である。着艦にはアングルド・デッキ上でアレスティング・ワイヤーを使用する。アメリカ海軍の空母がカタパルト4基、エレベータ4基、艦載機約80機を搭載するのに対して「シャルル・ド・ゴール」はカタパルト2基、舷側部が長い台形状のエレベーター2基、格納庫内に艦載機約40機とちょうど半分程度の能力となっている。船体の寸法は修理用ドックと建造費の関係から前級と同程度に抑えられ、排水量は約10,000トン程度増加したが船型を肥やして対処したために安定性が増している。水面下には電子制御されたアクティブ・フィン・スタビライザー、舵、移動式バラストの組合せにより、シーステート5から6の荒れた海でも航空機を運用できる優れた船体安定性を備え、船体の横揺れ(ローリング)を0.5度以内としている。艦尾には中心線上に1枚舵を挟み込むように4枚羽のスクリュープロペラが片舷に1軸の計2軸推進である。フランス海軍はレーダーや艦載機、艦対空ミサイルなどは基本的に国産となっているが、カタパルトはアメリカ製のC13-3型蒸気カタパルトと早期警戒機としてE-2Cを輸入し使用している。防空ミサイルにはアスター15とミストラルの2種類のミサイルを装備し高い防空能力を持つ。冷戦終結後のアメリカ海軍、ロシア海軍では、空母の核兵器は降ろされたが、フランス海軍の空母は搭載する航空機に核攻撃能力を与えていて、原子力潜水艦の戦略核兵器と合わせて現在でも重要な任務の一つとされている。2013年現在、核兵器を所有している国で、空母に核兵器を搭載している国はフランスのみである。現在ではシュペルエタンダールに核ミサイル「ASMP」が搭載可能で、将来的にはラファールMに任務が引き継がれる。1989年4月14日、DCNブレストの海軍造船所で建造が始まり、当初はリシュリューと命名されたが(この艦名は後に同型2番艦に命名されることが考えられたが2番艦は計画のみで結局建造中止となった)ジャック・シラク首相(当時)の介入でシャルル・ド・ゴール(フランス第五共和政初代大統領)に変更された。フォッシュの退役にあわせ当初は1996年に就役させる予定であったが、冷戦終結による予算削減の影響で工期が遅れ1994年5月7日に進水、就役予定は1999年に変更となった。しかし、その後1996年に原子炉の強度不足が発覚し補修、1998年から海上公試が行なわれた。また2000年には搭載予定のE-2C双発機を運用するにはアングルド・デッキがやや短いことが判明したため、これを4m伸ばす工事を行うなど予定外の工事が発生し就役は遅れた。最終的に2001年に本艦は就役した。2000年9月28日に太平洋横断中にプロペラブレードを一枚失い、修理のためドック入りとなった。2001年5月18日正式に再就役し、同年9月の不朽の自由作戦におけるアフガニスタン作戦の支援のため、インド洋に派遣された。スエズ運河を通過して、同年12月9日カラチ南方海上に到着した。アメリカ軍司令部CENTCOMの指揮下で艦載機のラファールM、シュペルエタンダールなどが140回に及ぶ偵察・空爆作戦を行った。2002年3月には一時休養のためシンガポールに入港し、7月1日トゥーロンに帰港している。2003年5月8日には記念切手が発行されている。2007年から2008年にかけて、燃料棒交換を含む、オーバーホールを行なっている。2011年にはアラブの春が勃発したためリビアに派遣され、ラファールMやE-2Cホークアイが哨戒飛行に従事した。2015年1月14日イラクで過激組織ISILを標的とした空爆作戦に投入されることが決定、ペルシャ湾に移動後2月22日より攻撃が開始された。
出典:wikipedia
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