英雄たちの朝 ファージング I (えいゆうたちのあさ ファージング わん)は、作家ジョー・ウォルトンの2006年の小説で、第二次世界大戦で英国がナチス・ドイツと講和した後の世界を描いた歴史改変SF小説3部作の第1作である。ナチス・ドイツはソビエト連邦と独ソ不可侵条約を締結し、アメリカ合衆国は孤立主義を深め、ポーランド、フランス、ベルギー、オランダ、デンマークは既にナチス・ドイツの支配下に入っていた世界状況下で、英国は大陸のダンケルクの戦いで大敗を喫し、フランスの降伏後はフランスの基地に進出してきたドイツ空軍からの攻撃を被ることとなり、ドイツ軍の英国本土上陸も間近かと思われていた。1941年5月10日にナチス・ドイツの副総統ルドルフ・ヘスが航空機で英国を訪問し、講和の交渉にやってきた。ウィンストン・チャーチルは抗戦論を唱えていたが、「ファージング・セット」と呼ばれる一部の政治家、軍人、大資本家、貴族で構成される政治派閥はこれに応える道を選択した。ファージング・セットの一員であり、ヘス問題を担当した外務省スポークスマンのジェイムズ・サーキーは、ヘスと共にベルリンへ赴き、和平交渉をまとめ上げた結果、英独間の戦争は終わった。この講和の成立によりファージング・セットの政治的立場は強固なものとなっていった。講和後にサーキーの扇動工作もありドイツはソ連と戦争状態に入った。その一方で中国で戦いを続ける日本はアジア地域で「東亜共栄圏」を築き、アメリカ合衆国に接近を図っていた。1949年5月、政治派閥「ファージング・セット」の中心的存在の貴族院議員チャールズ・エヴァズリーの邸宅で催されていたパーティに出席していた下院議員で現職の教育大臣ジェイムズ・サーキーが何者かに殺された。死因は絞殺と思われたが死後に短剣が布片と共に胸に突き立てられ、その周辺には口紅が塗りたくられていた。布片にはダビデの星が刺繍されており、それはドイツの占領地域でユダヤ人が着用を義務付けられているものであった。スコットランドヤードからピーター・カーマイケル警部補が捜査に派遣されてきた。ナチス・ドイツとの講和の立役者であるサーキーを殺す動機をユダヤ人が持つことに疑問はなかったが、現場に残されたあからさまな証拠物件に疑問を抱きつつカーマイケルは捜査を進めていた。すると関係者が邸内に留め置かれ順番に事情聴取が行われている間に領地内で乗馬をしていたエヴァズリー父娘が狙撃された。エヴァズリー卿がウサギ狩り用に所持していたショットガンで応戦し犯人はその場で射殺されたが、今度の犯人は共産党の党員証を所持していた。
出典:wikipedia
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