スプーンとは、食品や薬品をすくい取ったり、混ぜたり、量ったり、潰したりする道具のこと。主に、料理を食べるときの食器として使われる。匙(さじ)ともいう。素材は、ステンレス・金・銀、真鍮やニッケルなどをめっきしたものなど金属製のものが多いが、木製や陶器製のもの、角や骨を材料に使う地域もある。また、弁当にはしばしばプラスチック製のものが添えられる。このほか可食性素材のスプーンもある。形状はものを乗せる皿状の部分と手で持つための柄で構成される。柄の部分を別部材で構成した別柄型のものと全体を一体成型にしたものがある。スプーンはその用途に合わせて、さまざまな種類のものがある。飲食用のスプーンは食事の際に食べ物をすくう、混ぜる、口に運ぶという用途で用いられる。タイ・カンボジア・ラオスでは「スプーンとフォーク」のセットを食器として用いるために、ナイフのように硬いものを切る用途にも用いられる。ベトナムでも唐辛子を刻む時などにナイフのように用いられる。フランス料理などのテーブルセッティングでは、スープスプーンが最も右側に配置される。スプーンは、ナイフやフォークなどとともにカトラリーを構成する。また、紅茶やアブサンを飲む際に、茶漉し代わりに小さな穴が多く開いているスプーンを用いる事がある。ヨーロッパでは、新石器時代に使われた陶器製や骨を削ったスプーンが発掘されている。古代エジプトでは化粧品の調合用としてスプーンが使われていた。ギリシャ・ローマ時代には先端が二つに分かれたスプーンが使われた。尖ったほうで卵やエスカルゴの殻を破り、丸みのあるほうで中身をすくう。11世紀になってイタリアにスプーンが入り、一般には普及したのは、17世紀-18世紀になってからだ。ナイフ・フォーク・スプーンのセットで食事する形式が確立されたのは、19世紀ごろといわれている。イギリスでは、洗礼式にスプーンを贈られる習慣があり、身分や貧富の差によって材質が異なっていた。このことから、裕福な家で生まれたことを表す「born with a in one's mouth(銀の匙をくわえて生まれてきた)」という言い回しができた。日本でも旧石器時代以降、古代の埋蔵品から木製の匙が出土される。文書として残っているものでは、『今昔物語』によると、平安時代には貴族が銀の匙を使っていたようである。だが、箸の普及と椀に口を触れて汁を飲む習慣から日常の食事には使わなくなった。匙は定着せず、鎌倉・室町時代には茶道や香道の道具として使われるにとどまった。 江戸時代に、将軍家や大名の侍医のことを匙を使って薬を量ることから「お匙」と呼んでいた。このことから、医者が患者を見放すことを「匙を投げる」というようになったとされる。ちなみに、西洋にも「to have a spoon in every man's dish(他人の皿にスプーンを突っ込む)」という諺があった。 明治末期に、現在の形のスプーンが手作りではじめられた。機械による大量生産は、ヨーロッパでスプーン生産が滞った第一次世界大戦後からである。ただ、日本の家庭では匙は洋食や中華料理に用いる傾向が強く、味噌汁など日本で古くから食されていた汁物などは、現在でも箸のみで食べるのが一般的である。和食を提供する飲食店でも、味噌汁に匙が食器として出されることは少ない。なお、中国や朝鮮半島など日本以外の東アジア地域では、お椀を直接口に運んで汁を飲む習慣がなく、匙と箸を使って食事する。身近なモノ事始め辞典 三浦基弘著 p.60~62世界たべもの起源 岡田哲編 p.181~182先割れスプーン wikipedia
出典:wikipedia
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