ナコルルはSNK(現・SNKプレイモア)の対戦型格闘ゲーム『サムライスピリッツ』シリーズなどに登場する架空の人物。一族に伝わる宝刀チチウシを手に、鷹のママハハや狼のシクルゥを連れて、自然を守るために戦うアイヌの巫女。なお、『サムライスピリッツ』シリーズの作中のアイヌ文化の描写は現実のそれとは異なる部分がある。『サムライスピリッツ』シリーズの第1作目から登場する数少ない女性キャラクターの一人であり、お供の鷹「ママハハ」と共に戦う。ペットキャラクターと共に格闘ゲームに参戦する事は、当時としては画期的であった。初代の頃から『サムライスピリッツ』シリーズ通しての主人公的存在の覇王丸同様にシリーズ通してのヒロイン的存在のキャラクターであり、覇王丸の次に名前が紹介されていることが多い。アーケードゲーム専門誌の「ゲーメスト」では人気投票で1位が続きすぎたことで殿堂入りを果たしている。人気の高さから単独で他のゲームや主人公のアニメが作られたりと、格闘ゲームのジャンルの中でもナコルルの知名度は非常に高い。株式会社SNKの看板キャラクターの一人である。『サムライスピリッツ』シリーズ全てに登場する皆勤賞キャラクターで、操作キャラクターとしても2位、女性キャラクター中トップの登場回数である。『サムライスピリッツ新章 〜剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃〜』(以下『蒼紅』と表記)では演出上の登場のみだが、重要キャラクターとして登場する。初代での決め台詞「大自然のおしおきよ」がブームとなる。この台詞は『真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変』(以下『真』と表記)から「大自然のおしおきです」に変更された。トス(巫術)やウエインカル(観自在・透視術)の能力を継承する家計に生まれた。さまざまな神秘的な能力を持つ家族の中でも、ナコルルの能力は特に秀でている。自然の声を聴くことが出来る巫女。家族構成は祖父・サノウク、祖母・モナシリに妹のリムルルで、両親は既に他界している。ガルフォードに想いを寄せられており、話の中で最も関係が深いキャラクターの一人である。当初は、ナコルル自身も彼に好意は持っているものの、アイヌの人々や故郷のカムイコタン、自然を守る巫女としての使命感などから積極的になれず、あくまで友達と割り切った上での良好な関係が描写される。作を追うにつれ、より友達同士とは思えない描写が増えていき、『サムライスピリッツ 〜侍魂〜』(以下『侍魂』と表記)や『サムライスピリッツ2 〜アスラ斬魔伝〜』(以下『斬魔伝』と表記)のエンディングでは相思相愛と思わせるような描写がされている。『サムライスピリッツ 天下一剣客伝』(以下『天下一剣客伝』と表記)ではガルフォードEDでガルフォードに告白しようとしたがガルフォードに言葉を止められるようなシーンもある。同作のガルフォード(羅刹)EDではガルフォードに「おまえが必要だ。俺についてこい」と言われて二つ返事で一緒に旅をする、ナコルルEDではガルフォードがナコルルの故郷付近に居着く、パピーEDではガルフォードの帰る場所が既にナコルルの故郷となり将来的な2人の関係を『新しい家族』と表現するなどしている。しかし、一度も「恋人同士」と直截に表現されたことはない。ナコルルは20年後である『蒼紅』ではある理由(後述参照)から「コロポックル」になっており、ガルフォードはナコルルの帰りを待ち続けていると覇王丸の口から語られている。『真』においてのナコルルとガルフォードのEDで、「自分の命の代わりに大自然を救って」と祈り消滅する描写があり、ファンの間では長年ナコルルは死亡したと思われていた(実際には死亡とは説明されておらず、生死不明の描写であった)。以降に発表された『サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』(以下『斬』と表記)と『サムライスピリッツ 天草降臨』(以下『天』と表記)は『真』以前の物語として設定されたため、ナコルルも登場している。最終的に『真』以降の物語である『侍魂』では「『真』でナコルルは命を落としたと思われたが、本当は大自然に守られ生きたまま眠りについていた」ということが明かされた。その後、目覚めたナコルルは『侍魂』以降も登場する。プレイステーションオリジナル作品として発売された『蒼紅』では『斬魔伝』の20年後とされているが、20年前にリムルルが氷の中に凍結され離天京に封印され、ナコルルはリムルルを助けようとするも離天京内に入る為には自分の身体を小さくするしか術がなく、自らの意識を大自然と一体化させ精霊化した小さな姿になったと説明されている。ちなみにナコルル本体が小さくなったわけではなく、本体と分離して精霊化している。ナコルル本体は大自然の中で眠っている。その後に稼働した現時点での最新作である『サムライスピリッツ閃』(以下『閃』と表記)ではキャラクター達の年齢から『斬魔伝』の1年後の世界を描いているが、『閃』ではナコルルはこれまでのように普通の人間の姿で登場している。『蒼紅』で説明されたナコルルが精霊化した時期とリムルルの身体が凍結された時期は『閃』以前に当たるため、『閃』と『蒼紅』の間でシナリオは繋がっていない。パラレル設定の『天下一剣客伝』では『真』と同じように自らの命の捧げようとするが、亡き両親の力によって奇跡的に一命を取り留めてカムイコタンに戻ってきている。その代償として巫女の力を失い、その後はカムイコタンでリムルルやガルフォードと一緒に幸せに暮らしたということになっている。『サムライスピリッツ零』(以下『零』と表記)のエンディングでチチウシを正式に受け継いだが(この受け継ぎ方は『サムライスピリッツ』公式ストーリーで触れられた内容とは異なっている)、RPG版である『真説サムライスピリッツ 武士道烈伝』では「邪天降臨之章」のオープニングイベントでチチウシを受け継いでいる。この2作ではチチウシの前の持ち主であるナコルルの父親が死んだ原因が異なる。『零』のリムルルEDではナコルルとリムルルが本当の姉妹ではないという描写がある。2Pキャラクターとして登場するキャラクター。初代『サムライスピリッツ』にて、制作側のお遊びで1P側と2P側で別人のような顔つきと表情をしていたため裏ナコルルとして別に人気を集めた。このお遊びが好評だったことが影響したのか、続編の『真』でも1Pと2Pでナコルルのみ顔グラフィックが変化する。赤ナコルル(後の修羅)が基本的に穏やかで優しそうな表情なのに対し、紫ナコルル(後の羅刹)は妖艶な表情や勝気そうな明るい表情をしている。制作者側もシリーズごとに意識して差別化を図るようになり、『斬』以降では「修羅」と「羅刹」の差別化したシステムを採用し、1Pの赤ナコルルは「修羅」に、2Pの紫ナコルルは「羅刹」になった。このシステムに伴い、羅刹側のナコルルは鷹のママハハではなく、狼のシクルゥをお供に戦うことになる。3D作品の『侍魂』では髪型がボブカットになり、さらなる差別化がはかられた。後年、この髪型変更は3D処理の関係上やむなくポリゴン数を減らすため髪を少なくしたと明かされた。『斬魔伝』では初めてナコルル以外も同一キャラクターで「修羅」と「羅刹」でグラフィックが変わるキャラクターが複数登場することになり、キャラクターの設定も明確に別の設定に分けられた。人物紹介では、修羅ナコルルは「自然を愛ししているものの、少女らしく生きたいという想いと巫女との間で揺れている」のに対し、羅刹ナコルルは「自然を脅かす者には迷うことなく立ち向かう凛とした少女」と説明されている。OVAアニメ化された『SAMURAI SPIRITS 2 ~アスラ斬魔伝~ 』では修羅ナコルルと羅刹ナコルルが登場しており、勝気でナコルルより少しマセたキャラクターになっている。他に赤ナコルル(1P、修羅)と異なる点は、服装の基本となる色(赤→紫)、髪型(ロングヘア→ボブカット※『侍魂』と『斬魔伝』のみ)、頭のリボン(あり→なし※『侍魂』と『斬魔伝』のみ)、髪の色(青みがかった黒→濃い茶)、目つき(タレ目→ツリ目)、肌の色(色白→褐色)、赤ナコルルより胸が大きい点、お供の動物(鷹→狼※『斬』 - 『斬魔伝』)、台詞回し(赤→敬語を多用 紫→敬語は使わない)。ノベルゲーム『ナコルル 〜あのひとからのおくりもの〜』では紫ナコルルをベースとした「レラ」が登場し、のちに2D対戦格闘版『サムライスピリッツ』シリーズの『零』で紫ナコルルに代わる新キャラクターとして登場した。しかし、これまでの赤ナコルルや紫ナコルルとはまた大きく違い、クールで大人びており表情を殆ど崩さないキャラクターとなっている。『天下一剣客伝』では「ナコルル」と「レラ」とは別枠で、「紫ナコルル」がプレイヤーキャラクターとして復活した。これにより『天下一剣客伝』には性格が異なる3人のナコルルが揃うこととなった(ナコルル・レラ・紫ナコルル)。『天下一剣客伝』の紫ナコルルの台詞は初代『サムライスピリッツ』で登場したナコルルを踏襲したもので、お供もママハハである。動作や必殺技などゲーム本編に通常ナコルルとの違いは無く、台詞回しやシナリオなどの演出面が異なる。シナリオでは「ナコルル」の方はこれまでと同じようにナコルルと関係性の深いガルフォードやリムルルが登場するのに対し、「紫ナコルル」は、実は初代でナコルルとの相関関係が設定されていたものの、ゲーム本編の中での関わりは皆無であったシャルロットと王虎が登場する。ナコルルが連れている動物たち。ただしゲーム中では2匹同時には戦わない。家庭用『天下一剣客伝』ではシクルゥ&ママハハとして2匹だけで操作キャラクターデビューを果たす。ナコルルが初登場時から連れている鷹。ナコルルの武器・宝刀チチウシを守る役目を担っており、ナコルルに付き従うのはナコルルが「宝刀チチウシを持つ戦士」だからである。したがって、持主が命を落とせば次の戦士のもとへチチウシを届けることになる。このこともあって、『真』まではチチウシを手放すとナコルルから離れてそちらを守りに行ってしまう。こうなるとママハハ関係の技を使うには、一旦専用の動作で呼び戻す必要がある。ナコルルを足に掴まらせて羽ばたくことが出来る。シリーズ初期はこれで世界中を移動していた。対戦中はゲームバランス上、一定時間しか摑まり続ける事はできない。『斬』から『斬魔伝』までの4作品では「修羅」のナコルルが連れている。なお、『初代』、『真』、『天下一剣客伝』の紫ナコルルもママハハ(色違いの黒鷹)を連れている。RPG版である『武士道烈伝』ではパーティーキャラクターとして登場するナコルルは常にママハハを連れている。また、「邪天降臨之章」でナコルルを主人公にしている時に伊勢で起こる蛸の怪物と戦うイベントでは、シクルゥを連れていてもママハハに交代して戦うことになる。家庭用『天下一剣客伝』ではシクルゥ&ママハハとして登場する際、シクルゥを足に掴んで飛ぶなどして補佐役に徹している。『斬』で初登場した狼。『斬』から『斬魔伝』までは「羅刹」のナコルルが連れていて、『零』以後はレラが連れている。日本のエゾオオカミではなく、シベリアから流氷に乗って流れ着いてきたとされ、その事はシクルゥにとってコンプレックスであるとの事。『ナコルル 〜あのひとからのおくりもの〜』では出生の設定が異なり、蝦夷地のオオカミ。ナコルルのせいで親が死んだ子狼をレラが育てた。ママハハには重大な任務(チチウシを守る役目)があるが、シクルゥにはそのような設定はない。なお、『真』ではナコルルの勝利ポーズで狼らしき動物(ガルフォードのパピー(犬)と同じグラフィック)が登場するが、それはシクルゥではない(ちなみにパピーでもない)。ナコルル及びレラを背に乗せて移動することが出来る。RPG版である『武士道烈伝』ではナコルルが主人公の場合のみ、特定の場所でママハハと交代させる事でシクルゥの必殺技が使用可能となる(逆にママハハの必殺技は使用出来なくなる)。家庭用『天下一剣客伝』ではシクルゥ&ママハハとして登場する際、メインの攻撃役になっている。青みがかった紺色に近いロングヘアの後頭部に大きな赤いリボンがついている。瞳の色も青みがかっている。衣装は赤と白をベースカラーとしている。腕が露出した骨盤までの長さの上着に、くるぶしまでのズボンをはいている。腰には太めの帯を巻きつけ腰にの後ろに武器であるチチウシ(マキリという小刀)をつけている。『真』、『斬紅郎』、『天草降臨』では上着の長さが長くなり、ロングの巻きスカートをはいたような形になったが、『侍魂』以降の作品は『初代』の頃の衣装に近い形を維持している。『サムライスピリッツ』シリーズのイラストレーターである北千里が描いたキャラクター設定資料や解説によると、ナコルルの顔立ちは「童顔」であり、黒目がちなタレ目である。リムルルの姉だが、その事を意識すると老けて可愛くなくなってしまうので、ナコルルはナコルルだと割り切ってコロコロ(丸く)にして下さい、と書かれている。小柄な体格(153cm前後)と武器が小刀なので通常攻撃のリーチが短いが、スピードがあり、忍者系が使用する三角飛びも出来る。必殺技は機動力がある攻撃が多く、ママハハを使って遠距離からの攻撃が出来る。自身の必殺技のエフェクトでは『斬紅郎』から光のようなエフェクトがつくようになった。『武士道列伝』でそれぞれのキャラクターに固定属性が設定されているが、ナコルルは「聖」属性となっている。一般メディアでの注目が少なかったアイヌをキャラクター化した事でも注目を浴びた。ナコルルをデザインしたデザイナーの一人は、サムライスピリッツの企画が立つ以前から「いつかアイヌ女性を一世風靡させるぞ」と考えていたという。企画者の念が通じたのか、デザイナーは狂ったように傾倒し2Pの顔まで変化した旨述べている。そのキャラクターイメージから、1994年の三鷹市水道部および年金課にて結城信輝のイラストによるポスターに起用された事がある。ところが、あまりの人気に貼られた先からポスターが持ち去られる事件が続出し、結局最後まで残ったものは非常に少なかったという。このことは『KOF2000』の小説版(パロディ編)でも取り上げられ、テリー・ボガードがナコルルのポスターを見つけた事を喜んでおり、必死に「盗みたいなんて思わなかった」と別に盗んだわけでもないのに強調する場面がある。一方、同年末には京都市にて京都遷都1200年記念・緑化フェアのポスターにも起用されており、こちらは当時SNK社内スタッフの白井影二がイラストを担当した。『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(以下『KOF』)の本編作品には当初出場していなかったにも拘らず、「KOFのキャラクターがバンドを組んだ」という触れ込みの「バンド・オブ・ファイターズ」のメンバーになっていた。なお、本編作品を除けば、クイズゲーム『クイズKOF』でプレイヤーキャラクターとして、ゲームボーイ版『熱闘KOF'95』では隠し乱入キャラクターとして参戦していた。その後、『KOF2000』ではユリ・サカザキのアナザーストライカーとして登場し、『KOF'94』をリメイクした『KOF'94 RE-BOUT』、『KOF2002』をリメイクした『KOF2002 UNLIMITED MATCH』にも背景キャラクターとして出演している。後に、2016年発売の『KOF XIV』で遂に本編出場を果たし、「異世界チーム」に所属するプレイヤーキャラクターとしてムイムイ(パチスロ『ドラゴンギャル』シリーズ)とラブ・ハート(パチスロ『スカイラブ』シリーズ)と共に参戦する。カプコンとのクロスオーバー作品では、『ヴァンパイア』のモリガン・アーンスランドと対比する形になっている(『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』ではライバルキャラクター、『CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000』では共に隠しキャラクター)。この2人は、「巫女」と「魔物」、さらには「自然を守る者」と「(人間世界における)自然の摂理に反する者」(ただし、モリガンには自然そのものを破壊するような描写はない)、あるいは「清純派」と「お色気系」といった、対極の関係として描写されていると考えられる。尚これらのシリーズでは、同類同士が対比する構図が組まれることが多く、対極の関係で対比されているのはこの2人ぐらいである。ちなみに『頂上決戦 最強ファイターズ』でこの2人でタッグを組むと「おしおきコンビ」というタッグ名になる。これは、ナコルルは勝利ポーズ時の決め台詞から、モリガンは必殺技の「ダークネスイリュージョン」を使う際に「おしおきよ」と言うことに由来する。他のメディアでは狂信的なエコロジストであるかのように描かれ易い。その点を受けて『CAPCOM VS. SNK 2』でのチャン・コーハンとの掛け合いでは「ダンナより思い込みが激しい」とチョイ・ボンゲから言われている。※一部< >内はアイヌ語に直訳したもの。これらはEngrish同様、実際のアイヌ語に照らしたとき一般の辞典にみられない語彙や文法の誤りも見られるので注意。
出典:wikipedia
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