動力集中方式(どうりょくしゅうちゅうほうしき)とは、列車が1両ないし2両程度の動力車(車両内部に客室・荷物室等が全くない、または半分程度かそれ以下の機関車)によって牽引(または推進)される方式のことである。日本では貨物列車を除いて数を大幅に減らしているが、世界中の多くの鉄道を走る列車のうち、貨物列車はほぼ全てこの方式で、旅客列車もこの方式によるものが多い。動力集中方式を採用している旅客列車の例として、日本のブルートレインやフランスのTGVなどがあげられる。フランスのTGVやドイツのICE 1、イギリスのHSTなどでは両端の動力車の間に付随客車を配置した固定編成が採用されており、この方式については準動力集中方式とも呼称される。対をなす形態は動力分散方式である。動力分散方式に比して述べる。動力車を両端に組成するか、運転席を設けた制御車と動力車を組み合わせる方式。両端に運転席を配することで短所の一つとされる「折り返し運転を行う際の、機関車の交換・機回し」が解消される形となる。本来のプッシュプルとは後者の形式を指すが、後に高出力といずれの方向にも安定して高速走行を行うという目的で両端に動力車を連結した前者の形式が考案された。ドイツ語圏では後者の方式による列車を左右に行き来する様子から振り子に喩え、「ペンデルツーク」 (Pendelzug) と称する(曲線の通過速度を高める目的で車体を傾斜させる「振り子式車両」とは意味が異なる)。英語では前者のうち特に、先頭の動力車のみ動作する方式をトップ・アンド・テイル () と呼ぶ。前者は、主に欧州の高速列車(TGV、ICE 1、ETR500、インターシティー125など)が採用している。列車の両端を動力車にして客車を挟み込むようにしており、10両であれば実際に乗客を扱えるのは8両分だけであるため、動力分散型よりも旅客定員は少ない。後者は、欧州および米国各地の都市圏の普通列車を中心に採用されている。動力車を遠隔操作するという点では動力分散方式に近い形を採るが、制御できる機関車は限定される。一般には動力車の協調運転と同じである。力学的に不安定で高速運転には向かないが、スウェーデンのX2000やドイツのICE 2、イギリスのインターシティー225など最高速度200 km/h で運行している例がある。ただしこれについては、ヨーロッパの車両は連結面に緩衝器(バッファー)を装備していることや、急曲線や急勾配が無い線形が有利なことなど、日本に比して安定性が確保しやすいという条件の差もある。日本では、連結両数は多くはなく、最高速度も低い。一方、日本と同じ自動連結器を採用する米国では、通勤列車を中心にヨーロッパのような本線でのプッシュプル運転が一般的であり、長距離列車が終端式の駅などに逆向きに進入してくるような場合を別にすれば一般の列車と同等の条件で運転される場合が多く、中にはのようにという高速で運転されている列車もある。日本では後者の方式が大井川鐵道井川線の全列車、釧網本線・富良野線で観光用トロッコ列車「ノロッコ号」や京都市・嵐山にある嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車などに見られる。またJR東日本215系電車やJR貨物M250系電車は動力分散方式であるが、前後に2両ずつの動力車を集中配置しており前者の方式に類似した点もある。プッシュプル方式では動力車の客車寄りの半分程度またはそれ以下の部分を機器搭載スペースとせず客室や荷物室等を設けている場合もあり、その例には韓国の「セマウル号」 (DHC) 、往年の西ドイツのTEE用車両であった西ドイツ国鉄VT11.5型気動車が挙げられる。
出典:wikipedia
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