サバイバルゲーム(Survival Game/Airsoft)とは、主にエアソフトガンとBB弾を使って行う、概ね20世紀以降の銃器を用いた戦闘を模す日本発祥の遊び、あるいは競技。英語ではエアソフト(Airsoft)と呼ばれ、アメリカ合衆国発祥の「ペイントボール」と並んで、銃器型の道具を用いる遊びや競技として楽しまれる。敵味方に分かれてお互いを撃ち合い、弾に当たったら失格となるのが基本的なルールとなる。ペイントボールが圧搾空気の力で発射される塗料入りの弾を用いるのに対し、サバイバルゲームはBB弾を発射するエアソフトガンを使用するため、「競技者の失格が自己申告制」「主に実銃を模した用具が使用される」という違いがある。統一されたルールは存在せず、グループや大会、フィールドごとにルールは異なる。サバイバルゲームにおけるルールは一般的に"レギュレーション"と呼ばれるので、以降の表記は「レギュレーション」に統一する。1970年代にツヅミ弾が発射出来る遊戯銃が発売され、それを使用した戦争ごっこ的な遊びがルーツと考えられる。1980年代前半に日本の銃器専門誌においてアメリカのペイントボールが紹介されたが、炭酸ガスをパワーソースとする当時の海外のペイントガンは日本では認められていない高圧ガスを使用していた為、当時は「ツヅミ弾」を使用したエアソフトガンによるサバイバルゲームが広まっていった。1985年に東京マルイが6mm径のプラスチックBB弾を使った初のコッキング式のエアソフトガン「ルガーP08」を発売、またJACではBV式ガスガンに6mmBB弾を採用し、マルゼンKG-9をはじめ、MGCベレッタM93R、マルシンM1カービン、ファルコントーイMP5SD3、コクサイM16、ウエスタンアームズAR-7などに次々と採用され、サバイバルゲームで広く使用されるようになった。当時のエアソフトガンは玩具としてのリアル感を重視するモデルガン要素が強かったが、BB弾の普及により次第にサバイバルゲームでも使われるようになったが、競技人口はそれほど多くはなく小規模のゲームが実施される程度であった。1991年に東京マルイから、銃本体に内蔵したニッカドバッテリーを動力源とする電動ガンが発売され、軽量であったことなどから普及し、後にパワーを上げずに飛距離を延長できるホップアップ機能が追加されると、1990年代中期にはガスタンク等を必要とするガスガンは影を潜め、1990年代後期には電動ガンがサバイバルゲームの主流となり競技人口も増え、サバイバルゲーム専門のフィールドも出現している。また、この頃になると「1Jルール」と呼ばれるレギュレーションが雑誌等によって普及され一般的となった。過度のパワーアップは怪我の危険性もありサバイバルゲームの愛好家の間では下火となった。カスタムパーツを製造するメーカーも1〜1.5J程度のパワーアップに関するパーツの製造は行われていたものの、全体を通して見ればドレスアップを中心としたものに移行していったと言える。2000年代半ばに極端にパワーを上げたエアソフトガンによる事件が頻発するようになると、これを受けて2006年3月に改正銃刀法が施行された。当時、ボルトアクションライフルタイプのエアソフトガンや狙撃銃スタイルのエアソフトガンは独自のレギュレーションによってパワーの面で若干優遇される事が多く、これは連射のきかないスナイパーライフルの不利を射程の長さで埋める事が目的であったが、銃刀法改正以後はそうした優遇措置を行うことができなくなった。これにより、サバイバルゲームでのエアソフトガンのパワーは規制値以下と言うのが標準レギュレーションとなり安全性の向上したと言える。2010年代になるとサバイバルゲームを扱った漫画やアニメ、ウェブ特集などメディアへの露出も増え、ゲーム人口は飛躍的に増加している。それに伴いセーフティエリア(安全地帯)での暴発事故やマナー違反、ルール違反も増加の一途を辿り問題となっている。サバイバルゲーム施設がなかった時代は私有地や河川敷等で使用許可を得てゲームを行っていた。中には許可を得ずゲームを実施し、近隣住民から警察に通報される等の事態も散見される。サバイバルゲーム人口の増加に伴い多くの有料サバイバルゲーム施設(フィールド)が存在している。多くのフィールドは有料でフィールド毎のレギュレーションが存在しており遵守出来ない場合は退場処分や法令違反の場合は告発される場合もある。 主に撃ち合うための銃(エアソフトガン)と、その弾丸による負傷を防止するためのゴーグルをはじめプロテクターやグローブを基本とする。靴については、山野を駆け回る事から動き易いトレッキングシューズか、軍用のブーツ等が多く使われる。眼球を直撃すれば失明させる恐れがある為、メーカーの説明書や遊戯銃雑誌では、エアソフトガンを使用する場合、ゴーグルやシューティンググラスなどの保護具の着用を推奨している。サバイバルゲームでも、参加条件の一つとして保護具の装着がレギュレーションに盛り込まれている。ゴーグルには透明な強化樹脂を防護レンズとしている物が望ましい。金網を使用したゴーグルの場合、金網型(メッシュゴーグル)は耐久性の高さや曇らない等の利点があるが、被弾し砕けたBB弾が網目をすり抜けてしまう場合がある。また実銃射撃に用いるサングラス型のシューティンググラスも、強度は充分でも横から飛んでくる弾をガード出来ない等の問題がある。強度や保護範囲の問題から、ファッションサングラスやウィンタースポーツ用のゴーグル、顔面に密着しない眼鏡型の保護具などは推奨していない。たとえ被弾によって失格していても、ゲーム進行中のプレイヤーに間違われ誤射を受けた際の負傷を防止するため、フィールド内に居る限りゴーグルを外してはならないレギュレーションとなっている。ゴーグルを着用している限り、衣服の規定は無い場合が多いが、至近距離で被弾した場合に内出血等の怪我を負う場合もあり、また植物の枝葉などによる切り傷、転倒時の擦り傷軽減なども考慮して、長袖長ズボンや指先まで覆えるグローブ、帽子またはヘルメット、フェイスガード等の防具の着用が推奨される場合もある。また一種のコスプレ要素として、軍隊の兵士を模した装備を身につけるプレイヤーも多い。戦闘服に、帽子やヘルメット、ブーツなどの実物払い下げ品や放出品、レプリカ品を装備している。 またゲーム構成として、全員で統一したコスチューム(特殊部隊や軍隊などのもの)を着用しゲームを行う事もある。詳細は後述のヒストリカルゲームを参照。その他にも弾倉ポーチやダンプポーチなどの収納具が有用である。被弾によって失格になることは死亡とも呼ばれる。失格となった参加者はゲームの行われているフィールドから出て、速やかにセーフティゾーンへ移動しなくてはならない。失格状態のプレイヤーはフィールド内で存在していないと扱われるため、移動する時に仲間に情報を与えたり、装備や余った弾などを譲ることはできない。レギュレーションではないが、マナーとして周囲に気を配ることが推奨される。公式レギュレーションがないため、参加者や状況によって多様な条件が設定されたゲームを行っている。 ・一見して敵味方の識別が困難なため、マーカーと呼ばれる色付きの布・テープ類を腕に巻く等して敵味方の識別が可能な状態で行われる。・派生としてキャプチャー・ザ・フラッグ(フラッグを自陣に持ち帰る)や、ドミネーション(指定場所に自陣の旗を掲げ防衛)等、特殊ルールも該当する。・派生として、スタート地点を複数としオセロのスタート時のように、両翼に敵が配置され、対角線上に味方が配置される。・派生として制限時間を設けず、何分で攻略が出来るかを競うタイムアタック形式も存在する。 また、同数のチーム分けでは膠着する場合も考えられるため、人数配分によって防衛側を少数としたり、防衛側はフルオート射撃可、攻撃側はセミオートのみと言う変則ルールも存在する。・ゲームとしての勝敗よりも、歴史の中の兵士を演じることに重点が置かれることから、勝敗が予め決まっていたり、弾の出ないモデルガンや無可動実銃が使用されたり、失格者が安全地帯に戻らず死体を演じたり、本来なら戦死であるが重傷を負った戦友役を担いで後送したりする例もある。また、軍人に限らず戦地に存在する民間人や文民組織要員(赤十字国際委員会派遣員など)での参加が認められることもある。第二次世界大戦やベトナム戦争、ボスニア紛争などの一局面を再現するイベントが行なわれている。その他、衛生兵ルールやリアルカウント(実銃弾数)戦、使用するエアソフトガンを指定したルールなど多種多様のゲームが存在する。同じ趣味の者同士が集まりチームを組むことが多い。大きいものでは100人を超す規模となる。チームに属さずにフィールドやエアガンショップの開催する「定例ゲーム」に個人参加するプレーヤーもいる。ペイントボールと同様、プラスティックを利用したエアガンも軍事教練に利用される。安全性と射程の両立が難しいため、野戦ではなく市街戦などのごく近距離の模擬戦に使用される。陸上自衛隊では「閉所戦闘訓練用教材」として89式5.56mm小銃型の東京マルイ電動ガンを採用している。またこの89式小銃は実際に東京マルイ社から発売されているが、訓練用と一般販売向けは若干ではあるが商品の仕様が違う。サバイバルゲームはアジア諸国に伝播して愛好者を増やし、その後は北米やヨーロッパにおいてもAirsoft Warという名前でペイントボールとは別の魅力を持つ遊びとして広がっており、YouTubeなどの動画サイトで検索すると海外でのゲームの様子を記録した動画を多数観ることができる。
出典:wikipedia
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