火山灰(かざんばい、)とは、火山の噴出物(火山砕屑物)の一つで、主にマグマが発泡してできる細かい破片のこと。木や紙などを燃やしてできる灰とは成分も性質も異なる。火山から噴出されたもののうち、直径2mm以下の大きさのものを火山灰という。物質としては火山ガラス、鉱物結晶、古い岩石の破片などである。火山灰が堆積して固まった岩石(堆積岩)を凝灰岩という。巨大な噴火によって大量の火山灰が空高く噴出すると、その火山灰は広範囲に同時かつ均一に堆積する(広域テフラ)。そのため地層が形成された年代を特定する際の鍵層として利用される。例として、日本においては約6,000年前まで、噴出した火山灰が日本全土を覆うような大規模な噴火が度々発生しており、遺跡の発掘調査や活断層の活動時期の推定において重要な目安となっている。また、南極大陸などの氷床の中にも火山灰の層が薄く含まれており、氷床コアを利用した研究を行う際に、氷の形成年代決定の重要な役割を担っている。主に火山ガラスからなる火山灰の噴出途中や降下途中で水が混ざると、火山ガラスの粒子どうしが凝集して直径1~2cm程度の豆状になることがある。これを火山豆石(かざんまめいし、)という。火口湖などの水中で噴火が起こった場合や、噴火中に雨が降っていた場合に見られる。最近では、雲仙平成新山を形成した噴火の際、雨の日に火山豆石が降った記録がある。人間の生活圏に降る火山灰は、人間にとって困りものである。日常生活にも大きく影響し、火山灰が多く降り注ぐ日は視界も悪く洗濯物も外には干せない。多量に降ると農作物に被害が出る場合もある。ひどい場合は家が埋まってしまう場合もある。都市へ火山灰を噴出する活火山の例として、鹿児島市へ火山灰を噴出する日本の桜島がある。夏季は東よりの風に乗って鹿児島市方面で降灰し、冬季は西よりの風に乗って大隅半島での降灰が多いと言われるが、風向きは変化し易いので、周辺地域では一年中降灰が見られる。そのため、鹿児島地方気象台では、桜島上空の風のデータをもとに降灰の予報も出している。また、空気中に漂う火山灰もあるため、雨の日には灰混じりの雨が降り、色の薄い洋服を着ていると雨にあたった部分が黒ずんでしまう。このような地域性のため、鹿児島市の中心部の商店街ではアーケードが非常に発達している。更に、鹿児島市内には「火山灰集積所」が随所にあり、降灰時は洗濯物を外に干さないのが一般的である。古代ローマ時代、建材として使われていたローマン・コンクリートには、火山灰が使用されていたと言われるが、その方法は現代に伝わっていない。しかしながら、現在、コンクリートの骨材として火山灰を利用する方式が考案され、実用化に向けて研究が進められている。最近では、住宅用建材としてシラス壁といわれる壁材が火山灰を主原料としてつくられている。日本人は火山灰を、磨き粉(クレンザー)や野球場のグランドの土として利用したり、顔の美容クリームや焼き物の釉薬などの成分としても利用している。火山灰の雲のそばを飛行することは、航空機にとって大変危険である。ジェットエンジンに吸い込まれた極細粒の火山灰は、エンジン内部の熱で融解して付着し、部品を腐食また破損させる。また高速で移動する飛行機に火山灰が衝突すると操縦席の窓ガラスを傷つき視界が悪くなる。火山灰が航空機に影響を及ぼした事例としては、1982年にジャワ島のガルングン山の近くを飛行中の旅客機が、火山灰の雲に入り、4基のジェットエンジンのすべてが一時的に停止するトラブルに見舞われた事例(ブリティッシュ・エアウェイズ9便エンジン故障事故)がある。この事故は高度37,000フィート(約11,300メートル)で起こったものである。1万m以上の噴煙は2、3年おきにあり、2000年前ではあるが推定高度51kmという噴煙もあったので、高高度だからといって安全だとは限らない。2010年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火によって発生した史上初の航空路の大混乱の結果として、「空気中1m³あたり2mg未満の火山灰」という飛行可能基準がCAA(イギリス民間航空局)によって制定された。それまでは火山灰があれば完全飛行禁止だった。ただし、飛行許可を得るには、事前に地上からのLIDAR(レーザー光レーダー)による計測を行う必要がある。
出典:wikipedia
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