『満月をさがして』(フルムーンをさがして)は、種村有菜による漫画作品、及びそれに連動する形で放送された同名のテレビアニメ作品。月刊少女漫画の雑誌『りぼん』2002年1月号から2004年6月号でコミック版を連載。全30話。また、それにほぼ並行する形で同名のテレビアニメシリーズも放送開始。2002年4月から翌2003年3月にかけてテレビ東京系列局6局(TXN)で放送された。全52話。同時期の漫画『電脳少女☆Mink』同様、『魔法の天使クリィミーマミ』の路線を踏襲した変身魔法少女アイドル作品である。満月は堀江由衣の歌をイメージしたキャラだと作者がコメントしている。また、その髪型はミニモニ。時の加護亜依をイメージしたものである。種村有菜作品は海外においては特にドイツで人気があり、すでに『神風怪盗ジャンヌ』が成功していたが、本作はドイツにおける日本漫画の売上で2004年度に1位、翌2005年には2位といずれも高順位を記録した。主人公・神山満月は、最愛の人・桜井英知との約束で歌手を目指している12歳の少女。ところが喉の病気が原因で、彼女は声を捨てて命を永続させる方を取るか、このまま「命日を待つ」かの選択を迫られることとなる。そして彼女の前に「タクト」と「めろこ」という、彼女の死を阻止する者を満月に出会わせないようにする役目を仰せつかっている2人組の死神が現れる。命よりも歌手への道を選んだ満月は、タクトの能力を借りて16歳の少女の姿に変身し、音楽事務所のオーディションを受ける。これに見事合格した満月は、「フルムーン」として芸能界に鮮烈デビューを果たす。本作品での「死神」は、主要人物のタクト、めろこ、いずみを含め全員が生前に自殺した元人間である。通常、死神になると生前の記憶は一切消えるが、半人前であるうちに何かの拍子に思い出すとそのショックで幽霊となり、永遠に姿が見えないまま、この世を彷徨うこととなる。生前の記憶が戻ると、死亡時のまま時間が停止したような状態になるため、めろこが記憶を取り戻した際には、生前雨に濡れたまま死んだ時のように身体が水で濡れていた。また、基本的に死んだその瞬間から時を遡るように思い出していく。死神には全員羽が生えているが、半人前のうちはレプリカであるリュックを常に背負う。死神としての名前は生前にちなんだものになることが多いが、自殺の原因が深刻だった者や感情が表に出やすい者は、万が一生前を思い出してしまった時のショックが大きいため、名づけの由来が複雑になる。死神名が生前の名前とほぼ変わりないタクトやいずみに比べて、めろこの名前が一見して生前の名前とかけ離れているのはそのためである。死神の外見年齢は死亡時の実年齢ではなく、死亡時の精神年齢による。6歳の時に死亡したいずみが死神になった現在はめろこたちと同じくらいの年齢の外見なのはそのためであり、タクトは死亡時の年齢よりも少し若々しい外見となった様子。作中に出たのは小児科のみだが冥府はいくつかの科に分かれ、上層部を除いた一般の死神たちはそれぞれ所属する科がある。作中の説明によると「無口で無愛想な者がほとんどの死神たちの中で、比較的明るい性格の者が小児科にまわされる」らしい。主要人物のタクト・めろこ・いずみは全員小児科所属で、なおかつ身体に動物の耳と尾がついているが、タクトの猫耳と猫しっぽは、半人前であるため羽と同様レプリカ。猫耳は帽子で、猫しっぽは取り外せる模様。さらに動物に変身することができるが、これは魂を回収するときに子供に怖がられないようにするためである。死神は通常、職務実行時は2人組となり、死神部長が科の上司にコンビ名をつけられる。なお、作中に出てくるコンビ名はすべて作者・種村の好物からとっている。毎回作者・種村有菜がこだわりを持ってつけている。テレビ東京・テレビ北海道・テレビ愛知・テレビ大阪・テレビせとうち・TVQ九州放送で、2002年4月6日から2003年3月29日にかけて放送。奈良テレビ・BSジャパンでも週遅れという形で放送された。また、CS放送チャンネルのAT-X、アニマックスでも放送された。このアニメは放送枠が『東京ミュウミュウ』放送の際、他にも少女向けアニメを放送しようという局の意向でかなり急に決まったという経緯があった。急に決まったアニメ化を象徴するように玩具などの関連商品の販売と画面への登場は3クール目までなかった。しかし、後のアニマックスでの放送の好評で主題歌の通信カラオケのアクセス数増加を起こし、放送終了から2年後の2005年10月19日に最終回のライブ盤CD「満月をさがして フルムーン・ファイナルライブ」がリリースされ、放送終了から数年を経ての関連商品の展開が行われた。アニメ版ではストーリーの展開や、めろこの服の色など、様々な設定がコミック版のものとは異なっている。エンディング曲の歌詞が原作に使われたり、タクトの性格に関してはアニメ版の影響を受けている事を作者がコメントしている。テレビ東京系列での本放送時はCBC制作でTBS系列の『星のカービィ』が放送されて好調な中で突然新設された放送枠だったので、後発で開始した『満月』の視聴率はカービィが休止した際は3%程度の視聴率を記録するも通常は2%以下と苦戦を強いられ、後番組の『無限戦記ポトリス』はさらに苦戦することとなる。その為、『東京ミュウミュウ』とともに予定通り4クールで終了した(『ミルモでポン!』のみ延長され、3年半続いた)。なお、タクト役で、ブレイク前の桜塚やっくん(当時の芸名は斎藤恭央)が声の出演をしていた。韓国では、2004年4月13日から『月光の天使(달빛천사)』という標題でトゥーニバースで放映された。2002年6月3日から8月12日にかけてSUPER STAR QR月曜にてラジオドラマを放送。本編以前をねぎラーメンの二人を主人公に描く。「吟遊名華」(ぎんゆうめいか)は、『りぼん』2001年11月号に掲載され『満月をさがして』2巻に併録されている、種村にとって4年振りとなる読切作品。題名は、吟遊詩人の「吟遊」と美しい花を意味する「名花」と同じ意味の「名華」からつくられた作者の造語である。音大付属中学に推薦してもらうためコンクール優勝を目指す桐生秋吉(きりゅう あきよし)と、彼が隠れて練習していた場所で出会った「桜の精」を名乗る少女花音の交流を描いた作品。問題があったため本作の収録を諦めていたが、周りの支えによって修正の上で単行本に収録した旨を種村が述べている。単行本において種村は何が問題であったかは具体的に述べていないが、雑誌掲載時の冒頭に「一人では弾けない "カノン" という曲をなぜか一人で弾かされることになった」という設定があったものが、「皆が自由曲の中一人だけ課題曲 "カノン" を弾かされることになった」という設定に置き換えられている。
出典:wikipedia
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