人面犬(じんめんけん)は、人間の顔を持ち言葉を喋る犬に関する都市伝説。この噂は、1989年から1990年にかけて、主に小中学生の間でマスメディアを介して広まった。その「目撃例」は、大別して以下の2種類に分かれる。他にも「勝手だろ」「うるせえ」「なんだ、人間か」などの捨て台詞を言った、カップルに対して下品な言葉を吐いた、6メートル以上ジャンプした、などのエピソードが流布された。非常に足が速く、高速道路上の車がこの人面犬に追い抜かれると事故を起こす、人面犬に噛まれた人間は人面犬になってしまう等の噂も立ち上った。顔は中年男性だともいわれ、妖怪研究家・山口敏太郎は、リストラされて自殺した中年男性の怨念が犬に憑依したものか、としている。その「正体」に関しては、「妖怪の類」・「遺伝子操作による生物兵器」・「『T市』という土地でのバイオテクノロジー実験による産物」・「環境汚染による突然変異」説などが、各々のシチュエーションにマッチした派生を伴い語られた。霊的なものであり、強い霊感の持ち主にしか見えないともいわれた。人間の顔を持つ犬の民間伝承は、少なくとも江戸時代から存在する。江戸時代の文人・石塚豊芥子の著書『街談文々集要』によれば、文化7年(1810年)6月8日に江戸の田戸町で、ある牝犬の産んだ子犬の1匹が人間そっくりの顔であったという。1人の興行師がこれを聞きつけ、さっそく人面犬の見世物として売り出したところ、押すな押すなの大人気となった。当時、「梅毒患者は牝犬と性交すると治癒する」との迷信があり、その結果、産まれたのがこの人面犬だと噂された同じく江戸時代の文人にして水戸藩士の加藤曳尾庵の著書『我衣』によれば、文政2年(1819年)4月29日、日本橋近郊で産まれた子犬が人面といわれ、江戸中の評判となって見物人がつめかけた。曳尾庵が見物人から聞いた話によれば、猿のような顔つきだったという。また瓦版によれば前足が人間の足だったという。ブラジルにはロビスオーメン(Lobisomem。「ロビ」が狼「オーメン」が男を意味する)という狼男の伝説が有る。ロビスオーメンは男の顔をした狼で、十字路の影に潜み、それに噛まれた人間もロビスオーメンになってしまう。都市伝説に現れる人面生物としては他に件(くだん)や人面魚がある。伝説上の生物の中にも、人面獅子マンティコア、エジプトのスフィンクス、ギリシア神話の女面鳥身ハーピー、ヨハネ黙示録に登場する蝗(イナゴという名だが、馬のような体に人間の顔を持つとされる)などが古代より存在した。メキシコ西部コリマ州などの遺跡からは、人間の面をつけた犬を象った中空な土製品(土偶というより象形土器に近い)が出土している。
出典:wikipedia
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