アーヴィング・ゴッフマン(Erving Goffman、1922年6月11日 - 1982年11月19日)は、米国の社会学者。日常生活における人々の社会的相互作用の仕方を解明する方法論として、ドラマツルギーを初めて社会学の立場で提唱したとされる。カナダに生まれ、1945年カナダのトロント大学卒業、1949年シカゴ大学で修士号、1953年同博士号(Ph.D.)取得。1949年 - 1951年エディンバラ大学社会人類学科でシェットランド島フィールド・ワークに従事。シカゴ大学社会学科部門の研究プロジェクトに参加。1954年 - 1957年国立精神衛生研究所衛生臨床センターの客員研究員。1955年 - 1956年ワシントンの聖エリザベス病院で参与観察を実施。1958年カリフォルニア大学バークレー校社会学科に参画、1962年同大学社会学教授。1966年 - 1967年ハーバード大学国際問題研究所の特別研究員。1968年ペンシルベニア大学教授。1982年アメリカ社会学会会長。同年、60歳で死去した。ゴッフマンは、彼の社会学的方法であるドラマツルギーによって、個人(行為者)に先行して存在し与えられるフレームから出発して、個人が一貫性を有する行為者であるとする一般常識の打破を試みた。すなわち、(社会的相互作用の過程で行為者自身の内面に生ずる)複数の自己のありさまを明らかにし、それらの自己が行為者自身に帰属する特性ではなく、社会コントロールのパターン(フレーム)に帰属する特性であると規定した。社会的配置によって構成される「自己」は、「戦術的駆け引き」のもとに一定の「提示」をする過程(社会的ドラマ)の生み出す結果でしかなく、それゆえに確実性と一貫性を持ち得ない存在であることを明らかにしようとした。ゴッフマンはドラマツルギーによって「インプレッションの術策」(Impression Manegement)と「役割乖離」(Role Distance)の問題において「個人間葛藤」を発見し、アイデンティティ葛藤の分析に重要な貢献を果たし、この彼の社会学的手法によって理論的にも実証的にも社会学に新地平を開拓したとされる。その一方でインプレッションの術策を駆使する主体、すなわち「自己提示」を為すその主体は何者であるかの問いには答えていない為に「個人内葛藤」という重要な課題を残した。このような課題を解決する方法として、ゴッフマンの提起した自己の複数モデルから、更に個人の生活史が有する主体的な意味を考慮し時間的連続性の視点を加えた、個人のアイデンティティを統合する核心的自我(自我同一性)を想定する単一的自己モデルが提唱され、エリク・H・エリクソンのアイデンティティ理論を応用する社会学(「生活史の社会学」・「精神分析的社会学」)へとつながった。
出典:wikipedia
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