潮汐(ちょうせき、)は、主に他の天体の潮汐力により、天体の表面などが上下する現象である。地球の海面の潮汐である海洋潮汐・海面潮汐が広く知られているが、湖沼でも琵琶湖、霞ヶ浦程度の大きさがあれば起こる。また液体でなくても、大気(大気潮汐)や固体地球(地球潮汐)にも、また他の天体でも起こる。しおともいう。漢字では潮と書くが、本来は「潮」は朝のしお、「汐」は夕方のしおの意味である。なお原義としてはこれだが一般には海に関するいろいろな意味で「潮」が(まれに「汐」も)使われる。海(や大気)のように天体の表面が流体で蔽われている場合、潮汐にともない、表面が下がるところから上がるところへ流体が寄せ集められるために流体の流れ(水平動)が生まれる。これを潮汐流(「潮流」とも)という。潮汐という言葉でこれを指すこともある。海面は潮汐力以外の要因でも上下し、気圧差や風によるものを気象潮という。代表的な気象潮は高潮(たかしお)である。気象潮と区別するため、潮汐力による潮汐を天体潮・天文潮ということがある。地球の場合、自転に従い上下動は約半日周期で変動する。海水面が最も高くなる時を高潮(こうちょう)・満潮(まんちょう)・満ち潮(みちしお)、海水面が最も低くなる時を低潮(ていちょう)・干潮(かんちょう)・引き潮(ひきしお)といい、これらの現象をあわせて干満(かんまん)という。高潮や低潮の際には海面の昇降が停止したように見えるが、この現象を停潮(ていちょう)という。高潮時と低潮時との水位差を潮差(ちょうさ)という。ある地点での干満は通常1日2回ずつあり、干潮から次の干潮まで(あるいは満潮から次の満潮まで)の周期は平均約12時間25分ある。よって、干満の時刻は毎日約50分ずつ遅れてゆくことになる。したがって1日1回の日も年に数回ある。1日にそれぞれ2回ずつ高潮と低潮がある場合を1日2回潮、それぞれ1回ずつの場合を1日1回潮という。そして1日2回潮の場合に午前と午後それぞれの高低潮の差を日潮不等といい、高い方の高潮を高高潮、低い方の低潮を低低潮と呼ぶ。なお、干潮、満潮の時刻は、海洋や港湾の海水の固有振動のため、月や太陽が最大高度になって潮汐力が極大になる時刻とは一致しない。潮の満ち干の周期、並びに大きさの表記(潮名)については、2011年現在いくつかの定義が併用されている。スポーツ新聞や釣り雑誌などに掲載される潮見表でもどの方式を採用しているかはまちまちのため、同じ日・同じ地点の潮がある新聞では「大潮」なのに別の新聞では「中潮」と表記されることも珍しくない。その名の通り旧暦すなわち太陰太陽暦(実際は太陰暦でも同様)で採用されている方式で、月齢を元にしたサイクルで潮の満ち干の大きさを定義する。日本気象協会では現在もこの方式による潮見表を提供している。潮の大小は、月と太陽の位相(黄経差)でほぼ決まる。位相差と月齢は、月の運行が一定ならば比例関係にあるが、実際には月の運行は一定でないため、若干の誤差がある。加えて、旧暦の日付を使う場合は、単位に1日の精度しかないことによる誤差もある。そのため、位相そのものを使った方が、より正確に潮の大小を表せる。現在、気象庁と日本水路協会がこの方式による潮見表を発表しているが、両者は黄経差と潮名の対応が微妙に異なる。日本水路協会のものについては、日本水路協会海洋情報研究センターの略称を用いた「MIRC方式」と呼ばれることが多い。この2つの差異は1点のみである。陸地の沿岸では潮汐波の速度が落ちるため、大潮の中心が0度・180度、小潮の中心が90度・270度とはならず、少し遅れている。この遅れは、緯度や地形により異なるが、どちらの方式でも一定におかれ、MIRC方式は7度、気象庁方式は12度としている(時間に換算するとそれぞれ約14時間と約24時間)。差は5度で、たとえば、気象庁方式で「36 – 72度」の場合、MIRC方式では「31 – 67度」になる。以下に気象庁方式による定義を示す。潮汐は、潮汐力(起潮力ともいう)によって引き起こされる。潮汐力は、重力場の強さが場所により異なることで生まれる二次的な力である。海洋潮汐の原因となる潮汐力は、月や太陽などの天体によって地球のまわりの重力場に勾配が生じることで起こる。つまり、天体との距離の二乗に反比例して引力が弱まることと、地球上での場所が違うと天体からの引力の方向も異なることに起因する。地球は重力場の中を自由落下している。そのため、外部の重力と逆向きの慣性の力が生まれ、地球全体としては重力場を感じない。しかし、地球の重心から離れた地点の重力場が地球の重心と異なる場合、その差分に応じた重力場があるように見える。つまり、月の真下の海面では、月に近いため、地球の重心より強い重力場が働いており、より強く月にひきつけられている。逆に、月の反対側の海面では、地球の重心より弱い重力場しか働いていない。そのため、残りの地球のほうがより強く月にひきつけられ、海は取り残される。これらの位置では、上向きの潮汐力となる。衛星ラジオ局セント・ギガでは、かつて潮汐による音楽放送を実施した。
出典:wikipedia
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