『魁!!クロマティ高校』(さきがけ クロマティこうこう)は、野中英次による日本の漫画作品。及びそれを原作とする同名のテレビアニメ、実写映画。略称は「クロ高」。漫画は講談社『週刊少年マガジン』にて2000年34号から2006年24号にかけて連載。2002年、第26回(平成14年度)講談社漫画賞少年部門受賞。単行本は全17巻。2007年には作者の前作『課長バカ一代』共に小説化されている。2010年にはKPC版が発売されている。真面目で成績優秀な主人公神山が、悪の巣窟クロマティ高校に、不思議な経緯で入学してしまうということから始まるギャグ漫画。個性的なキャラクター達や、野中作品から終始漂う脱力系のお笑いが受け、野中英次の出世作となる。後期のエピソードの多くは、もはや高校という舞台が関係なくなってくるなど、良くも悪くもぶっ飛んだ作品として進んでいく。作品の全盛期では「人の心理」をテーマに使ったエピソードが多かった(もっともそれは野中作品全てに通ずるものがあるが)。タイトルは当初は映画名をもじったものだったが、中期 - 後半に入るとロックの曲名から取ったものが多い。サブタイトルやおまけページなどいたるところに小ネタが入っている。後の『未来町内会』には受け継がれなかったが、最後のページに担当のオチに対するコメントをつけており、笑いのツボの一つとしてコミックスにもそのまま掲載されている(通常の漫画作品では次回予告やあおりをつけており、コミックスでは削除される)。公式ガイドブック『クロマティ高校入学案内』(後述)では、担当が過去に載せたあおり文を振り返る企画が掲載された。また、ニッポン放送のラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』では、かつてこの作品のパロディとして「あとのり!クロマティ高校」というコーナーがあった。東京都立クロマティ高校、そこは選りすぐりの不良達が揃う、「ワルのメジャーリーグ」とも言われるほど恐れられている高校である(そして驚くほどのバカぞろいでもある)。主人公・神山高志は優等生ながらも、中学時代に助けてもらった親友と同じ高校に行くため「引き算ができれば入学できる(しかも面接がない)」というクロマティ高校を受験したのであったが、なんとその親友は不合格となってしまったため、結局神山1人が入学してしまう。それでも挫けず通っている内に、究極のバカ林田慎二郎や影の薄い前田彰、茶筒型のロボット番長メカ沢新一や、高校生なのか日本語が通じるのかすらわからないフレディ、それどころか明らかに本物のゴリラであるゴリラ(豪ヒロミ)、喧嘩は強いが乗り物に弱い竹之内豊、大財閥の息子・北斗武士と名前を名乗ろうにも必ず妨害が入るため名前を名乗れない子分など、クセの強い友人や仲間が増えてゆき、この異常な学校にも馴染んでいった。彼らと共に学校生活を送るうち、神山の校内における立場も向上していく。そんな中で、クロ高と敵対するバース高校の不良に捕らえられた前田を救出に向かったり、修学旅行の飛行機をハイジャックされてしまったり、唐突に野球部を結成してみたり、林田が謎の地底帝国で迷ったり、相撲部に参加したりなど、奇抜な高校生活をそれぞれ満喫するようになっていく。単行本第1巻にはクロマティ高校の沿革が書かれている。そして、入学案内でさらに加筆された。その後、校舎に再び隕石落下(フレディが連れ去られる)、修学旅行機がハイジャックされる(竹之内連れ去られる)、野球部の青木ヶ原での遭難、火事で校舎全焼、三度隕石落下などの出来事が起きている。なお実際には、「東京府立第○○中学校」と名のつく学校は東京府立第二十四中(のちに九中に統合され、北園高校となる)までしかない。四十九は元野球選手ウォーレン・クロマティの巨人(読売ジャイアンツ)時代の背番号にかけたものである。1922年には府立八中(のちの小山台高校)が設立されている(旧制中等学校・新制高校のナンバースクール一覧より)。原作では共学と紹介されているが実際は男子生徒しかおらず、小説版では男子校とされている。だが小説版終盤では海外の調査によってそもそも学校ではないとまで言われてしまう。それでも神山達が小説版の中で行った文化祭(2年秋)を境に優秀な生徒が少しずつ集まり、20年後には都内有数の進学校となったという。原則として声はアニメ版、ドラマCD版の声優。演は実写映画版での出演者。教師は他に二人登場しているが、序盤において神山以外の生徒はその存在を知らず(フレディの教室ではテストのために教室に現れている)、さらに小説版ではクロ高生全員(神山でさえ)が、校長の名前どころか教師の存在自体を知らないことになっている。コミックのサブタイトルはそれぞれ○○編というお題で名づけているのが特徴。サブタイトルは他作品で使用されたサブタイトルのパロディとなっている。表紙はそれぞれ違うキャラクターが登場する。また、通常コミックでは掲載されない雑誌時に編集者が最終ページの余白に付ける写植がそのまま掲載されている。雑誌のあおりなどには、作者や編集者がなぜ売れているのか疑問に思っている表現が何度も掲載されていた。連載中に2話にまたがるストーリーを前後逆に掲載してしまうハプニングがあった(同様のミスは『め〜てるの気持ち』や『電車男』でもあった)ほか、単行本編集の際に発覚した原稿のミスを修正しないまま単行本化したり、単行本でも巻数やキャラクターの設定を間違えるなどの手抜き振りがうかがえるミスが何度もあった。なお、コンビニコミック版でも最後のコメントを始め、担当による登場人物紹介やオマケ漫画も単行本と同様に掲載されている。『週刊少年マガジン』目次の作者近況欄はずっと「特になし」だったが、末期には広告として有料で貸し出された(料金は作者と応相談)。この枠には有名なものから無名なものまでさまざまな媒体が利用し、『やまだひさしのラジアンリミテッドDX』の番組宣伝が載ったこともあった。テレビ東京系列 (TXN) で全26話が放送された。テレビ東京では2003年10月2日から2004年3月25日まで放送。原作8巻までに収録されたストーリーの一部がアニメ化された。当時のテレビアニメとしては異例の15分アニメであった。1回の放送で原作の約3話分を放送していた。特に第1回は神山の入学エピソードなどが「詳しくは漫画を読んでいただこう」「漫画を読めばわかる」と大胆に話をカットし設定説明が詰め込まれていた。また第1回と第2回は一部ストーリーが重複している。毎回、オープニングの前に「この作品に出てくるキャラは不良です。絶対にまねしないでください。」と神山が注意を促すシーンが挿入されていた。この神山のナレーションは1話のみ抑揚の強いバージョンで、それ以外の回は普通のしゃべり方になっている。ナレーションは毎回異なった声優が担当したが、回によってはナレーションが存在しない回もある。桜井弘明が同時期に監督をしていたアニメ『デ・ジ・キャラットにょ』のキャラクターが特別出演している(逆に『デ・ジ・キャラットにょ』で、でじこがメカ沢の着ぐるみを着ていた)。神山の中学時代の親友・タバタくんは「コーカク高校」という『攻殻機動隊』との関連性を思わせる高校に進学した。原作では曲名が判明しなかった林田達のうろ覚えの歌がオープニング曲を歌っている吉田拓郎の人間なんてという曲になっている。年齢などによる配慮やギャグの一環として神山以外のクロ高生の行動の一部が変更されている。タバコを咥える代わりにスライム状の謎の物体が乗った棒を咥えている。酒を飲むシーンが他者のセリフによって分からないようになっている。また、セリフの「殺す」を「ころがす」、「タバコ」を「ゲタバコ」「タバスコ」、「クスリ」を「体に悪い事」に変更。これ以外にもパチンコやナイフなどを使用したシーンも描写が変更されている。「サブタイトル」と「脚本」の名義は特になし。「放送日」はテレビ東京の基準。データはProduction I.G公式サイトからの参考。テレビ東京のアニメ公式サイトにはなぜかテレビせとうちでの放送日時が「毎週火曜日」と記されている。2005年7月23日に『魁!!クロマティ高校 THE☆MOVIE』と題して公開。しかし、元読売ジャイアンツのウォーレン・クロマティが無断で名前を使用されたとして、公開中止を求めて提訴した。字幕でクロマティ本人とは無関係である旨を表示することで仮処分申請は取り下げられた。クロマティは配給会社と原作を連載している講談社を相手に損害賠償を請求する民事訴訟を起こして争う構えを見せていたが、その後については不明。なお、ランディ・バースやオレステス・デストラーデにも損害賠償の民事訴訟の引き込みをしたが、バースには「子供じゃないんだから」と笑われて、デストラーデに至っては「今でも俺達を日本のファンが覚えているだけ、いいじゃないか」と全く2人に相手にされなかった()。前半は原作を基にしたギャグ展開であったが、後半は北斗が咄嗟に付いた嘘から結成された「地球防衛隊」が、地球を支配しようとする宇宙猿人ゴリに乗っ取られたクロ高を取り戻そうとするオリジナル展開になった。宇宙猿人ゴリは特撮ヒーロー番組の『スペクトルマン』の悪役である。また、阿藤快が地球防衛隊のメンバーとして本人役で出演しているほか、松崎しげる、橋本真也も本人役で出演している。なお、橋本真也は映画の公開を目前に控えた2005年7月11日に急逝したため、彼にとっての遺作ともなった。喫煙シーンの差し替えなどは無い。オープニングでクロ高はすでに6回全壊したことになっている。
出典:wikipedia
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