ヘラクレスオオカブト(学名"Dynastes hercules")は、コウチュウ目(鞘翅目)・コガネムシ科・カブトムシ亜科・真性カブトムシ族に分類される昆虫の一種。世界最大のカブトムシとして有名である。種小名はギリシャ神話最大の英雄ヘラクレスに由来する。オスの成虫は頭角と胸角が共に長く、体長とほぼ同寸の角を持つ個体もいる。角を含めた全長は最大180mmに達するともいわれるが、確認されている最大数値(ギネス個体)はむし社(本社・東京都中野区)の調査によれば飼育下では2016年現在171.8mmで、また一般的に目にする「大型」といわれる個体は最大になる原名亜種・ヘラクレスの場合130 - 150mm前後である。いずれにせよ世界最長のカブトムシとされ、外国産カブトムシの代表格である。日本のカブトムシと同じく、メスの成虫には角がない。胸角と頭角はそれぞれ胸部と頭部についており、頭角は上下に動かすことができる。ヘラクレスオオカブトは相手の腹の下に胸角を入れ、頭角と挟み、持ち上げて投げる。胸角の内側に生えている褐色の毛はすべり止めの役目を持つ。産地や亜種によって様々な形状の特徴があり、胸角の太さや頭角突起の形状などで亜種を判断できるが、中には産地の重なる亜種もあり、特徴の目立たない個体もいる。小型の個体だと、胸角や頭角の特徴での判断が非常に困難。前翅は黄褐色を帯びるのも特徴である。黒い斑点の大きさや数、また全体の色合いの濃さなど、個体によって違いが見られるが、これは亜種による違いではない。前翅は湿度が高いと黒褐色だが、湿度が下がると黄褐色が濃くなる。また、油脂などの付着や栄養状態によっても黒褐色になる。飼育下では湿度が高くなったり、餌などの付着による汚れ、高栄養な餌による栄養状態の飽和により、黒くなった状態になることが多いようである。写真などで見ると、本種はだいたいが乾燥時のものである。同属のネプチューンオオカブトは、常に前翅が黒色で、2本の長い角のほかにも左右に1対小型の計4本の角を有しており、これによって本種と簡単に区別することができる。また、本種のメスの前翅は尻のほうのみ色づく。中央アメリカから南アメリカの熱帯の雲霧林に断続的に分布する。低地にも少なからず生息するが、大型になる亜種、また大型の個体は標高1000〜2000mの高山帯にしか見られない。成虫は夜行性である。昼夜を問わず広葉樹の樹皮や果実を自ら傷つけて樹液や果汁を吸汁してはいるが休息も兼ねており、飛翔などの活発な活動は夜間に限られる。生息地の付近に灯火などの光源があればしばしば飛来する。幼虫は朽木や腐葉土の中で1年半-2年程かけて成長するが、飼育下では1年半で羽化することも多い。オスでは蛹化前に100gを超えることも珍しくない。羽化後は成熟まで3〜6か月ほど要する。樹液や腐った果実を好み、それらを求めて地上を移動する。成虫の期間も長く、1年から1年半ほど生きる個体もいる。雨が降った後に活動が活発になる。現地には四季がないため一年を通して見られるが、採集例は8月、12月の雨季に多いようである。生息地である雲霧林は乾燥していると明い色、湿っていると暗い色に変化するので、湿度によって変色する前翅は保護色となる。基本的には日本のカブトムシと変わりないが、大型のカブトムシ全般に言えることだが幼虫・成虫共にカブトムシより更に大食漢である。量的な問題と、角が邪魔になる関係で、餌となる昆虫ゼリーは大きいものがよい。成虫の雄は飼育スペースが小さいとストレスで寿命が短くなってしまう。幼虫は羽化までに1年半〜2年程を要する。餌もカブトムシより発酵したものを好む。蛹室は横に長いため、飼育容器の大きさや形にも考慮する必要がある。幼虫の餌に牡蠣などの貝殻を粉状にして(石灰などは毒となるので使わない)混ぜて与え続けると、成虫になったときに前翅が青白くなる。以前から前翅が青い個体は「ブルーヘラクレス」などと珍重されオークションなどで高値で取引されてきた。古い標本状態での姿や、アーケードゲーム「甲虫王者ムシキング」で「ヘルクレスリッキーブルー」というムシキングカードが登場してから一般にも広く知れ渡るようになった。「リッキー」は亜種名である上「ブルー」の個体はヘラクレス全亜種に出現するため注意が必要である。近年では人工での羽化が可能になった。原名亜種・ヘラクレスが確率が最も高いがそれでも5%程度で、そのほかの亜種はわずか1%くらいしかない。ちなみに、現在の段階では通常個体品がブルー個体品と遺伝するのかどうかは分かっていない。
出典:wikipedia
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