多層建て列車(たそうだてれっしゃ)とは、ある列車が始発駅から終着駅まで運転する間に、異なる始発駅の列車あるいは異なる終着駅の列車と相互に分割併合しながら運転する列車をいう。建物の階層に例えて、2つの列車に分割されるものを2階建て、3つに分割されるものを3階建てのように称す。新幹線と並行在来線のような多層建て路線網や、Maxのような車両自体が2階建ての列車を意味するものではない。多層建て列車の長所としては、次のようなものがある。一方、次のような短所もある。国鉄時代には、7 - 8列車が関係するような大規模なもの(急行「陸中」など)も見られたが、新幹線の開業により接続駅からの乗換え連絡に改められたり準急・急行列車自体の減少などがあり、その数を減らしていった。JR発足後は、一転して分割併合運用を前提とした装備を持つ車両が多数新造されるようになり、ミニ新幹線による新在直通など積極的に支線区への直通を実施する例が見られる。以下の()内の区間は複数の列車を併結運転している区間。2つの列車を併結運転している例原則として、列車名のあるものについて示す。東北新幹線では多くの列車で、“ミニ新幹線+フル新幹線”の二階建て列車を構成しているが、ここでは代表的な列車を列挙する。新幹線が開業する以前は東北地方を中心に3階建て以上を組む列車も存在したが、新幹線開業に伴う急行列車を中心とする優等列車の整理・廃止に伴いこうした列車は少なくなり、2011年3月12日のJRダイヤ改正により日本国内において定期運行の3階建て列車は存在しなくなった。2012年3月時点における日本最後の定期運行の3階建て列車は、1992年3月25日から2011年3月11日まで鹿児島本線・長崎本線の博多駅 - 肥前山口駅間で併結運転を行っていた「かもめ・みどり・ハウステンボス」である。この併結は1976年の長崎本線・佐世保線電化に伴い運行を開始した「かもめ・みどり」の2階建て列車が母体で、1992年に「ハウステンボス」が運行を開始した際、博多駅 - 早岐駅間で「みどり」に併結することになったことから、列車によっては3階建て列車を組むことになった。なお、従来通りの「かもめ・みどり」の2階建て列車や、「かもめ」を欠いた「みどり・ハウステンボス」の2階建て列車も存在したほか、2000年代に入ると「ハウステンボス」編成を連結した「みどり」が「かもめ」と併結する場合も見られるようになった。車両は2000年3月10日までは485系電車、それ以降は783系電車が用いられている。2011年3月12日のダイヤ改正で「かもめ」が全列車単独運転となったことから、現在は「みどり・ハウステンボス」の2階建て列車のみが存続している。分割する際の乗り間違いを防ぐために以下の方法を用いるところもある。多層建て列車に似たケースとして、1つの列車の一部編成を途中駅で増結または解結することが挙げられるが、この場合は多層建て列車とはみなされない。「一部編成の増解結」も輸送力の調整法としてよく行われており、1960 - 80年代の東北地方の急行列車では多層建て列車と組み合わせての車両運用もよく見られた(詳しくは増解結の項を参照)。しかし1980年代以降の新幹線開業や、それに伴う優等列車の系統整理により、こうした列車は急速に数を減らしていった。2015年3月現在、JRグループの優等列車で、多層建て列車を組みかつ一部編成の増解結を行う列車としては、特急「しおかぜ21号」が挙げられる。岡山駅発宇和島駅行きの「しおかぜ21号」は岡山駅を5両で発車するが、宇多津駅で高松駅からの「いしづち21号」(2両)を併結。宇多津駅から松山駅間は7両で運転するが、松山駅で「しおかぜ」の後ろ2両および「いしづち」を解結し、3両で宇和島駅に向かう。また、特急「ひだ5号」は名古屋駅発であるが、岐阜駅で大阪駅発の「ひだ25号」を連結する。高山駅で「ひだ25号」を解結し、「ひだ5号」のみで終着の飛騨古川駅に向かう。なお、高松駅 - 坂出駅間で「いしづち21号」に乗車し、松山駅を越えて宇和島駅方面に行く場合や、大阪駅 - 大垣駅間で「ひだ25号」に乗車し、飛騨古川駅まで行く場合はいずれも車両の移動が必要となるが、特急料金は直通するものとして計算される。2011年3月11日までは「しおかぜ9・22号」(運行は21号と同様)「みどり23号」(肥前山口駅で「かもめ」と分割し、早岐駅で一部編成を解結する)も多層建て列車で一部編成の増解結を行う列車だったが、3月12日のダイヤ改正により「しおかぜ9・22号」は松山駅発着となり、「みどり23号」は「かもめ」との併結がなくなったため、それぞれこのパターンからは外れた。
出典:wikipedia
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