支庁(しちょう)とは、都道府県知事の権限に属する事務を分掌させるため、必要な地に条例により設けられる都道府県の総合出先機関を言う(地方自治法155条)。また、その管轄地域自体を指す場合もある。同様の機関として地方事務所、支庁出張所が同条に挙げられている。なお、これら都道府県の出先機関である支庁や支庁出張所、地方事務所には議会や知事などはおかれず、旅券発給や納税証明書発行等の窓口業務など、管轄地域ごとに行った方が効率のよい一部の業務を担当している。1871年7月の廃藩置県後、同年11月末までに府県は3府72県となったが、その後も府県の統合が続き1881年には3府43県まで整理された。この際に統合された旧県の旧県庁所在地などに支庁を置く例が多く見られた。これらの支庁は、府県の統治機構が整備されて府県全域の統合が進む一方で、1878年の郡区町村編制法によって設置された郡長と郡役所が府県の出先機関としての機能を持つようになったために、その多くが廃止された。北海道の支庁は、1897年、郡役所の代わりとして設置された。少ない人口が広い土地に分散している北海道では、郡という区画では狭すぎたためである。北海道で市制が施行された1922年、支庁が再編されて14支庁となった。北海道以外の府県では、1926年の内務省告示(大正15年告示第82号)によって同年7月1日に18府県で25の支庁が設置された。これは同年の地方官官制改正により府県の出先機関としての郡長・郡役所が廃止されたことに対応して(地方自治体としての郡[郡会・郡参事会]は1923年の郡制廃止によって廃止されている)、交通不便な遠隔地や離島などについて県の出先機関を存置したものである。東京府や島根県、長崎県などの離島では従前の島庁が支庁に改組された。1942年の地方官官制改正により事実上の郡長・郡役所の復活に当たる地方事務所が設置されると、これらの支庁のうちの多くが地方事務所に改組された。ただし、後に地方事務所の統合によって支庁が新設された例もある。その他、もともと共通法で内地とされ1943年には法令上の特例が廃止・正式に内地編入された樺太の4支庁も北海道に準ずる。1947年5月3日に施行された地方自治法では、北海道の支庁も含めて都道府県の事務を分掌する出先機関は各都道府県が条例で定めることとなった。現在では地方事務所・支庁のほか、地方振興局・行政センター・県民局などの名称を用いている府県もある。その他また、一部の市町村のみに総合出先機関を設置している都府県もあり、総合出先機関を設置していない府県もある。逆に、市町村が所管する事務の一部または全部を複数の市町村で協同で行うための制度として、事務組合・広域連合がある。なお、アマチュア無線等の世界において、伊豆諸島の支庁などを便宜的に郡扱いしているため、「支庁」を住所の一部だと誤解している例が見られる。例えば伊豆大島の大島町は「東京都大島支庁大島町」ではなく「東京都大島町」が正当である(東京都島嶼部に「郡」はない)。以下は共通法1条で内地とされた地域で、戦後、設置条例が制定されており、かつ、条例あるいは条例に基づく規則等において、地方自治法第155条第1項を根拠とすることがうたわれているものを挙げる。北海道では、それまでの支庁を、2009年度10月以降に総合振興局・振興局に再編することが決定。2008年6月28日の道議会で、14支庁を9総合振興局に再編し、その下に総合振興局の出張所として5振興局を置くこととする条例が可決された。しかし、縮小の対象となった、檜山支庁、日高支庁、留萌支庁、根室支庁、石狩支庁の支庁所在地を抱える管内各自治体はこの再編案に反発し、また、再編する際に必要な公職選挙法の改正が先送りされ(北海道では衆議院小選挙区区画区分を支庁管内境界で区分している)、2009年4月実施は不可能となり、当初の条例は施行されず、結局、2009年3月31日の道議会で、「北海道総合振興局設置条例」が、改正・改称され、総合振興局・振興局改称後も、どちらも地方自治法上の支庁の扱いになった。総合振興局は、隣接する振興局管内の広域行政を担うことができる、網走支庁がオホーツク総合振興局となる以外は名称は現在の支庁名を継承する、幌延町が留萌支庁管内から宗谷総合振興局管内・幌加内町が空知支庁管内から上川総合振興局管内に移る、などが定められた。2010年4月1日より適用された。2006年度から2007年度にかけて設置。(県税及び土木に関する事務は分掌していない。)※ 政令指定都市の横浜市と川崎市を所管するセンターは設置されていない。(相模原市は県央地域県政総合センターが所管)※ 西濃振興局揖斐事務所は揖斐郡、中濃振興局中濃事務所は関市、美濃市、郡上市、東濃振興局恵那事務所は中津川市、恵那市を管轄。2001年(平成13年)に10県民局体制が発足したが、県の権限が政令指定都市・中核市に移譲されている地域については2014年(平成26年)より小規模な県民センターに改組されて7局3センター体制となった。2013年に東部総合事務所(鳥取市)、八頭総合事務所(八頭郡八頭町)が廃止され、業務は県庁各部署に移管された。また、日野総合事務所は西部総合事務所日野振興センターに再編された。※ 鳥取市、岩美郡岩美町、八頭郡若桜町、智頭町及び八頭町は県庁直轄。2004年度までは壱岐・対馬・五島の3支庁、2008年度までは同地方局これらの府県では、分野ごとの出先機関(地方自治法第156条にいう「保健所、警察署その他の行政機関」や、第158条にいう「内部組織」。例:福祉事務所、土木事務所 等)を県内各地に設置している。※千葉市及び市原市は県庁直轄支庁所在地の後ろは管轄区域※は1942年12月1日、またはそれ以前に廃止最終的に豊原・敷香・真岡・恵須取の4支庁に再編された。各支庁所在地は1945年8月の名称。共通法で内地とされなかった、いわゆる外地においても支庁設置の例がある。委任統治領の統治機関として設置された南洋庁も管轄区域を分けて支庁を設置していた。
出典:wikipedia
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