マリラ語(まりらご)はタンザニア連合共和国の南西部にあるンベヤ(Mbeya)というところの山岳地帯(標高2000m前後)で話されている民族語。バンツー諸語の一つで、文字言語はない。主な話者はマリラ人(約60,000人)。ニャキュサ語、サファ語、ニハ語、ンダリ語。マリラ語の名詞は、「オーグメント-クラス接辞-語幹」という基本構造をしている。たとえば、"ishimalila"「マリラ語」の場合、"i-shi-malila"と分解できる。オーグメント(Augment)とは主として名詞の冒頭につく母音のことで、マリラ語の場合は/i,a,u/の3種類の可能性があるが、どの母音がつくかは名詞のクラスに依存する。クラスとは、名詞を形態論的(文法的一致で現れる外部の形態も含む)に分類した後に述べる範疇のことで、マリラ語に関しては、1~18クラスが見られる。この番号はマリラ語の属するバンツー諸語研究で頻繁に用いられるラベルである。ishimalilaは、7クラスに属し、"-shi-"が7クラスの名詞のクラス接辞である。これらのクラスは形態論上の特徴で分類されているので、単数と複数がそれぞれクラス番号を与えられている。おおむねの単数/複数の組み合わせは、1/2、1a/2、3/6 (または 3/4)、5/6、7/8、9/10、11/10(または 11/6)、12/13、14/10(または 14/6)である。15クラスは動詞不定形である。16、17、18クラスは場所クラスと呼ばれるもので、単複の概念が形態論上見られない。なお、4クラスはマリラ語にはないものと考えられ、スワヒリ語からの借用語にのみ用いることが可能であるが、それでも、3/6の組み合わせを用いるのが一般的である。"ishimalila"(7)「マリラ語」は複数のない語である。(括弧内はクラス番号)クラスには、ある程度担っている意味などの傾向がある。ただし、傾向であるので、絶対ではない。通常、"inyumba"(9/10)「家」(nyは硬口蓋鼻音)と言われるものが、クラスを替えて"ahayumba"(12/13)とすると、小さくて良いというニュアンスを持つ「家」になり、さらに、"ishiyumba"(7/8)とすると、悪い、古ぼけたというニュアンスの「家」になる。というように、通常名詞が属している以外のクラスの使用は、新たな意味のを含意させる。その点では、日本語の助数詞と近いものがある。(人が一人、馬鹿が一匹など)動詞不定形はクラス接辞ku-を付ける。不定形は名詞的な「~こと」を表す他に、副詞的な「~ために」の意味も表す。kubomba(する)、kujenda(行く)、kulya(食べる)、kumwela(飲む)、kulola(見る)、kulonga(話す)、kugona(寝る)、kugoga(殺す)定動詞の基本構造は「(関係接辞)-(主語接辞)-(否定辞)-(時制接辞)-(目的接辞)-語根-(派生辞)-末母音」である。括弧は場合によってはないことをあらわす。よって、最小の構成単位は「語根-末母音」となるが、これは命令形である。-bomb-「する」に末母音aを付けて、"bomba"「せよ」という2人称単数に対する命令形になる。時制には遠過去、近過去、瞬時過去、現在、完了現在、近未来、遠未来などがある。ただし、他にもある可能性が残されている。-bomba-「する」を用いると次のようになる。主語接頭辞(主辞)は、動詞につく接辞の一種で、動作主や動作の主体を表す。人称と名詞クラスに一致して形態が交替する。-inza(良い)、-biibi(悪い)、-tali(長い・遠い)、-fupi(短い)、-zelu(白い)、-iilu(黒い) 「おはよう」mwagona(返事はeena)、「ありがとう」wasalipaマリラ人の住む場所のことをスワヒリ語でウマリラという。ウマリラには17校程のプライマリースクールがあり、スワヒリ語は小学生から話すことが出来る。老人にはスワヒリ語を話せない人もいる。ウマリラは電気がまだ来ていない。が、衛星放送を見る施設がある。小学生、大人の女性は靴、サンダルを履かないことが多い。キリスト教が多数。土着宗教があるが老人がほとんどで、この土着信仰者のことをキリスト教徒は軽蔑して無信教者(umpagani/abapagani)と呼ぶ。日本人もウンパガニである。また、聖書をひっくり返して読み、太鼓を叩く中、悶え倒す宗教がある。キリスト教徒は悪魔の宗教(idini la amasheetani)と呼ぶ。また、ウマリラの外れのニャキュサとの境に、自称マラシ(ニャキュサ語で竹、malasiのこと)という人々が住んでいる。彼らは一氏族で、村全体が呪術者なのだという。呪術者が使う不思議な石(?)イーティバ(iitiba)なるものが存在する。伝承が少ないマリラ人において、このイーティバについてはいろいろ言い伝えがある。この石にはいろいろな力があると信じられており、非常に大切にされていて見せてもらえない。外に出すと力が弱くなるらしい。その石に触れた者の起こす症状は、聞いたところ放射能に被爆したのと同様である。また、ウマリラには、飛行機の計器を狂わす山がある。大きな隕石があるのかもしれないが、その山には大きな大蛇がいて、それがイイティバと関係があるのだと語るものもいる。主食はとうもろこしのウガリ(uggali)とマハラゲ。農作物はとうもろこし(amangaagu)、シコクビエ(uwulezi)、ジャガイモ(intafwaanya)、マハラゲ(imponzo)など。川が2本ほど流れているが、森林伐採のためほとんどの山は裸同然。20年後には水が枯れると言われている。最近はようやく植林の意識が出てきた。アメリカ同時多発テロ事件以前は、政府の方針によりウマリラ一帯で除虫菊(ipaleeto)を栽培していたが、品質は最低ランクを付けられ(実際に良くなかった)、南アの企業に支払いなしで持っていかれるなどの被害にあった。その上、事件以降は、除虫菊の国際市場が停止していたこともあり、現在ウマリラで除虫菊を栽培するものはあまり見かけない。牛(ing'ombe)、ヤギ(imbuzi)、豚(inbulubi)、ニワトリ(inkuku)、ウサギ(ukalulu)、アヒル(ibaata)。牛の飼育率は1人につき0.5頭。日常的にはヤギ肉を食べる。牛と豚は市場の日に屠殺する。ニワトリはお祝いなどで食べるが、12月からの雨季に、例年病気が蔓延して大量に死ぬ。12月から4月くらいまで雨季で、大雨季の最初には大量の氷が降る。7月から11月は乾季で、朝は氷点下近くまで冷え込む。ンベヤのバスセンターからンバリジ(Mbalizi)までダラダラ(乗り合いバス)に乗るか、タクシーで3500Tsh~5000Tshほどで行く。Mbaziliのメインストリートの突き当たりから早朝と昼過ぎにトラックが出るので、そのトラックに乗れば(1000Tshくらい)、1時間ほどでイレンボに着く。宿はない。
出典:wikipedia
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