ファイナルファンタジーシリーズ(、略称:FFシリーズ)は、日本のゲーム設計者坂口博信によって生み出され、スクウェア・エニックス(旧スクウェア)によって開発・販売されているRPGのシリーズ作品(一部MMORPG、アクションRPG)。CGアニメ、アニメでも展開されている。1987年に発売された『ファイナルファンタジー』を第1作とする日本製のRPGシリーズ。派生作品を含め様々な世界観を持った作品が数多く発売されており、シリーズ全タイトルの世界累計出荷本数は1.1億本以上(48作品)(2014年3月時点)を数える。国内を代表するゲームシリーズの一つである。本シリーズのタイトル名称は「略称が"FF"(エフエフ)となること」を前提として考案されたものである。当初は『ファイティング・ファンタジー』というタイトル案も候補に挙がったたが、同名のボードゲームが既に存在していたため、現在の名称に変更したとされる。一方、第1作制作当時、それまでのスクウェアの業績が芳しくなく、制作者たちの間でもおそらく最後の作品、「最後の夢」になるであろうという意味を込めて『ファイナルファンタジー』と名付けられたという説も存在するが、坂口博信は「確かに当時は背水の陣だったけれど、Fで始まる単語ならなんでもよかった」と状況は肯定しつつも、名付けには直接関係はないと否定している。前述のとおり、開発スタッフは「FF(エフエフ)」という略称を想定し、現在公式な略称は「FF」とされるが、「ファイファン」と呼ぶ人もいる。第1作『ファイナルファンタジー』から第6作『ファイナルファンタジーVI』までは、一貫して任天堂の家庭用ゲーム機(ファミリーコンピュータ、スーパーファミコン)向けにソフトが開発・販売されていた。しかし『ファイナルファンタジーVII』以降は、ソニー・コンピュータエンタテインメントのゲーム機であるPlayStationシリーズ向けソフトとして開発・販売されている。マルチプラットフォーム化により、『ファイナルファンタジーXIII』シリーズではマイクロソフトのXbox 360向けにも開発・販売されている。以前は、PS3などの家庭用ゲーム機のスペックに合わせて開発されていたが、『ファイナルファンタジーXV』などではDirectX(PC)上でオリジナルを作り、そこから最適な移植を行う方針に変更されている。『ファイナルファンタジーVII』をPlayStationで開発したことをきっかけに、それまでハードウェアを供給し続けてきた任天堂とスクウェアは険悪な関係になった。これは、大容量のメディアを採用したハードを求めていたスクウェアの開発姿勢と任天堂の方針が大きく食い違っていた事が原因だった、と後のインタビューで語られている(そのためスーパーファミコンの末期のスクウェアタイトルは、ソフトの発売スケジュールが全て繰り上げられた)。詳細はスクウェア・エニックス#任天堂との関係参照。これ以降、長らくスクウェアは任天堂のハードでFFシリーズを開発することはなかった。その中で、携帯ゲーム機市場においてスクウェアは大きな苦戦を強いられることとなる。2000年以降、スクウェアはFFシリーズのスピンオフ作品である『はたらくチョコボ』を皮切りにバンダイの携帯ゲーム機であるワンダースワンに参入し、その後FFシリーズ初のリメイク作品をリリース。しかし、携帯ゲーム機市場における任天堂のゲームボーイシリーズの圧倒的優位は揺るぐことがなく、ワンダースワン自体が短命ハードとして市場から姿を消していった。代表取締役社長が和田洋一に交代、方針転換してからは関係が改善し、ゲームボーイアドバンス用ソフトとして外伝的作品『ファイナルファンタジータクティクスアドバンス』や『チョコボランド』などがリリースされる。その後、スクウェアとエニックスの合併を経て、ゲームキューブ用ソフト『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』が発売。任天堂ハードでの新作FFとしてシリーズ化されている。また、2004年からはナンバリングタイトルの移植・リメイク作品が任天堂の携帯ゲーム機向けに発売されるようになった。同年7月には『ファイナルファンタジーI・II アドバンス』を発売。2005年10月には『ファイナルファンタジーIV アドバンス』のゲームボーイアドバンスでの発売を発表すると共に "Finest FANTASY for ADVANCE" というキャッチフレーズで「携帯機完全移植計画」を開始。ゲームボーイアドバンス向けには2006年10月に『ファイナルファンタジーV』、同年11月に『ファイナルファンタジーVI』の移植版が、ニンテンドーDS向けには2006年8月に『ファイナルファンタジーIII』、2007年12月に『ファイナルファンタジーIV』のリメイク版が発売された。一方で、ナンバリング作品がPSフォーマットとX boxフォーマットの両方で発売されるようになった現在でも、任天堂フォーマットでは『ファイナルファンタジーVII』以降のナンバリング作品は発売されていない。(例外として、PS2で発売された『ファイナルファンタジーXII』の派生作品として、『ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング』がニンテンドーDS向けに発売されている。)ドラゴンクエストシリーズがバーチャルコンソールを一切出さないのに対し、本シリーズはFC・SFC版の各種作品が各バーチャルコンソールで販売されている。初代『ファイナルファンタジー』は、1987年12月に日本で発売された。タイトルにナンバリングが振られている続編が数多くあるが、それらナンバリングタイトル間において、ストーリー上のはっきりとした関係はない。それぞれの作品世界は、いわゆるパラレルワールドのような位置付けとなっている。多くのシリーズのゲームは、北米、欧州、豪州の各市場向けにローカライズされている。また、多数のゲーム機、PCそして携帯アプリ向けにも発売されている。2007年3月時点で、28のゲームが存在する。この数字には、『ファイナルファンタジー』から『ファイナルファンタジーXIV』までのナンバリング作品の直接の続編とスピンオフ作品が含まれている。多くの旧作品は、複数のプラットフォーム向けにリメイク・移植されている。初期の3つのファイナルファンタジーシリーズは、任天堂のファミリーコンピュータをプラットフォームとした。『ファイナルファンタジー』(第1作)は、1987年に日本で、1990年に北米で発売された。据え置きゲーム機のRPGジャンルに多くの新しいコンセプトを導入した。複数のプラットフォーム上でリメイクされている。『ファイナルファンタジーII』は、1988年に日本で発売された。『ファイナルファンタジーIII』は、1990年に日本で発売され、ファミリーコンピュータ上での最後の作品となった。2006年にニンテンドーDS上でリメイクされるまで移植されなかった。続く『ファイナルファンタジーIV』から『ファイナルファンタジーVI』までの3作品は、スーパーファミコン上で製作された。それら全てが他のプラットフォームに移植されている。『ファイナルファンタジーIV』は、1991年に発売された。北米では当初 "FINAL FANTASY II" として発売された。アクティブタイムバトルシステムが初めて導入された。『ファイナルファンタジーV』は、1992年に発売された。ストーリー上の続編が、初めてOVA『ファイナルファンタジー』という形で作られた。『ファイナルファンタジーVI』は、1994年に日本で発売されたが、北米では "FINAL FANTASY III" として発売された。続く『ファイナルファンタジーVII』から『ファイナルファンタジーIX』までの3作品は、ソニー・コンピュータエンタテインメントのPlayStation用に発売された。1997年に発売された『ファイナルファンタジーVII』は、それまで使われていた2Dグラフィックスではなく3Dグラフィックスを使った最初のシリーズ作品である。その後のシリーズ作品は全て3Dグラフィックスを用いて作られている。『FFVII』では、ポリゴンのキャラクターがプリレンダリングされた背景に登場している。また、『FFVII』はより現代的な設定を導入し、そのスタイルは後のシリーズにも受け継がれていった。『FFVII』はヨーロッパで発売された最初のシリーズ作品でもある。『ファイナルファンタジーVIII』は、1999年に発売された。『FFVIII』は、より写実的なキャラクターと音声を、テーマ音楽を元に一貫性を持って使用した最初の作品とされる。『ファイナルファンタジーIX』は、2000年に発売された。『FFVII』や『FFVIII』のような現代的な世界ではなく、FFシリーズの伝統的な世界設定に戻されている。『FFX』-『FFXII』までのシリーズは、オンラインゲーム1作を含めてPlayStation 2 (PS2) で発売された。2001年に発売された『ファイナルファンタジーX』は、フル3Dのフィールドとキャラクターボイスを採用した初めての作品である。また、直接の続編となるゲーム『ファイナルファンタジーX-2』が作られた初めてのシリーズ作品でもある。『ファイナルファンタジーXI』は、2002年にPS2とPCで発売され、後にXbox 360でも発売された。シリーズ中では最初のMMORPGである。同様に、この『FFXI』はリアルタイムでのシームレスな戦闘システムをランダムエンカウントの代わりに使用した初めての作品である。『ファイナルファンタジーXII』は2006年に発売された。前作と同様に、相互接続されたフィールドでのリアルタイムでの戦闘システムを用いている。2009年に、『ファイナルファンタジーXIII』がPlayStation 3 (PS3) 用ソフトとして日本で発売され、翌年北米とヨーロッパでもPS3とXbox 360で発売された。『FFXIII』は、ファブラ ノヴァ クリスタリス ファイナルファンタジーと呼ばれる一連の作品のフラグシップタイトルである。MMORPGである『ファイナルファンタジーXIV』は、世界中でWindows用ソフトとして2010年に発売され、後にPS3・PS4上でも発売された。ファイナルファンタジーは多くのスピンオフ作品とメディアミックスを生んだ。大型の作品としては『FFX』、『FFXIII』の続編としてそれぞれ『FFX-2』、『FFXIII-2』『FFXIII LightningReturns』がある。また、色々な追加点を加えたインターナショナルシリーズがFFⅦとFFⅩで発売されている。 スクウェア・エニックスは、アニメ、CGアニメーションを含む様々なメディア上にファイナルファンタジーシリーズを展開している。『ファイナルファンタジー (OVA)』は1994年に発売されたOVA。『ファイナルファンタジーV』の200年後の世界でファイナルファンタジーVと同様にクリスタルと世界を守るために勇者たちが戦うと言うストーリー。『』はGONZO制作のアニメ作品。記憶喪失の『黒き風』と呼ばれる男が、右腕と一体化した『魔銃』を持って微かに記憶に残る『白き雲』と言う男を宿敵とし、探し追い求めるストーリー。ゲーム固有のキャラクター名は登場するがゲームのファイナルファンタジーシリーズとは違うオリジナルの世界観となっている。『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』は2005年に発売されたOVA。 『ファイナルファンタジーVII』の2年後の世界が舞台。全世界累計出荷本数360万本という大ヒットを記録した。『キングスグレイブ ファイナルファンタジーXV』は2016年7月9日に劇場公開を予定しているフルCG長編映像作品。『ファイナルファンタジーXV」』と同じ世界で展開される、もう一つの物語で、ゲームと映像のメディアミックスの完全連動作品である。映像作品側では国王レギスの視点、ゲーム側では国王レギスの息子である王子「ノクティス」視点の話であり、父と子の絆が描かれている。『リアル脱出ゲーム×ファイナルファンタジーXIV 大迷宮バハムートからの脱出』は2017年2月から開催を予定している謎解きイベントの全国のZeppを巡回するライブハウスツアー。戦争終結から5年後のエオルゼアを舞台に様々な暗号や謎を駆使して1時間以内に巨大遺跡の地下深くで眠っているバハムートの復活を阻止する体験型謎解きRPGイベント。1980年代半ばに、スクウェアはシンプルなRPG、レーシングゲームといったゲームによって、任天堂のファミリーコンピュータ上で日本のコンシューマーゲーム産業に参入した。1987年に、スクウェアのゲームデザイナーの坂口博信は、エニックスの『ドラゴンクエスト』、任天堂の『ゼルダの伝説』、オリジンシステムズの『ウルティマ』シリーズなどからインスピレーションを受け、ファミリーコンピュータ向けに新しいファンタジーRPGを創作することを決定した。しかし、スクウェアは当時経営危機に直面していたため、坂口は新しいRPGがゲーム産業での最後の仕事になるだろうと考えており、もしも新しいゲームが売れなければ、会社を辞め大学へ戻ろうと考えていた。しかし坂口の予想に反して、『ファイナルファンタジー』は予期せぬ大きな売上を記録し、スクウェアの経営危機を救うこととなった。それどころか、『ファイナルファンタジー』はスクウェアの看板タイトルとなった。第1作の成功を受け、スクウェア社はすぐに続編の開発に着手した。しかし、坂口は『ファイナルファンタジー』を単独の作品として考えていたため、初期の作品は続編を開発しうるストーリー構成となっていなかった。そのため、後継作品はテーマ上の類似性や、いくつかのゲーム要素(例えばキャラクター成長システム)のみを受け継ぎ、ストーリー上の関係を持たないものとなった。このアプローチはシリーズを通して受け継がれている。FFシリーズのそれぞれの作品は、新しい設定やキャラクターを用い、戦闘システムは更新されている。テレビゲームライターのジョン・ハリスは、ゲームシステムの再構築とストーリー上の緩い繋がりを持つシリーズ構成は、日本ファルコムの『ドラゴンスレイヤー』シリーズに起源があると分析している。『ドラゴンスレイヤー』シリーズには、以前にスクウェアも開発に関わっている。FFシリーズには主人公が仲間の「死」に直面する場面がいくつかあるが、その理由として、FF3の開発中に製作総指揮・ディレクターを務める坂口博信の自宅が火災に遭い、母親が亡くなる事故が起きたことが挙げられている。坂口は「大切な人が死んでしまったときの、生き残った者の辛さをいやというほど味わいました。そして、どうやって、この悲しみを乗り越えていけばいいのか、生き残った者のすべきことはなんなのか、そんなことをいろいろと考えるようになりました。」と語り、以降のFFが「死」をテーマに扱う物語に繋がっていったとしている。シリーズ作品の中では共通の世界観として、あらゆる力の源である「クリスタル」を中心とする世界が描かれる事が多い。「クリスタル」にあたる位置に『FFVI』の「魔石」や『FFVII』の「マテリア」などがあてられる場合もあるが、その基本的な役割に大きな変更はない。ただ、『FFVI』以降に発売された作品では「クリスタルを中心とした世界」の枠にとらわれず、作品ごとに多彩な世界が描かれる傾向にある。ナンバリングタイトル同士の直接的な物語のつながりはなく、聖剣伝説、ファイナルファンタジータクティクスなどの外伝も続編として作られたものではない。『FFI』-『FFIII』-『FFV』間や、『FFII』-『FFIV』間、『FFVII』-『FFX』間、『FFIII』-『FFXI』間のように間接的なつながりを暗示するものもあるが、これらにおいても、あくまで古い作品のストーリーは新しいものの中で伝説・逸話として語られるにとどまっている。ただし一部の人物名、キーワード、デザインの中には、シリーズ共通のものもあり、シド(人名)、飛空艇、チョコボ、ビッグス&ウェッジ、ギルガメッシュ、ポーション、ギル(通貨単位)などは代表的な例である。シドは老人、中年、青年と、作品ごとに容貌や役回りは異なるが飛空艇発明家として登場することが多い。ほか、ほぼ全作品にバハムートと呼ばれる屈強な竜が登場するが、本来竜ではないこの神話的幻獣を、日本で竜のイメージとして定着させたのはこの作品によるところが大きい。『FFX』と『FFX-2』のように、同じ世界を使用した続編を製作する流れがあり、"COMPILATION of FINAL FANTASY VII" や「イヴァリースアライアンス」 "FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY" と共通の世界観を持つ作品群を複数発表している。『FFXII』と「イヴァリースアライアンス」のひとつである『FFXII RW』は、主人公を同じとしているが、続編ではないという位置づけで登場した。ハード環境の進展に応じて、ATB(アクティブタイムバトル)やアビリティシステムなど、常に新たなシステムを試みている。これは小改良のみで基本的なシステムの変更が無いドラゴンクエストシリーズなどとは異なる特徴である。また、美麗かつ大規模なグラフィック、映画のようなストーリー演出と、徐々に広がる世界のスケールの壮大さも本シリーズの魅力である。積極的にムービーやボイスを利用する演出も他の大作RPGシリーズとは異なる。しかし一方で、プレイヤーのストーリー進行の自由度が失われているという閉鎖的な見方もある。『チョコボの不思議なダンジョン』や『チョコボスタリオン』など、FFシリーズならではの“世界観”と他会社のソフトの“既存のシステム”を応用して製作される外伝作品も多い。シリーズ中では多くの音楽が使われているが、テーマは頻繁に再利用されている。第1作から作曲を担当していた植松伸夫の存在は、ゲーム音楽界で非常に大きいウエイトを占めており、2005年には米国のTime紙において「現代の音楽における革新者のひとり」として紹介されている。一般的なゲーム制作はゲームエンジンありきで行われることが多いが、FFシリーズはそれぞれの作品に応じて新規にゲームエンジンを作るスタイルを採用している。SFC版の『FFIV』以降は全て異なるゲームエンジンを使ってゲームを制作してきた。しかし、この方式では1作品ごとに新しいゲームエンジンを作ることになり開発費の高騰につながるため、ゲームエンジンをシリーズ内において共通化することが今後の課題となっていた。2007年にFFシリーズのための開発ツールとして「Crystal Tools」(クリスタルツールズ)が開発され、『FFXIII』『FFvsXIII』『FFXIV』で使用されている。ゲームエンジン「Luminous Studio」を使った技術デモではFF的要素としては次の項目が必要最小限として挙げられている。非FF的要素としては「流血・しみ」「しわ・肉体の欠損」といった項目が挙げられている。多くのファイナルファンタジーのゲームにおいて、ゲーム中の世界の支配を目論む対立者との戦いに焦点が置かれている。ストーリー中では独裁国家における反乱が描かれ、主人公たちのグループは反乱に参加することが頻繁にある。主人公たちは悪と戦うことを運命づけられていて、悪の行動の結果によって仲間が集結することが多い。シリーズの他の主題として、「複数の悪役が存在する」ということがある。最初に現れた敵は実際は他のキャラクターや組織の手下であり、その闘いの後に仲間となるケースが多い。また、真の敵は最初はそうだとは分からず、ストーリーが進んでいく中で敵対関係が判明していく。ゲームの最初に現れた主要な敵は常に真の最終ボスであるとは限らないため、プレイヤーは最終的な決着までにゲーム中のクエストを続けなければならない。シリーズ中のストーリーでは、頻繁に登場人物たちの精神的な葛藤、情熱や悲劇が強調される。そして、ゲームの主なテーマはキャラクターの個人的な生い立ちから世界をめぐる戦いにシフトしていく。また、愛や対立といったキャラクター同士の関係性も模索される。他に繰り返し現れるシチュエーションには、記憶喪失、主人公が悪の力によって堕落させられたり、アイデンティティを喪失したり、登場人物が他人のために自己犠牲を払ったりする状況がある。魔術的な力を持つ魔石やクリスタルも、ゲーム中のアイテムとして頻繁に再登場する。それらはゲームの中心的なプロットと結びついていることが多い。クリスタルは世界の創造で中心的な役割を持っており、多くのファイナルファンタジーのシリーズではクリスタルや魔石は惑星のエネルギーと関係を持っている。そのような世界で、クリスタルの所有や利用が物語中の中心的な衝突を引き起こす。四大元素の設定もシリーズ中で繰り返し表れるテーマであり、クリスタルや魔法といった要素にも使われている。。他によく使われるプロットやテーマは、ガイア理論、終末論や科学の発展と自然の対立などがある。過去に勃発した大きな戦争が、現在に暗い影を落としているという設定も多い。コンピュータRPGとしては、主人公とその仲間を操作して、モンスターとの戦闘を繰り返し経験値やそれに類するポイントを蓄積してパワーアップし、徐々に行動範囲を広げていき最終的に架空世界の危機を救う、といった典型的なものである。しかし、新作を出すたびにその時代における革新的なシステムを提示している。基本的にレベルを上げることで成長するが、「ジョブ」・「スフィア」といった要素のポイントを貯め、アビリティを習得していくことが中心になっている作品もある。作品ごとの独自のシステムについては、各作品のシステムの節を参照。本シリーズの戦闘シーンは、ドラゴンクエストシリーズなどに代表されるプレイヤー視点の形式と対照的に、『FFVI』までの2D作品では、プレイヤーサイドと敵サイドが向かい合い、その様子を横から眺めるという「サイドビュー形式」、『FFVII』以降の3D作品ではカメラアングルがめまぐるしく変化しながら戦闘の様子が映し出される形式となっている。『FFXI』『FFXII』以外はエンカウント制が採用されており、通常はあらかじめ設定されたエンカウント率に従ってバトルが発生する(いわゆるボス戦闘など、エンカウント率とは無関係に発生するバトルを除く)。なお、一部の作品においては装備によってエンカウント率を下げることも可能である。各キャラクターは打撃や魔法など、様々な手段で戦闘を進めていく。魔法についての詳細はファイナルファンタジーの魔法形態の項目を参照のこと。代表的な戦闘システムおよび戦闘に関する概要は以下を参照。作品に関連して頻繁に登場する用語で、独自の意味を持つもの。タイトルロゴは『FFIV』から統一したスタイルを採用している。ほぼ同一の書体のアルファベットで書かれたタイトルの背後にイラストが配置される。イラストは、各タイトルのテーマを暗示するものが多い。『FFI』、『FFII』、『FFIII』のリメイク版でもこの統一ロゴが使用されている。『FFIV』はDSのリメイク版でロゴが変更となった。『FFI』、『FFII』のPSPリメイク版のロゴはイラストのモデル自体は同じだが、新たに描き起こされている。初公開された時点では『FFXII』のような巨大なイラストだったが、発売直前に縮小された。FFCCシリーズでの統一ロゴのイラストは、GC版『FFCC』を除いて中央ではなく右側に配置されている。また、Wiiウェアの2作品はFFCCの表記が小さく副題が大きい。FC版の『FFI』のロゴは「ファイナルファンタジー」とカタカナで書かれたもので、フォントもまったく異なっている。『FFII』、『FFIII』ではアルファベットをデザイン化した独自のロゴが使用され、これらも『FFIV』以後のフォーマットとは大きく異なる。タイトルロゴの背後にイラストも配置されていない。『FFI』-『FFIV』では、ゲーム中に表示されるタイトルは商品パッケージのロゴとは別のデザインが使用されている。また、FFTシリーズのタイトルロゴもFFシリーズのものとはフォーマットが異なる。下記は、統一ロゴの一覧。幅広いファン層を誇り、歌手の加山雄三やノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊も、本シリーズのファンであると公言している。家庭用ゲーム機向けRPGとして先に人気を博したのは、登場の早かった『ドラゴンクエスト』である。同シリーズは、日本初の家庭用ゲーム機向けRPG作品であり、そのインパクトと影響は大きく、ファイナルファンタジーシリーズの生みの親である坂口博信はそのビジネス的成功を見て、「ファミコンでもRPGが作れると気づいた」と語っている。また、石井浩一も坂口が「ドラクエのようなRPGを作りたかった」と話していた、と述べている。『ドラゴンクエスト』に遅れをとる形になったファイナルファンタジーシリーズの第1作は「ドラクエの亜種」と評価されることもあり、評価が固まらなかった。しかしその後、両シリーズは「競争」しながら独自の路線を確立していくことになり、両者は「2大RPG」と呼ばれるまでに成長する。本シリーズの日本におけるソフト累計販売本数は、『FFVII』と『FFVIII』においてトリプルミリオンを続けて記録していたが、『FFIX』以降は作品によっては販売本数を減らしている。これに対し、ドラゴンクエストシリーズは『DQVII』で400万本の大台を叩き出した後も、『DQVIII』でトリプルミリオン、『DQIX』ではシリーズ最高の432万本を達成している。ただし、DQの「一番売れているハードで売る」というコンセプトに対し、FFは「FFで新しいハードの普及率を伸ばす」というコンセプトとなっているほか、発売周期もDQよりも短いため、単純に比較することはできない。なお、DQの全世界累計売上のほとんどが日本国内の売上であるため、世界市場での累計出荷本数ではファイナルファンタジーシリーズの方が大幅に上回っている。また、世界的な市場別での販売本数を見た場合は、タイトル(開発チーム)によって売り上げが大きく異なる傾向も見られる。2003年4月1日、ファイナルファンタジーシリーズの発売元であるスクウェアとドラゴンクエストシリーズの発売元であるエニックスが合併。2004年12月に発売された『ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリートSpecial』では両シリーズのキャラクターが共演し、2社合併の象徴ともいえる存在となった。このような歩み寄りは見られるものの、それぞれのシリーズの独立性は失われることなく保たれている。2009年を例に見ると、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』がニンテンドーDSで発売された一方で、ファイナルファンタジーシリーズは『ファイナルファンタジーXIII』がPlayStation 3で発売されており、両者の明確な路線の違いを見て取ることができる。
出典:wikipedia
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