『紅衣の公子コルム』(こういのこうしコルム)は、マイケル・ムアコックのファンタジー小説『エターナル・チャンピオンシリーズ』に登場する架空の人物で、『紅衣の公子コルム』シリーズの主人公。作中での本名はコルム・ジャエレン・イルゼイ(Corum Jhaelen Irsei)。コルムはムアコックのエターナル・チャンピオンの一人であり、メルニボネのエルリックやホークムーンなどの他のムアコックのキャラクターとも結びついている。このシリーズは、特に後半の三部作は古代ケルト神話の雰囲気を色濃く漂わせている。コルムは、ヴァドハーという古い種族の最後の生き残りである。ヴァドハーは、新しい種族であるマブデン(人類)に滅ぼされた。コルムはヴァドハーの公子であり、コルム・ジャエレン・イルゼイは「紅衣の公子コルム」を意味する。イギリスでは、前半の3冊は "Corum"、後半の3冊は "The Prince with the Silver Hand" というタイトルで出版された。アメリカでのシリーズ名はそれぞれ "The Swords Trilogy" と "The Chronicles of Corum" である。日本では、上記の6冊が〈紅衣の公子コルム〉と題されたシリーズとして早川書房から出版された。日本では永らく絶版状態が続き入手が困難であったが、2007年にハヤカワSF文庫から〈永遠の戦士コルム〉と題された新装版が刊行された。コルムの所属する世界は「一五次元界」のうちの一つであり、五つの次元ずつ三界に分かれて神々が支配している。神々はそれぞれが支配する領域から他の領域に移動することはできないが、配下の生き物を使役して干渉することはできる。また神々の支配下にない生物もある種の機械や特殊な能力を使って次元を移動することができる。コルムの種族は「ヴァドハー」と自らを呼び、長い寿命を持ち思索や芸術活動にその大半を費やしていた。ヴァドハーは家族単位で城を構え、種族同士の交流はほとんど途絶えている。ヴァドハーは「ナドラー」という種族と敵対していたがナドラーも高尚な文化を持ち、両種は敵対しながらも長い間交戦しておらず、そのために両者は戦う術を忘れていた。当時は両種族が「マブデン」と呼ぶ「人類」が新たに興り短命ながらも爆発的に増殖し、一部の好戦的なマブデンはまったくの異種族であるヴァドハーとナドラーを恐れ、かれらを絶滅させようと軍を進めていた。「紅衣の公子コルム」は永遠の戦士の一人であり他の戦士が登場したり、逆にコルムが他のシリーズに出演したりもしている。「剣の王」におけるヴォアロディオン・ガニャディアックの塔を巡る戦いではエルリックとエレコーゼが、ホークムーン・シリーズの「タネローンを求めて」(またはエルリックシリーズの「この世の彼方の海」)では逆にコルムがアガックとガガックの魔術師兄妹との戦いに参加している。「タネローンを求めて」のラストでコルムの最後が語られているが、こちらはコルムの本編の最後から後日談が付け加えられた形になっている。英雄の介添人であるジャリーは、ある程度次元を自由に行き来でき、その発言の内容からホークムーンに同行したことが窺える。呪われし公子ゲイナーはコルムの宿敵であるが、同時にエルリックの宿敵でもありエルリック・サーガ新三部作にも登場している。2001年、Darcsyde Productions は、コルムの設定やキャラクターを、ケイオシアムのテーブルトークRPG『ストームブリンガー』で使用できるようにしたサプリメントを発売した。
出典:wikipedia
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