小さな政府(ちいさなせいふ, )とは、民間で過不足なく供給可能な財・サービスにおいて政府の関与を無くすことで、政府・行政の規模・権限を可能な限り小さくしようとする思想または政策である。小さな政府を徹底した体制は夜警国家あるいは最小国家ともいう。基本的に、より少ない歳出と低い課税、低福祉-低負担-自己責任を志向する。「小さな政府」では、市場の失敗などが起きず民間でも問題なく運営・供給可能な事業においては、極力民間に行わせることを目指す。そのため、国営事業の民営化・私企業化(privatization)や、規制の撤廃、国有資産の売却などを行う。国家を財政面でとらえた場合の呼称は国庫であるが、市民社会における経済運営と国庫の問題はルネサンス期のイタリアに体系化されたものと見られ、都市の経済運営のため税を担保とした公債が発行された。この慣習が神聖ローマ帝国の諸領域国家に広まり、租税収入を担保に国王が有力商人に公債を発行する慣習がなりたちオランダでは市議会が皇帝の歳費を肩代わりする形で公債を引き受け課税権や徴税権を獲得してゆき、国富のうちで現実に近代的国民の全体的所有にはいる唯一の部分としての国債が成立した。富の偏在や貧富の格差拡大、犯罪の増加、社会不安の増加、世代間にまたがる富の偏在と固定化、教育機会の不均衡、職業の世襲的独占など「スタートの平等」が担保されにくくなる事が問題と指摘される。しかしこの批判について、小さな政府推進の立場の人々からはトリクルダウン(先行して資産家や企業が富める事が、結果としてそこからしたたり落ちた富によって全体が潤うという考え方)によってこの問題は解決されると主張され、これらの議論は堂々巡りを繰り返してきた。経済学者の井堀利宏は、所得・資産が多い者は税負担が大きい割りに政府からの見返りが小さいため「小さな政府」を支持するが、逆に所得・資産が少ない者は税負担が小さい割りに政府からの見返りが期待できるため「大きな政府」を支持するとしている。ただし、富者・貧者ともに税金が無駄に使われたり、不公平に分配されたりすることは望まないため、税金の徴収方法や使い道が不公平・非効率であれば財政に不満を抱く者が多くなるとしている。経済学者の松原聡は「小さな政府は、企業・個人の競争が激化し、貧富の差を生むというマイナス面もある」と指摘している。金融政策については、中央銀行の設置や通貨発行の独占を批判する議論が存在しており(自由銀行制度)、経済学者の小塩隆士は「『大きな政府』と『小さな政府』の間で、どのあたりが望ましいのか、つまり政府の最適規模を見つけることは不可能である」と指摘している。経済学者の伊藤修は「日本は『小さな政府』であり、国民負担も低い」と指摘している。
出典:wikipedia
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