『バガボンド』は、井上雄彦による青年漫画作品。原作は、吉川英治の小説『宮本武蔵』。1998年から『モーニング』で連載が開始された。単行本は2014年7月現在37巻まで刊行されている。2000年、第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第24回講談社漫画賞一般部門受賞。2002年、第6回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。剣豪・宮本武蔵を主人公とし、戦国末期から江戸時代の転換期、剣の時代の終わりがけを舞台にその青春期を描く。巨大な歴史の転換点で、出世の夢が破れた武蔵が剣士として自己を確立しようともがく様、また巌流島で武蔵と決闘したことで有名な佐々木小次郎を筆頭とする、武蔵と関わる複数の武芸者が描かれている。吉川の小説が原作だが、武蔵の実姉が描かれていなかったり、佐々木小次郎がろう者であったりと、キャラクターや物語には井上独自のアレンジが大きく加えられている。題名の「バガボンド(vagabond)」とは英語で“放浪者”、“漂泊者”という意味である。1600年、新免武蔵(しんめんたけぞう)は幼なじみ本位田又八に誘われ、立身出世を望んで故郷の村(作州・吉野郷宮本村)を出たが、関ヶ原の戦に敗れた。幼い頃より母の愛情も知らず、父には命を狙われ、村人には鬼の子として忌み嫌われ、生きる意味を見出せずにいた。しかし、沢庵に自分の存在を認めてもらい、再び剣の道に生きる志を立て、名乗りを「宮本武蔵」に改め、天下無双を目指し流浪の旅に出る。4年後の21歳の春、天下無双を目指す上で避けては通れぬ道と定め、剣の達人吉岡清十郎に挑戦するため、京の吉岡道場に木剣一本で単身乗り込む。道場の門弟達を圧倒し束の間慢心するも、後に現れた清十郎の瞬速の剣の前に一歩も動けず額を斬られ、続く吉岡伝七郎との試合いで終始互角に戦うも最終的には致命傷を負う。背水の陣を敷き、最後の一太刀を狙うが、伝七郎に「もっと強くなった貴様が見たい」と論され、一時京を離れ再び武者修行の旅に出ることになる。京を出たのち沢庵と再会し、共におつうのいる柳生へ行く事を誘われるがこれを断り、武蔵は奈良にある槍の聖地・宝蔵院へ向かう。しかしそこで出会った宝蔵院二代目・胤舜の圧倒的な槍術の前にかつて無い恐怖を味わい、敵前逃亡。苦悩し、己のちっぽけさを痛感することとなる。武蔵にとっては標的の一人でもあった宝蔵院の先代である宝蔵院胤栄に介抱され一時的に師事し、再び胤舜と対峙する。自身の殺気や死の恐怖を内に秘め、新たな境地に身を置いた武蔵は、紙一重の差で胤舜に勝利。傷が癒えた胤舜と「次は命を奪うことなく」再会を約束し、武蔵は宝蔵院を去る。次に武蔵は柳生へと向かう。そこでの柳生四高弟との対決や、領主柳生石舟斎との対峙により、武蔵は柳生の懐の深さを知る。柳生を去った武蔵は、雲林院村の宍戸梅軒に挑む。武蔵を見た梅軒は、武蔵を「たけぞう」と呼ぶ。何と梅軒は、辻風黄平の後の姿だったのだ。武蔵は激闘の末、梅軒に勝利する。単行本1〜13巻。時は関ヶ原の戦いから17年前へとさかのぼる。越前の片隅で生きる気力を無くし暮らすかつての剣豪・鐘巻自斎に長刀と共に拾われた赤ん坊佐々木小次郎。耳が聞こえず言葉を持たない小次郎は、剣によってのみ人との絆をつくり、最強への道を駆け上がっていく。第一章開始以前の武蔵や伝七郎らも登場。単行本14〜20巻。武蔵・又八・小次郎、共に22歳となる1604年暮れから1605年正月の京に舞台は移る。三人はそれぞれに接触し物語は動いていく。武蔵はかつて挑んだ清十郎・伝七郎兄弟に再び挑みそれぞれを破る。しかしその結果、吉岡一門全員との地獄のような戦いをすることとなり、70人斬りを果たし生き残るも右足の機能を失う大怪我を負う。煩悶の中で己を見つめ直した武蔵は、自分の中の答えを見つけるため、「己の全てをぶつけねばならない相手との戦い」を求め再び旅にでた。単行本21巻〜古くから京に栄えている、自らのすべてを「一(ひとつ)の太刀」に込めることを極意とする剣の名門。吉岡拳法の跡を継いだ吉岡清十郎が当主。流派名については伝七郎が柳生を訪れた際「京八流」を名乗った。名を笠に着て幅を効かせていることや、当主清十郎の放蕩により、住民からは陰口を叩かれている。武蔵とこの吉岡とは、清十郎への挑戦、伝七郎との約束、そして門弟からの憎悪によって長き死闘を繰り広げることとなる。上泉伊勢守秀綱が創始者となる流派。将軍家の兵法指南役にもなっている。槍の達人、宝蔵院胤栄が創始者となる流派。槍の聖地と言われる奈良の興福寺子院の宝蔵院(寶藏院)に、大勢の修行僧が集まっている。現在は胤栄は既に引退し、胤舜が宝蔵院・二代目を襲名したが、胤舜に反感を持つものも少なくはない。関ヶ原の合戦に敗れた西軍の兵士たち。主君とはぐれてしまったものの、再会を期して大阪を目指す。代々、刀研ぎを生業としている名門の家柄。現在光悦は引退し、光室が十代目の惣領として働いている。豊前小倉藩を統治する。武で鳴らす名門。
出典:wikipedia
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