『天 天和通りの快男児』(てん てんほーどおりのかいだんじ)は、福本伸行による日本の麻雀漫画作品。『近代麻雀ゴールド』(竹書房)にて、1989年から2002年まで連載された。単行本は全18巻。「理」によって麻雀を打っていた井川ひろゆきが、「理」以外のもので打つ天貴史と出会うことから物語は始まる。当初麻雀人情ものとして連載がスタートしたが、徐々に麻雀勝負ものへと移行した。この作品により福本伸行は従来の人情物作家から脱皮し新境地を開拓した。このため作者の漫画家としての成長過程をたどることができる作品ともなっている。本作品から派生した漫画に『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』(1992年 - )、『HERO -逆境の闘牌-』(2009年 - 、漫画:前田治郎、福本は協力として参加)がある。2003年12月11日にディースリー・パブリッシャーのSIMPLE2000シリーズ Ultimateから『闘牌!ドラマティック麻雀 天 天和通りの快男児』がPlayStation 2用ソフトとして発売された。麻雀の「理」に対して深い造詣を抱き、大学受験のために雀荘で素人相手に荒稼ぎをしていた受験生、ひろゆきは麻雀の請負業を営む天とサシ馬勝負を行う。天の麻雀下手さも手伝って勝負は終始ひろゆき有利に進むが、南4局で天が明らかにイカサマな天和九蓮宝燈をあがり逆転する。その事が縁で2人は知り合いとして付き合い始める。やがてやくざだが義侠な男、沢田と知り合ったひろゆきは代打ちの道を歩き出す。その最初の仕事の地上げ勝負の相手はなんと天だった。勝負は再びイカサマの天和九蓮宝燈を決めた天の勝ちとなるが、実際には天と沢田が自ら全ての面倒の犠牲になることを選択した結果となる(この辺りから、天は実際には麻雀にとても強いことが判明してくる)。天・中西との勝負で負けた事がきっかけで、元々険悪な仲だった地上げ屋と半荘60回の勝負となったひろゆき・沢田だが、地上げ屋の雇った代打ち、室田に苦戦する。差も広げられ万策尽きたかに思えたその時、天が現れ代打ちを志願する。室田のトリックを見破り、プレッシャーの張り合いに勝利した天は完全に室田を撃破するが、地上げ屋側は切り札として「無敵」と恐れられる赤木を投入する。超人的な才気を武器にする赤木は天を圧倒したが、赤木は1回の半荘の負けを理由に代打ちを辞退する。その後、地上げ屋側は天より格上の代打ちを用意できず、赤木が作った勝ちの貯金を守りきれずに勝負は沢田・ひろゆき・天側の勝利となる。勝負の後、沢田と天はひろゆきに、実力は問題ないが表社会に戻れる人間はそうすべきであると諭す。2年後、大学に入り表社会に暮らしていたひろゆきだったが、その心は天や赤木のような麻雀勝負を求めていた。やがて大阪で知り合った麻雀打ちの健に「東」の裏プロ達と「西」裏プロ達が雌雄を決する「東西戦」があることを教えてもらう。「東」の頭領が天であることを知ったひろゆきはその決戦メンバーに志願。ヤクザの代理戦争ともいえる莫大な利権が懸かった危険な戦いのため、最初は断られるが、執念で念願を果たし参加する。「東西戦」は決勝メンバー選出の「ビケ殺し」、「トップ取り」「満貫しばり勝負」を経て「クリア麻雀」そして「二人麻雀」へと移行する(その際行われた特殊ルールを伴う麻雀については後述)。「東西戦」の9年後、麻雀の世界から身を引いてサラリーマンとして暮らしていたひろゆきは、たまたま見た新聞の訃報欄に赤木しげるの名前を見つける。困惑したまま赤木の葬儀、そして通夜に訪れたひろゆき。しかし、赤木はまだ生きていた。なぜこのようなことをするのかと問うひろゆきに、赤木、そして金光の口から衝撃の事実が告げられる。なんと、アルツハイマーにかかった赤木が、自分が自分であることを保てるうちに安楽死によって逝くことを決意し、その直前に「東」のメンバー全員と「西」の原田・僧我と最後の会話をする事を決めたというのだ。その事を知った者達は、ある者は赤木を引きとめようとし、ある者はその死を見届けようとするのだった。安楽死問題についても触れており、麻雀漫画を取り扱う『近代麻雀』シリーズの中でも麻雀を行わない異例の章である。東西戦の予選リーグの前半戦でのルール。東西両陣営の6名ずつが3卓(よって、2対2が3つ)で麻雀を半荘行い、それぞれの卓で最下位だった3名が脱落になる。東西戦予選リーグでの後半戦でのルール。半荘ごとにトップが決勝進出となり、最終的に残った3名が脱落になる。東西戦予選リーグの勝者8名で行われた変則麻雀。主な特徴として、4名が脱落した時点で、東西最終決戦へ移行する。東西最終決戦において、東側陣営の大将・天貴史が考案した変則ルールの麻雀。麻雀の代表的な二翻役5つ(下記)を先にクリアした側が勝つというルール。作中では西側陣営の大将・原田からの提案で、通常の点棒のやり取りも行われ、0点以下(ハコ)になった時点で相手陣営が勝利する、というルールとの並立制で試合が行われた。主な特徴として、この時、クリアの成立と箱が同時だった場合の取り決めをしていなかったため、後の二人麻雀へ移行することとなる。東西決戦最終戦において、西側陣営の大将・原田克美が提案したルール。テンパイまでを競うステージAと、相手の和了牌を看破するステージBからなる。制限時間は1時間。1時間経過時点で新たな局が成立(サイコロの目が確定)していれば、その局は有効である。いたずらな時間の消耗を防ぐため、時間の経過は伏せられ、終了10分前と5分前、そして終了時の3度の合図(目覚まし時計のベル)のみ対戦者に知らされる。最後の局が流局となった場合、供託はトップのもの。終了時に得点の多かった方が勝者となる。2人で通常の麻雀を行う。場風は東で固定、自風は親の東と子の西のみ。鳴きはポン・チー・カン全て可。積棒は増えるが、二翻縛りはない。初めにリーチをかける為の千点棒を10本ずつ支給する。18巡内にどちらかのリーチあるいはテンパイ宣言を以って終了し、ステージBに移行する。後述のステージBを成立させるため、ノーテン・フリテン状態での宣言は禁止だが、カラテン(河と自分の手牌の中に和了牌が全て見えていて、和了り目がない状態)での宣言は可能。テンパイしても宣言をせずに、さらに高い役を狙って続行することも可能だが、フリテンになったり相手にテンパイを宣言された場合水泡に帰すので、役の高低とタイミングの駆け引きが重要である。また、良形で待ちが多いとその分当てられる可能性も高くなるため、かえって悪形で待ちが少ないほうが良い場合も多い。18巡でどちらも宣言が無かった場合は流局。親権は子が和了しなければ移動しない。テンパイ宣言側が攻撃側、被テンパイ宣言側が守備側となる。まず守備側が攻撃側の和了牌を推理し、2牌指定する。正解の(指定した牌が和了牌である)場合はその時点で流局となり、攻撃側が手牌を開けてテンパイが成立している事を示す。両面待ちなどの多面待ちの場合は、待ち牌の一つでも当たれば正解となる。不正解の場合は、攻撃側が5回のツモの権利を得、その5牌内に和了牌があればツモ和了が成立する。このため、ロン和了の概念はない。一発と門前ツモの一翻は加算される。点数は通常の四人麻雀と同じだが、点棒のやり取りはなく、ひたすら得点を重ねるだけである。和了牌を引いても、高めを狙う場合はツモった牌を伏せて捨て、さらにツモることが出来る。通常の麻雀のリーチ同様、和了牌、暗カン牌以外はツモ切り。5牌の中に上がり牌がなければ、再び守備側の上がり牌指定となる。これを王牌残し(通常の4人麻雀と同じ)の位置まで繰り返す。となり、親権は変更しない。通夜編で僧我が赤木に挑んだ勝負。2人で行う心理戦である。トランプの戦争に近い。作中では僧我が負けた場合は僧我が死に、赤木が負けた場合は赤木は生き(赤木は死にたがっているため)、引き分けは勝負なしというルールとなった。まず2人が互いに1から9までの数牌を1つずつ持つ。そしてその9牌から1つを任意に牌を伏せて出す。2人が牌を出したらそれを開き、数字が大きかった方が、2つの数字の和の分点数を得る(たとえば6対3だった場合6側が9点を得る)。引き分け時は2人とも0点。あとは残った牌(1回戦後は8牌、2回戦後は7牌…となる)で再び上記の戦いを行い、9回(手持ちの牌が無くなるまで)これを繰り返す。最終的に得点が多かった方が勝ちである。よって、勝った回数よりも、得た得点が重要であり、強い牌同士の戦いで競り勝つ(自身が得る得点が大きくなる)こと、逆に相手の強い牌に1や2などの必敗牌をぶつける(相手の得る得点が小さくなる)ことが勝ちへの道となる。なお、このゲームは仕組み上7戦目までが全て引き分けになった場合、残りの勝敗に関係なく引き分けが決定する(互いに同じ牌・xとyを持つ形となっており、どう組み合わせても両者0点か(x+y)点の引き分けにならざるを得ない)。『天 天和通りの快男児』(近代麻雀コミックス 竹書房)『天 逆転発想の秘術』 イラスト:福地 誠(近代麻雀コミックス 竹書房)闘牌の解説本。『天 天和通りの快男児』(近代麻雀コミックス、新装版)
出典:wikipedia
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