ラーメン二郎(ラーメンじろう)とは、東京都港区三田に本店を構えるラーメン店、および同本店の店主・創業者である山田拓美の登録商標。1968年(昭和43年)に創業し、2度の移転を経て1996年(平成8年)から三田で「ラーメン二郎 三田本店」の名称で営業する。創業は1968年(昭和43年)で、東京都目黒区の東京都立大学近くに当初「ラーメン次郎」の名前で開店した。これは開店前年の1967年1月にエースコックから発売されて人気となっていたインスタントラーメン、「ラーメン太郎」にちなんでいる。店主の山田は和食料理人で、ラーメンについては全く知識がなかった。最初は「ラーメンぐらい何とかなるか」とたかをくくってラーメン店を出店したが、開店当初から半年間は1日あたりの売上が昼前から深夜まで営業しても20杯以下と低迷していた。様子を見かねた近所の中華料理店店主が自分の中華料理店で修業するようにすすめ、山田はその勧めに応じて3か月間の修行をした。また、近隣にあった雪印乳業の社員子弟学生寮に住んでいた北海道出身の客から受けた助言を参考にし、独自の味を作り出した。1970年代前半、目黒区による下水道工事のために店舗を移転することとなり、客として来ていた慶應義塾大学の学生から情報提供された港区三田・三田通りの元洋食屋店舗にて営業を再開した。その際、ペンキ屋が新店舗の看板の「次郎」とすべきところを間違えて「二郎」と書いてしまったことから、以降はそのまま「ラーメン二郎」表記で通している。提供するラーメンのボリュームと味付け、山田の人柄が学生に受けたことから店は繁盛した。1980年代や1990年代にも書籍に取り上げられている。1986年4月発売の山本益博『東京味のグランプリ〈1986〉』で山本は飲食店を星の数で評価した際、ラーメン二郎は無星の評価だった。1986年発売の『週刊少年マガジン』50号掲載の『ミスター味っ子』「焦がしネギの風味」の扉絵でぶたダブルが描かれており、慶應大学出身者である作者の寺沢大介が「ラーメンの帝王」というフレーズを使った紹介文を添えている。1996年4月20日発売の『島耕作の優雅な1日』では、作者の弘兼憲史がラーメン二郎について取材した内容をイラスト入りでレポートしていた。 1990年代に三田通りの拡幅計画が実施される見通しとなり、これによって二郎も影響を受けることが判明したため、山田は店を閉めることを考えた。しかし、常連客は店の継続を望み、地元慶應義塾大学の学生有志は当時改装が予定されていた慶應義塾大学西校舎学生食堂へ誘致の署名活動を1990年代前半に行った。これは「学内の食堂に、塾生以外の外部の客行列ができるのはまずい」など諸般の事情で実現に至らず、三田通りの店舗は1996年(平成8年)2月末に閉店した。同年6月から桜田通り沿い(慶應義塾大学正門近く)に移転し、営業を再開した。これが現在の三田本店である。2003年には「ラーメン二郎」の名称が商標登録された。権利者は「山田拓美」、区分は「ラーメンを主とする飲食物の提供」で、登録日は2003年(平成15年)3月14日である。2009年(平成21年)には、イギリスの高級紙・ガーディアン紙の「世界で食べるべき50の料理」に選ばれている。麺の上には、野菜(モヤシとキャベツ)と叉焼が載せられる。スープは豚の脂が混ざり脂肪分が多い。豚肉を主な材料とした出汁に、醤油味のタレを加えて調整する。三田本店を含めた殆どの店舗で自家製麺を行い、原材料として日清製粉の強力粉「オーション」を使用している。出来上がった麺は、基本的に、比較的太く、ごわごわした縮れ麺となっている。ラーメン二郎で使う醤油は、以前は千葉県の柴崎味噌醤油店が製造しカネシ商事が販売していた「ラーメン二郎専用醤油」とラベルに表示されている醤油を使用していた。現在はカネシ商事ではなく、株式会社エフゼットと契約。しかしながら、現在も「ラーメン二郎専用しょうゆ」と表記された特注品の醤油を使用している。この専用の醤油は、ラーメン二郎系列店に対して特別に製造して卸している醤油であり、裏ルートに通じていない限り、外部からは入手不可能である。三田本店、また多くの店舗の看板は黄色で、カウンターは赤色である。また、店の前には飲料の自販機があり、購入した飲み物を持込可である事が多い。前払いの食券制である。提供されるのはラーメンが主である。メニューは麺の量と叉焼(「ブタ」と表記される)の量の組み合わせで構成されている。三田本店以外の多くの店舗では、つけ麺や有料トッピングなどのメニューも取り扱っている。ラーメン二郎では、普通のラーメンのことを小(しょう)、大盛りラーメンのことを大(だい)と呼んでおり、中や普通や並といったメニューはない。また小と言っても、一般的なラーメンに比べると量が多い。なお、店舗によってはミニ、プチなど、小よりも量を抑えたメニューがある。それらのメニューが無い店でも、食券提出時等に麺少なめ・麺半分などといった要望を告げれば受け付けてくれるところがほとんどである。基本、豚骨ベースの醤油味のラーメンではあるが一部の支店では味噌味・塩味も提供している。汁なし、すなわち、まぜそば風のメニューがある店舗もある。生卵、生姜を提供する店舗もある。基本的に「ニンニク」と「ヤサイ」「アブラ」「カラメ」の4つのトッピングが無料で可能である。「カラメ」とはタレ汁を付け加えることである。慣行として、ラーメンを供する直前に、店員が客に向けて「ニンニク入れますか?」などと問うので、客は「ニンニク」の有無や「ヤサイ」「アブラ」「カラメ」の追加の希望について返答をしなければならない。実際は、必ずしも定型的な文句ではないかたちで返答を促される場合が多いので、この点、客は注意を要する。基本、4つのうちトッピングしたいもののみを言葉にする。全てトッピングしたい場合は「全マシ」と返答する。また「少なめ」など、トッピングの量も融通をきかせてもらえる店舗が多い。食券提示の際に「アブラ少な目」「味薄目」などと申し出れば、当初の油やタレの基本量を調整してくれる店舗もある。下記の条件に該当する一部のラーメン二郎ファンを「ジロリアン」と表現することがある。ライターの速水健朗は、彼らの多くが「二郎のラーメンが特別に美味しいわけではないが、食べずにいられない」「二郎はラーメンではなく二郎という食べ物である」といった価値観を持っていることを指摘し、ラーメン二郎を食べることを修業とし巡業のように何度も訪れたり各地を回る信者のようだと考察している。また、ラーメン二郎は他の多くのラーメンチェーン店と違って店舗ごとに味が異なるため、様々な店舗を訪れてその味の違いなどの情報交換をインターネット上(ブログなど)で行ってコミュニケーションの素材として楽しんでいる。このようにジロリアンはラーメン二郎を「勝手なルールを元にしたゲーム」のように消費している面があるという。ラーメン二郎のファンが、その味の再現を目指して自宅で作る二郎風ラーメンを意味する語。三田本店以外にもラーメン二郎と名乗る店舗が複数存在する。基本的にのれん分けによるもので、三田本店で修行した人(弟子)や、それらの弟子が開店した二郎直系店で修行した人が「ラーメン二郎」の名称を使用して出店している。各店舗、営業時間中は修行を経験した責任者が厨房に立つ鉄則に従っており、経営はそれぞれ独立して行っている。他に、ラーメン二郎に似せたラーメンを提供しそれを売りとした「ラーメン二郎インスパイア系」と表現される店も複数存在している。近年、インスパイア店は増加傾向にある。元々はラーメン二郎同様、インスパイア店も関東近辺に固まっていたが、雑誌・テレビ・インターネットで注目されてきた為か、関東以外の地方でも目にする機会が増えてきている。。
出典:wikipedia
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