セッコク(石斛、学名:")は、単子葉植物ラン科の植物。日本の中部以南に分布する。岩の上や大木に着生する着生植物である。茎は細長く、堅く、始めは緑色を帯び、通常は後に黒紫色になる。多数の節があり、節ごとに出る葉の基部の鞘に包まれる。一年目の茎には節ごとに葉がある。葉は細い楕円形で、厚くやや堅く、つやがある。葉は年の終わりには葉鞘との間で脱落する。新しい芽は古い茎の基部から横に顔を出す。また、茎の先の方から新しい芽が伸び、その根元から根を生じる形で新しい個体ができることもある。大きさが十分であれば、葉のなくなった茎は、次の年に花を咲かせる。花は、茎の先端に近い数節から出る。各節からは、短い花茎が出て、そこから数個の花を咲かせる。花は赤紫がかった白の花弁で、よい香りがする。唇弁以外の五弁は、いずれも同じくらいの大きさの卵状楕円形、先端はややとがる。唇弁は外見は他の花弁と似たような形で、ただし蕊柱との間の奥の方にくぼみが入り込み、短い距を作る。側弁の基部が下側の外でこれにつながっている。花が咲いた後も茎は数年間生き残り、場合によっては大きな株になる。セッコクは漢字では石斛で、本来は中国産の近似種("D. crispulum"、"D. Kwantungense"など)に当てられた名称であり、健胃、強壮作用などがあり、漢方薬として用いられる (現在は、細葉石斛"D. hancockii"なども使われる。) 。日本名は、そのまま音読みにしたセキコクが使われる場合もあるが、セッコクを使う場合のほうがはるかに多い。セッコクはセキコクが詰まったものと思われる。また、薬用にされることから記紀神話の医療神である少彦名命(すくなひこなのみこと)にちなみ、少彦薬根(すくなひこなのくすね)の古名も持つ。シノブ玉やイワヒバの鉢植え、庭木につけるなどの形で栽培される。また、野生で発見される葉変わり品などを選別・命名する形で江戸時代より古典園芸植物としても栽培された歴史があり、現在も栽培されている品種が多い。東洋ランとしての名称は、長生蘭(ちょうせいらん)である。主として葉変わり、姿や模様の変化を楽しむ、いわゆる柄物が主体であったが、昭和の終わりころより花変わりにも関心が集まるようになり、花物の品種も登録されている。同様に古典植物として栽培される着生ランのフウラン(富貴蘭)と異なり、株分けや、古い茎を切り離してミズゴケの中で腋芽の発芽を促す「矢伏せ」により、株の増殖は容易である。ただし、このような栽培のための採集によって、野外の個体数は激減し、大株を見ることはほとんどなくなっている。昭和50年代までは神社の境内の木に大株が見られることもあったが、現在ではそのようなものはすべて取り尽くされた。幸いに、繁殖力の弱いものではないので、採集熱が冷めるにつれ、次第に回復の気配があるようである。同属の熱帯産の種には、洋ランのデンドロビウムとして栽培されるものが多く含まれ、セッコクもデンドロビウムの園芸品種のうち、矮性品種作出の交配親のひとつとなっている。セッコクは、日本では岩手県以南の本州から四国、九州に以南に分布する。海外では中国まで分布がある。沖縄には近似のオキナワセッコク ("D. okinawense" Hatusima et Ida) がある。樹上に着生し、茎は長く伸びてたれる。乱穫による減少が著しく、2002年に国内希少野生動植物種に指定され無許可での採集・販売などが禁止された。その後2008年(平成20)8月15日からは特定国内希少野生動植物種に指定変更、現在は「都道府県知事等に届け出をおこない認可登録をうけた事業者が仲介し、なおかつ人工繁殖させた個体を取り扱う場合に限り」一般の栽培家を対象とした販売・引き取りなどが認められている。(野生個体の新規採集は現在も原則として許可されない)セッコクに比べると頑健さに欠け、耐寒性も劣る。大型で扱いづらくもあるため本州以北の一般家庭での栽培には不向きだが、適切な栽培施設が用意できれば栽培・増殖は困難ではない。。キバナノセッコク ("D. tosaense" Makino) は、四国、九州、琉球列島に分布する。。樹上から垂れ下がり、花は茎の先端付近から出た花茎が長く伸び、数個の花を垂れ下がるようにつける。花は、セッコクに似ているが、緑を帯びた黄色である。系統にもよるが一般的に栄養繁殖しにくく、種子以外での増殖が難しい。セッコクと交配が可能であり、交配種は「イセ」と呼ばれる。なお、沖縄の八重山諸島にはリュウキュウセッコク ("Eria ovata" Lindl.) があるが、こちらはセッコク属ではなく、オサラン属である。
出典:wikipedia
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